経理は在宅勤務が難しい?在宅勤務できる企業の特徴や求人例



コロナ禍を経て、様々な業種・職種で在宅勤務という働き方が導入されました。経理についても例外ではなく、在宅勤務を可能とする企業が多く見受けます。
一方で、全社的に在宅勤務が認められている企業であっても、経理は週に数日の出社が定められているケースも多い傾向です。
この記事では、経理の在宅勤務が難しいとされる理由について解説し、在宅勤務できる企業の特徴や求人例などをご紹介します。
経理の在宅勤務が難しい理由とは?
ここでは、経理の在宅勤務が難しいとされる主な理由をご紹介します。
紙文化・ハンコ文化が残っている
一般的な企業の経理部では、取引先の都合に応じて請求書・納品書・領収書などを作成します。PDF形式で書類を送受信できる環境が整っていない取引先の場合、紙の書類が必要です。
また、経理が扱う書類は会社印の捺印が必要ですが、自宅に会社印を持ち出すことができないため、経理担当者はオフィスまで足を運んで捺印作業をする必要があります。
機密情報の取り扱いが多い
経理は、財務情報をはじめとする機密情報の取り扱いが多いため、従業員の自宅で書類・データを取り扱うことを企業が不安視するのは当然と言えるでしょう。
例えば、従業員が会社から資料・データを持ち出し、カバンの盗難や置き忘れなどのリスクも考えられます。
機密情報の漏洩を防ぐ目的として、経理の在宅勤務を認めていない企業は、一定数存在しています。
実際は経理求人の51.9%が在宅勤務可
先述した理由から、日本の多くの企業において、「経理の在宅勤務は難しい」と考える人は多いでしょう。
しかし、データを紐解いてみると、必ずしもそうとは限らないことが分かります。
弊社MS-Japanが運営する、管理部門・士業特化型転職エージェント「MS Agent」において、2023年1月1日~2023年12月14日に募集された経理求人の内、51.9%は在宅勤務可(リモートワーク可)の求人です。
意外なことに、経理求人の約半数が在宅勤務を認めているという結果が出ています。
ただし、誰もが自宅で働けるとは限らず、在宅勤務可の求人とフル出社求人を想定年収・募集要件レベル別に分けると、次のような傾向が見られました。
想定年収・募集要件レベル | 在宅勤務可 | フル出社 |
---|---|---|
想定年収600万円未満 | 44.6% | 55.4% |
想定年収600万円以上 | 59.3% | 40.7% |
未経験OK | 43.7% | 56.3% |
経験者募集 | 52.8% | 47.2% |
在宅勤務可の割合は、想定年収では、「600万円以上」、募集要件レベルでは「経験者募集」が高い傾向にあることが分かります。
つまり、ハイスキルな人材は在宅勤務が認められる傾向だと言えるでしょう。
経理として在宅勤務可能な職場に転職したい場合、まずはスキルアップが重要だと考えられます。
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経理・財務の転職市場レポート2024
経理が在宅勤務できる企業の特徴とは?
次に、在宅勤務を導入している企業の特徴について解説します。
システムのクラウド化が進んでいる企業
社内サーバにデータを保存し、社内ネットワーク上で作業を行うオンプレミス型システムを利用する企業では、在宅勤務の導入が難しい傾向です。
一方、会計システムをクラウド化している企業の場合は、社外からシステムへアクセスできるため、スムーズに在宅勤務へ切り替えることができます。
求人情報・企業情報をチェックする際は、クラウドシステムの導入状況について注目しましょう。
IT・通信業界
在宅勤務可能な経理求人を探すにあたっては、業界を絞って求人をチェックするのも良い方法です。
IT・通信業界の企業は、経理部においても書類・印鑑の電子化やセキュリティ構築が進んでいる傾向があり、経理の在宅勤務が認められる可能性が高いと考えられます。
過去のMS Agentの調査においても、在宅勤務可能な求人の割合が最も高い業界はIT・通信業界でした。
ただし、いずれの企業においても、経理業務がまったくの未経験である場合、業務を学ぶために一定期間出社が必要となるでしょう。
在宅勤務できる経理求人の探し方
ここでは、在宅勤務できる経理求人の探し方についてご紹介します。
まずは転職サイトで検索する
一般的な転職サイトでは、求人検索の機能として「在宅勤務可」・「リモートワーク可」といった条件で絞り込みをかけて検索することができます。
まずは、各転職サイトにおいて「経理」・「在宅勤務可」・「リモートワーク可」の条件で絞り込み、求人数を確認しましょう。
「年収」や「希望勤務地」などの条件も入れることで、応募対象となる求人が見えてきます。
在宅勤務の実態を転職エージェント経由で把握する
「在宅勤務可」としている求人であっても、実際にどれくらいの人がどれくらいの頻度で在宅勤務をしているのか、実態を把握することが重要です。
しかし、求人情報や企業サイトに詳細が記載されていないケースも多く、面接で質問することに躊躇する方も多いでしょう。
その場合は、転職エージェントを介することで、スムーズに在宅勤務の実態を把握することができます。
転職エージェントでは、転職希望者だけでなく、求人を募集する企業側にも入念なヒアリングを行っているため、企業の内情を詳しく把握しています。
在宅勤務だけでなく、残業時間や人間関係など、面接で直接聞きにくい質問も、転職エージェントで代行することが可能です。
経験者は業務委託求人も選択肢の一つ
すでに経理実務を経験している場合は、直接雇用という選択肢にこだわらず、業務委託求人を探すのも一手です。
業務委託とは、自営業・フリーランスという立場で企業から業務の依頼を受けることで、例えばクラウドソーシングサイトなどを利用すれば、個人でも気軽に仕事を受けることができます。
多くの場合、中小企業や会計事務所が依頼主となり、決算の繁忙期などでフォローを依頼する案件がよく見られます。
今まで培った経験や自分の実力が通用するかどうか試してみたいと考えている人は、業務委託求人についても検討してみましょう。
「MS Agent」で扱う在宅勤務の経理求人例
ここでは、「MS Agent」で扱う経理求人のうち、在宅勤務できる求人の一例をご紹介します。
<フルリモート・フルフレックス>電子決済サービスの開発・提供する企業の経理
仕事内容 |
■新サービス立ち上げに纏わる次の業務 ・収益を中心とした会計および経理オペレーションの検討 ・社内システム開発に関する経理面の要求定義 など ■ARに纏わる次の業務 ・債権管理(債権計上および消込) ・収益認識判断・仕訳起票 ・監査対応、データ収集、分析 など |
必要な経験・能力 |
以下いずれか必須 ・事業会社の経理経験と日商簿記1級程度の知識 ・ERPシステムの導入や要件定義経験 ・新収益認識基準の導入や検討経験 |
想定年収 |
500万円 ~ 900万円 |
<フルリモート・フレックス>IT×地方創生を手掛けるIPO準備中企業の経理
仕事内容 |
・月次決算取りまとめ、経営レポート ・四半期決算取りまとめ(準金商法) ・期末決算取りまとめ(準金商法・会社法) ・決算開示資料作成(決算短信・有価証券報告書)など |
必要な経験・能力 |
・上場企業(または上場準備企業)での経理実務 3年以上 |
想定年収 |
600万円 ~ 850万円 |
リモート可の経理求人を探す
まとめ
一般的に、経理の在宅勤務は書類・ハンコ・機密情報の取り扱いなどを理由に難しいと考えられていますが、企業・業界によっては在宅勤務が可能な場合もあります。
会計システム等のクラウド化が進んでいる企業や、IT・通信業界に属する企業の求人を探してみると、在宅勤務ができる体制が整った企業を見つけやすいでしょう。
しかし、誰もが在宅勤務に従事できるとは限らず、一定の実務経験・能力が問われる点に注意が必要です。
また、直接雇用にこだわらない人、副業等で自分の実力を確かめたい人は、業務委託求人にも注目することをおすすめします。
- #経理
- #在宅勤務
- #リモートワーク


この記事を監修したキャリアアドバイザー

カナダ州立大学卒業後、新卒でMS-Japanへ入社。求人企業側の営業職を経験した後、2014年にキャリアアドバイザーへ異動。
2016年からは横浜支社にて神奈川県内の士業、管理部門全職種を担当し、現在は関東全域の士業、管理部門全職種を担当。
経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 外資・グローバル企業 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 役員・その他 ・ IPO ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ USCPA ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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