【ベンチャー企業の人事】業務内容や求められること、向いている人など徹底解説



人事に関するスキルや経験は、業種・業態を問わず共通で活かせる部分が多いですが、環境によって求められる能力に大きな違いが生じる部分があるのも事実です。
本記事では、ベンチャー企業の人事にスポットを当て、業務内容や向いている人などの転職活動に役立つ情報を提供します。
ベンチャー企業の人事求人例
まずは弊社MS-Japanが運営する管理部門・士業特化型転職エージェント「MS Agent」で取り扱っているベンチャー企業の人事求人例をご紹介します。
人事総務部長/医療機器ベンチャー
仕事内容 |
・人事戦略の立案推進 ・人事メンバーを含むマネジメント ・人件費予算の策定管理 ・人員計画、異動計画の立案実施 |
必要な経験・能力 |
・CHROや人事部長を務めたご経験 ・IPO準備企業での実務経験 ・人事総務全般の実務経験 |
想定年収 |
800万円~1,100万円 |
労務総務/フレックス制度あり
仕事内容 |
・入退社管理 ・給与計算 ・年末調整 ・オフィス管理 |
必要な経験・能力 |
・労務/総務の業務経験をお持ちの方 ・英語での業務経験 |
想定年収 |
400万円~600万円 |
人事採用担当/メディア掲載実績多数
仕事内容 |
・採用計画とスケジュールの策定 ・採用戦略の立案と実行 ・組織診断の実施と分析 |
必要な経験・能力 |
・事業会社での採用実務経験:1年以上 ・人材業界でRA/CAのご経験:1年以上 |
想定年収 |
400万円~600万円 |
ベンチャー企業の人事はどんな業務内容?
ベンチャー企業の人事担当者は、大企業の人事部とは異なり幅広い業務を担当します。
採用においては、エンジニアや営業などの専門職はもちろん、将来の成長を支える幹部候補など多様なポジションの人材を確保する必要があります。
求人戦略の立案から面接、入社後のフォローまで一貫して対応するケースも珍しくありません。
また、社内体制や制度がまだ確立されていないケースが多いため、社員の教育・研修プログラムの設計や、評価制度・給与体系などの構築を任される場合もあります。
企業によっては、従業員エンゲージメントの向上を目的とした社内イベントの企画・運営などを担うこともあるでしょう。
ベンチャー企業では総務など他の管理部門と兼任するケースも多くみられます。
比較的裁量をもって働けるため、大きなやりがいを実感できる環境の一つといえます。
ただし、企業によって具体的な業務内容や範囲、裁量は異なるため、転職の際は応募する企業ごとに確認しましょう。
ベンチャー企業の人事で求められること
ベンチャー企業の人事で求められる素質、能力として以下の点が挙げられます。
柔軟性
成長期にあるベンチャー企業では、大企業などに比べて終身雇用・年功序列に対する意識が薄く、従業員の入れ替えも頻繁です。
さらに事業が成功するにつれて、組織の規模も内容も変化していきます。
現在の日本企業は、経済のグローバル化、DX、コンプライアンス意識の高まりといった急速に変化する外部環境への対応力が求められています。
しかしベンチャー企業の場合、外部環境に加えて企業内部の組織・経営資源においても時間とともに大きく変化し、人事部門もそれに応じた業務を行う必要があります。
こうした企業内外の激変に対応するには、業務に対する高度な柔軟性が求められます。
向上心
ベンチャー企業では雇用できる人数に限界があるため、人事においても一人ひとりの従業員に大きな役割が求められます。
そのため転職市場においては、日頃から向上心をもって自己啓発に力を入れているかどうか、組織に貢献できるようにスキルアップに努力をしているかどうかが、応募者を評価する上での重要な判断基準になりやすいでしょう。
「定型業務をミスなくこなす」といった考え方よりも、向上心をもって、失敗を恐れずに難題に挑戦しようとする姿勢で取り組む人が、面接の場でも評価されやすいといえます。
成功しつつあるベンチャー企業のトップ層および雇用されている従業員には、業界の専門知識が豊富にあり、成長・成功への意欲を強くもつ人材が結集しています。
一般的な大企業・中小企業に比べて、向上心を重視する組織文化があるといえるでしょう。
マルチタスク能力
ベンチャー企業は少数精鋭の組織であるため、人事業務も少数、企業によっては一人でこなすことを求められます。
1つの業務に集中して取り組む性格よりも、フットワークが軽く、幅広い業務を並行して取り組めるマルチタスク能力のある人が、ベンチャー企業の人事に向いています。
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人事のスキルに関して詳しくはコチラ
人事として欠かせない6つのスキルと今後求められる役割
ベンチャー企業の人事は大変?
ベンチャー企業の人事は、一人当たりの担当業務が広範にわたるため、良い意味では裁量が大きく、やりがいがあるといえます。
しかし、悪く言えば日々繁忙でストレスが溜まりやすいと面があるともいえるでしょう。
そのため、転職時の採用面接で待遇条件が良くても、仕事内容が過度に繁忙であったり、業務量に対して割に合わないと感じた場合は、応募先を変更するのも一つの方法です。
入社を決めても働く中で次第に不満が募り、短期間に職場を離れることになるおそれもあります。
入社を決める際は、自分の担当する仕事の線引きをきちんと行えるか、そのための自己主張を行える雰囲気があるか、それが通る組織であるかどうかを、面接時に確認するようにしましょう。
言われた仕事を何でも「やります」と言っているだけでは、オーバーワークになって心身に支障が生じるおそれもあるため、注意が必要です。
実際に転職先を決める際には、人事以外の仕事をどの程度兼務する必要があるのか、給与体系や福利厚生が整備されているかなども確認しておくとよいでしょう。
とくに体力的な問題や家庭の事情などで長時間労働が困難な場合は、ベンチャー企業への転職を決断する前に、十分に検討しておくことをおすすめします。
ベンチャー企業の人事はどんな人におすすめ?
ベンチャー企業の人事は、以下のような希望をもつ人に適した職場です。
人事領域の経験を幅広く積みたい人
既存の人事業務を尊重し、マニュアル化された業務内容を詳細に覚えて日常業務をこなすことが得意な人は、ベンチャー企業よりも大手企業や老舗の中小企業の方がやりがいを感じやすいかもしれません。
一方、日々同じような業務を繰り返すだけでなく、急速に変わる経営環境に適応してその変化を楽しみたいと考えている人、人事にかかわる幅広い業務について経験を積みたいと考えている人は、ベンチャー企業の人事に適性があるといえます。
ベンチャー企業によっては、大企業であれば「総務」や「労務」など別部署で扱っているような業務を一人でこなすよう求められます。
一つひとつの仕事に時間をかけるよりも、効率よく業務をこなす意識が高い人が、ベンチャー企業の人事に向いています。
経営陣と近い距離で仕事をしたい人
ベンチャー企業は規模が小さく、人事が取り組む採用業務などは経営のあり方に直結する事案でもあるため、必然的に経営陣と一緒に仕事をする機会が増えます。
経営陣とより近い距離で仕事に取り組みたい人、経営トップの視点に立って人事業務を行いたい人にとっては、ベンチャーの人事は理想的な職場です。
経営陣との仕事と聞くと、一般的な従業員からすると地位に差があるため、話しにくいのではとのイメージも抱きがちです。
実際、大企業やある程度の規模を持つ中小企業では、従業員が経営トップ層と直接会話する機会は少ないでしょう。
しかしベンチャー企業は組織が大きくないため、経営陣もフランクな方が多い傾向にあります。
小規模である分、大企業のような上下関係、伝統的な社風といったものがなく、のびのびと仕事に取り組めるケースが多いといえます。
人事の転職を成功させる秘訣
ベンチャー企業の人事に転職するポイントとして、以下の3点が挙げられます。
転職で叶えたいことを明確にする
転職活動を行う上で最も重要なのが「なぜ転職したいのか」を明確にすることです。
転職する理由は履歴書・職務経歴書などの提出書類に記載する必要があり、面接の場において必ず質問されます。
面接で志望理由をスムーズに答えられないと、「動機が不明」という評価以前に、転職活動への準備不足と見なされる可能性があります。
とくにベンチャー企業の人事への転職を考える場合、重要になるのが「その企業に転職して何をしたいのか、どのような貢献をしたいのか」です。
ベンチャーでは即戦力となる人材を求めている傾向があるため、人事を通して貢献できる内容を伝えられるようにしておくのが望ましいです。
経験だけでなくカルチャーマッチも確認する
人事の求人が出ている場合、企業側のニーズと自分の実務経験・キャリアがマッチしているかどうかを検討する必要があります。
ただベンチャー企業の場合、それに加えて企業の組織文化と自分の価値観とマッチしているかどうかをチェックすることも重要です。
大企業などでは組織文化がすでに定着していて、経営トップ層が変わっても、企業の理念や伝統的な価値観、企業組織内の雰囲気や慣行などは変わらないことが多いです。
しかしベンチャー企業は創業して間もない上に組織規模が小さいこともあり、創業者や経営者の理念や行動指針がそのまま組織文化に大きく影響していることが少なくありません。
つまりベンチャー企業の経営者がどのような人物であるかによって、組織文化も変わってくる傾向があります。
たとえば、創造性を重視する文化、結果重視で競争が激しい文化、従業員同士の調和や、体育会系のような秩序を重んじる風土など、創業者や経営者の意向や個性によって、組織の風土も大きく変わります。
こうした組織文化が自分に合うかどうかは、転職先を選ぶ際の重要なポイントとなります。
人間関係を大切にしながら落ち着きのある働き方がしたい人が、結果重視で従業員同士の競争が激しい文化をもつ職場に転職してしまうと、風土が合わず転職を後悔することになりかねません。
組織文化は明文化されている企業理念から読み取れることもありますが、具体的・現実的な内容は従業員に尋ねてみる必要があります。
面接時の質問タイムのときなどに、職場の雰囲気などを尋ねてみるとよいでしょう。
人事専門の転職エージェントを活用する
自分の志望・適性にあった職場への転職を実現するには、事前に十分な情報を集める必要がありますが、個人では限界があるのも事実です。
より希望に近い職場を探したいなら、転職エージェントの活用をおすすめします。
MS Agentでは、ベンチャー企業の求人も豊富に扱っており、社風や働き方などの情報も把握しています。
求職者に最適な求人のご紹介、入社までのサポートが可能なため、後悔のない転職を実現できます。
ベンチャー企業へ転職成功した人事の事例
ここからは、ベンチャー企業の人事への転職を成功させた事例をご紹介します。
転職によりベンチャー企業のIPO準備に再チャレンジ
Xさん(50代前半)
転職前:IPO準備中ベンチャー企業
転職後:IPO準備中フィンテック系ベンチャー企業
Xさんは大手銀行やIPO準備企業、エンタメ業界など多様な業界で人事総務責任者として経験を蓄積していました。
しかし勤務先のIPO準備が不成功に終わり、自分が就いているポジションが不要になってしまいます。
そこで集大成として、もう一度IPO準備に取り組んでみたいと考え、IPO準備中ベンチャーにターゲットを絞って転職活動を開始しました。
応募書類を送ったのは、直前期をメインとしたIPOベンチャーで、最終的には金融業界での経験を活かせるファンテック系のIPOベンチャーから内定をもらいました。
代表の人柄やIPOに対する想い、一緒に働くメンバーや職場の雰囲気が良かったことが、大きな決め手となりました。
Xさんは年齢の割には転職回数が多く、以前は書類選考の段階で落とされることが多かったそうです。
しかしMS Agentにて必要なアドバイスを受けたことで、転職成功にこぎつけました。
転職を6回経験していても希望通りの職場に採用
Wさん(30代前半)
転職前:上場グループ企業
転職後:ベンチャー企業
Wさんは、上場グループ企業で給与計算や社会保険の手続きを担当していました。
しかし外部委託する部分も多くあることから、もっと自分の経験を活かせる職場への転職を決意します。
ただ現職に至るまで1~2年のスパンで転職を繰り返していたため、その点がネックとなって転職が難しいのではないか、との不安をもっていたといいます。
Wさんは転職先を探すにあたって、スキルを活かせるだけでなく、ワークライフバランスがよい職場であることを条件として重視していました。
上場企業からベンチャー企業まで幅広く応募書類を提出し、最終的にIPO準備中ベンチャーから内定をもらいました。
一緒に働いていく方の人柄・職場の雰囲気がよかったこと、労務に加えて総務・人事全般にキャリアを拡大できることが決め手となって、内定を受諾します。
Wさんは30代前半にして6回の転職経験がありましたが、大企業での社会保険手続きでの経歴を評価され、納得のいく転職を実現しました。
まとめ
ベンチャー企業は人的資源に限界があるため、人事担当として転職しても、労務や総務、あるいは秘書のような業務を任されることが少なくありません。
日常業務を通して幅広い実務経験を積むことができ、自分の成長を実感しながら働ける点が大きな特徴でありメリットです。
またベンチャー企業では、将来的に最高人事責任者(CHRO)など、経営トップ層に昇進できるケースも多いです。
キャリアアップを図るという点でも、ベンチャー企業の人事への転職は魅力的な選択肢といえるでしょう。
- #ベンチャー企業
- #ベンチャー人事


この記事を監修したキャリアアドバイザー

大学卒業後、新卒でITベンダーに入社し、営業としてエネルギー業界のお客様を担当。その後、損害保険会社で法務業務に従事。
キャリアアドバイザーとしてMS-Japanに入社後は、法務、弁護士、法科大学院修了生などリーガル領域を中心に担当。
経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 法律・特許事務所 ・ 役員・その他 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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