【弁護士の副業】始め方からおすすめの仕事4選、注意点まで徹底解説

弁護士としてのキャリアを歩む中で、さらなる収入源の確保やスキルアップ、人脈形成を目的として、副業に関心を持つ方が増えています。
副業は、経済的な安定を図るだけでなく、幅広い経験を積むことで本業にもプラスの影響を与えます。
本記事では、弁護士におすすめの副業や注意点を解説します。
弁護士は副業できる?
弁護士の副業は認められている
日本では、弁護士が副業を行うことは基本的に認められており、法的な問題はありません。
副業の範囲は幅広く、法律事務所以外の場所での法務業務や、法律とは関係のないビジネスまでさまざまです。
収入の増加やスキルの向上など、多様な理由で副業をする人がいます。
ただし、副業を行う際には、一般的な会社員と同様に本業への影響を最小限に抑えることが重要です。
本業の業務が疎かにならないように時間管理を行うのはもちろん、副業が原因で本業の顧客や取引先に影響を与えるのも問題です。
弁護士法に基づく副業の届出要件
副業の許可要件は、弁護士法第30条に定められています。
弁護士法 第30条(営利業務の届出等)
1 弁護士は、次の各号に掲げる場合には、あらかじめ、当該各号に定める事項を所属弁護士会に届け出なければならない。
一 自ら営利を目的とする業務を営もうとするとき 商号及び当該業務の内容
二 営利を目的とする業務を営む者の取締役、執行役その他業務を執行する役員(以下この条において「取締役等」という。)又は使用人になろうとするとき その業務を営む者の商号若しくは名称又は氏名、本店若しくは主たる事務所の所在地又は住所及び業務の内容並びに取締役等になろうとするときはその役職名
届出は原則として受理されますが、内容によっては制限される可能性もあります。
弁護士法第1条に定められる「基本的人権の擁護」と「社会正義の実現」という使命に鑑み、弁護士としての品位を損なう業務は避けるべきでしょう。
「営利を目的とする業務」とは?
弁護士法第30条で定められる「営利を目的とする業務」とは、どのような業務を指すのでしょうか。
例えば、NPO法人などの非営利活動や監事として関わるケースは「営利を目的とする業務」に該当しません。
また、株式投資や不動産投資、FXなども、投資家の事業所得として積極的に稼ぐのでなく、資産運用の範囲内であれば、届出は必要ないでしょう。
ただし、事業的な規模で営利活動と見なされる場合は届出が必要になる可能性があります。不安がある場合は、所属する弁護士会に確認しましょう。
弁護士におすすめの副業一覧
弁護士が持つ専門性の高い知識とスキルは、様々な副業で活かすことができます。
ここでは、弁護士におすすめの副業を4つご紹介します。
司法試験予備校の講師
副業として弁護士におすすめなのは、司法試験予備校の講師です。
弁護士としての知識と経験を活かし、司法試験予備校の講師として受験生を指導します。
自身の知識を再確認するだけでなく、講義を通じて教育に関するスキルを磨けるなど、メリットはさまざまです。
予備校の講師は、弁護士業務とは異なるスキルが求められるため、講師として腕を磨いていく過程でキャリアの多様化にも役立ちます。
平日の夜や土日の勤務が多いため、本業に影響がない範囲で従事することが可能です。
コンサルタント(税理士や弁理士登録を行ったうえでの活動)
弁護士資格を保有していれば、税理士や弁理士などの専門資格にも登録することが可能です。
税理士登録した場合、税理士の独占業務である、税務書類の作成や税務代理、税務相談を行うことができます。
弁護士としての企業法務知識と、税理士としての税務知識を兼ね備えることで、税務申告と法律対応をワンストップで担えるため、他の弁護士と差別化できるでしょう。
弁護士によるコンサルティングは企業からのニーズも高く、安定した副業収入を得やすいでしょう。
予備校講師とは異なり、実質的な拘束時間が比較的短い点や、リモートなどで対応できる点が主なメリットです。
顧客との打ち合わせや納期に合わせてスケジュールを調整できるため、ライフスタイルに応じた柔軟な働き方ができます。
法律系Webライター
弁護士の副業として、法律系Webライターとして活躍する道もあります。
企業から依頼を受けて、法律に関する記事の執筆や、他のWebライターが執筆した記事の監修などを行います。
法律関連のニュースやトピックに対する解説記事、法律の基本的な知識を紹介する記事など、コンテンツ内容は多種多様です。
法律系YouTuber
弁護士が知識を活かして情報発信する副業としては、法律系Webライターのほかに法律系YouTuberも人気です。
動画を通じて法律に関する解説やアドバイスを提供し、多くの視聴者に情報を届けます。
YouTubeチャンネルの運営は、マーケティングスキルや動画編集スキルの向上にもつながり、副業としての収益も期待できます。
ただし、収益を得るにはある程度チャンネルを育てる必要があるため、注意が必要です。
弁護士が副業を行うメリット
本業以外の収入が得られる
弁護士が副業を行うメリットは、本業以外の収入が得られることです。
本業の収入に満足できない弁護士や、独立直後で仕事が少なく、本業の収入が足りない弁護士にとって、副業は重要な収入源となります。
副業によって、本業に依存しない複数の収入源を確保でき、経済的なリスクを分散できる点もメリットの1つです。
副業の経験を本業に活かせる
副業の経験を本業に活かせることも、弁護士が副業を行うメリットです。
例えば、コンサルタントとしての副業を行うことで、経営戦略やビジネスの知識が身につき、より実践的かつ具体的なアドバイスができるようになるため、本業でもパフォーマンスを発揮しやすくなるでしょう。
また、WebライターやYouTuberとして情報発信を行えば、自身の専門性や人柄を広く社会にアピールでき、ブランディングにつながります。
結果として知名度が向上し、本業の顧客獲得に結びつくケースも少なくありません。
弁護士の副業の注意点
弁護士の副業は公開される?
弁護士法30条により、「営利業務等の届出事項は弁護士会の名簿に記載され、公衆の縦覧に供する」とされています。
副業の内容が変更になった場合や廃業した場合も、弁護士会に届け出る必要があります。
実際に名簿を頻繁に確認する人は稀ですが、万が一、本業のパフォーマンスに懸念を抱いたクライアントが確認する可能性はゼロではありません。
副業が本業に支障をきたすことのないよう、徹底した自己管理が求められます。
違法行為に該当しないか確認する
副業を行う際は、各種法令と弁護士会等の会則に違反する行為でないか、細かく確認することが重要です。
弁護士会と日本弁護士連合会では、副業を行う弁護士に対し、法令と弁護士会等の会則に違反する行為について指導・監督するとしています。
指導・監督に関する基準は以下の通りです。
・情報の不当利用
・利益相反行為
・係争権利を譲り受ける行為
・勧誘等
・地位の不当利用
・その他品位を害する行為
参考:営利業務及び公務に従事する弁護士に対する弁護士会及び日本弁護士連合会の指導・監督に関する基準|日本弁護士連合会
勤務先の就業規則を確認する
副業を始める前に、勤務先の就業規則を必ず確認しましょう。
多くの企業や法律事務所では副業に関する規定を設けており、事前に許可を得なければならない場合があります。
違反すると懲戒処分や解雇のリスクもあるため、就業規則に従って副業を考えるのが重要です。
就業規則で問題がなかったとしても、前述のように、副業が本業の弁護士業務に悪影響を及ぼさないように注意しましょう。
副業可能な弁護士求人例
「MS-Japan」は、弁護士をはじめとする士業と、法務を含む管理部門に特化した転職エージェントとして35年以上の実績があります。
ここでは、「MS-Japan」で取り扱う弁護士求人の中で、副業が認められている求人の一例をご紹介します。
東証プライム上場ヘルステック企業の社内弁護士※副業可
| 仕事内容 |
|
・事業法務関連の業務の対応、管理等 ・事業法務関連のプロジェクト、施策等への参加 ・グローバル水準の組織構築 |
| 必要な経験・能力 |
|
・日本法弁護士有資格者 ・大手・中堅系の法律事務所での弁護士実務経験、または事業会社での法務経験5年以上 |
| 想定年収 |
| 1,000万円 ~ 1,600万円 |
東証プライム上場IT企業の戦略法務リーダー候補※副業申請制(許可実績有)
| 仕事内容 |
|
・契約書審査 ・法務相談 ・知財関連業務 ・商事法務 ・捺印関連業務 |
| 必要な経験・能力 |
| ・企業法務にて契約審査の経験3年以上 |
| 想定年収 |
| 800万円 ~ 950万円 |
弁護士の働き方はMS-Japanにご相談ください
MS-Japanでは、副業可の弁護士求人の紹介はもちろん、弁護士の転職市場に詳しいキャリアアドバイザーによるキャリアカウンセリングや応募書類の添削、面接対策などの転職サポートも提供しています。
現職が多忙で、転職活動に時間を割けない場合も、転職サポートを利用すれば効率的に進められます。
副業の許可実績や平均残業時間などの聞きにくい質問の代行や、内定後の条件交渉の代行も承っております。
また、本業の収入を補うために副業を始めたい場合は、本業を変えることも方法の一つです。
転職による年収アップで、収入に関する悩みが解決することもあるでしょう。
MS-Japanでは、弁護士としての市場価値や適正年収などのご相談も可能です。お気軽にご相談ください
まとめ
弁護士が副業を行うことは法的に認められており、自身のスキルや経験を活かして新たなキャリアを築くための有効な手段です。
司法試験の予備校講師やコンサルタント、Webライター、YouTuberなど、その選択肢は多岐にわたります。
ただし、どの副業を始める場合でも本業に悪影響を及ぼさないよう、自己管理を徹底することが成功の鍵となります。
弁護士として新たなキャリアを考えている場合は、転職エージェントの活用がおすすめです。
弊社MS-Japanは、管理部門や士業に特化した転職エージェントとしてさまざまなサポートを提供しています。
弁護士としてキャリアの不安は、MS-Japanにご相談ください。
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この記事を監修したキャリアアドバイザー

大学卒業後、大手サービス会社にて法人営業を経験、その後人材紹介会社にてキャリアアドバイザー経験を経て、MS-Japanへ入社。
主に会計事務所、弁護士事務所の担当を持ちながら士業領域での転職を検討している方のカウンセリングから案件紹介を担当。
会計事務所・監査法人 ・ 法律・特許事務所 ・ 税理士 ・ 税理士科目合格 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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