税理士(勤務・開業)の年収を徹底比較!年収アップを目指す3つの方法とは

税理士は難関国家資格のひとつであり、高収入な職業というイメージを持たれがちです。
しかし、実際に働く税理士の中には「今の年収に満足していない」と感じる方も少なくありません。
本記事では、税理士の年収を勤務税理士と開業税理士に分け、年齢・性別・企業規模別に詳しく解説します。
さらに、年収を上げる具体的な方法や、年収アップを実現した転職事例、高年収を目指せる求人例もご紹介します。
この記事のまとめ
・「令和6年賃金構造基本統計調査」による勤務税理士の平均年収は約856万円。
ただし、同調査は税理士と公認会計士をまとめた集計であるため、セグメント別の年収は注意して見る必要があります。
・独立開業し、順調に顧客を獲得できれば年収1,000万円以上も珍しくありません。
・勤務税理士が年収を上げるには、希望する年収と現在の状況を踏まえて3つの選択肢があります。
勤務税理士の平均年収
税理士は大きく分けて、税理士法人や会計事務所、企業に雇用されて働く「勤務税理士」と、独立して顧客を持つ「開業税理士」に分けられます。
この2つでは年収水準や特徴が大きく異なるため、それぞれ分けて解説します。
まずは勤務税理士の年収について、厚生労働省が公表する「令和6年賃金構造基本統計調査」のデータをもとに紹介します。
同調査は、従業員数10人以上の事業所を対象とした全国規模の統計で、税理士・公認会計士をまとめて集計したデータです。
勤務税理士の傾向を把握する上では有用ですが、公認会計士を含む点には留意が必要です。
調査結果によると、勤務税理士の平均的な賃金は以下のとおりです。
・きまって支給する現金給与額(平均月給):557,700円
・年間賞与その他特別給与額(ボーナス):1,870,200円
これらを合計すると、勤務税理士全体の平均年収は約856万円となります。
年収としては比較的高水準ですが、実際には年齢・性別・企業規模によって差が大きいため、次章以降で詳しく紹介します。
参照:令和6年賃金構造基本統計調査|厚生労働省
【年齢別】勤務税理士の年収
| 年齢 | きまって支給する 現金給与額 |
年間賞与 その他特別給与額 |
合計 |
|---|---|---|---|
| 20~24歳 | 301,800円 | 83,900円 | 3,705,500円 |
| 25~29歳 | 408,400円 | 827,100円 | 5,727,900円 |
| 30~34歳 | 377,900円 | 941,000円 | 5,475,800円 |
| 35~39歳 | 478,000円 | 2,034,800円 | 7,770,800円 |
| 40~44歳 | 601,200円 | 2,536,200円 | 9,750,600円 |
| 45~49歳 | 627,500円 | 2,732,800円 | 10,262,800円 |
| 50~54歳 | 713,800円 | 2,744,100円 | 11,309,700円 |
| 55~59歳 | 613,100円 | 1,385,700円 | 8,742,900円 |
| 60~64歳 | 1,029,400円 | 2,063,700円 | 14,416,500円 |
| 65~69歳 | 451,700円 | 1,034,300円 | 6,454,700円 |
| 70歳~ | 440,400円 | 238,200円 | 5,523,000円 |
【男女別】勤務税理士の年収
| 性別 | きまって支給する 現金給与額 |
年間賞与 その他特別給与額 |
合計 |
|---|---|---|---|
| 男性 | 665,800円 | 2,298,500円 | 10,288,100円 |
| 女性 | 390,500円 | 1,207,700円 | 5,893,700円 |
【企業規模別】勤務税理士の年収
| 企業規模 | きまって支給する 現金給与額 |
年間賞与 その他特別給与額 |
合計 |
|---|---|---|---|
| 10~99人 | 473,400円 | 927,100円 | 6,607,900円 |
| 100~999人 | 503,800円 | 1,597,600円 | 7,643,200円 |
| 1,000人以上 | 643,000円 | 2,719,800円 | 10,435,800円 |
開業税理士の平均年収
次に、独立開業した税理士の年収について解説します。
開業税理士の年収は、事務所の規模やクライアント数によって大きく異なります。
順調に顧客を獲得できれば年収1,000万円を超えるケースも珍しくなく、勤務税理士のように年収に天井がないため、努力次第でさらに高い年収を目指すことも可能です。
一方で、開業初年度などは顧客数が少ないため、年収が300〜400万円程度と勤務税理士時代を下回るケースもあります。
一般的には、独立後3〜5年で軌道に乗れば勤務税理士時代の年収を上回り、安定的に高収入を得られるとされています。
もっとも、安定した収益を得るためには、顧客獲得や付加価値の高いサービス、業務の効率化といった工夫が欠かせません。
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税理士が年収を上げるための3つの方法
この章のまとめ
・年収1,000万円以上かつ、青天井に年収を上げたいなら「独立開業」を目指す!
・今の職場で年収を上げられる可能性があるなら、実力(スキルや経験)を磨く!
・今の職場の年収水準が低いと感じるなら、「高年収帯の職場」に転職する!
勤務税理士の中には、今の年収に満足できず、さらに収入を上げたいと考える方も少なくありません。
ここでは、そんな税理士の方が年収アップを実現するための3つの選択肢を解説します。
現職で税理士としての実力を磨く
年収アップを目指すにあたっては、まず現職において税理士としての専門性や対応力を高めることが重要です。
特に、資産税、国際税務、組織再編税制といった難易度の高い分野での実務経験は高く評価される傾向があります。
これらの分野を担当できるようになることで、社内での評価が高まり、昇進や昇給の可能性も広がります。
また、税務調査対応や新規クライアントへの提案など、負荷の高い業務で成果を上げることも、責任あるポジションや収益性の高い案件を任される契機となります。
現職での評価を高めるには、与えられた業務をこなすだけでなく、業務の質と幅を主体的に広げていく姿勢が重要です。
高年収を目指せる職場に転職する
現職での年収アップが難しい場合は、年収水準の高い職場への転職も選択肢の一つです。
税理士法人や会計事務所では、一般的に規模が大きいほど年収水準が高い傾向にあります。
したがって、個人事務所や小規模事務所から、Big4や準大手税理士法人へ転職することで、年収アップが期待されます。
加えて、大手企業やコンサルティングファーム、金融機関なども、高年収を目指しやすい職場として挙げられます。
ただし、高い報酬に見合うスキルや経験が求められるため、転職成功には、これまでの実績を明確にアピールすることが重要です。
希望に合った職場を見つけるためには、転職エージェントを活用することも有効です。
独立して「開業税理士」として働く
税理士として年収を大きく引き上げる手段の一つが、独立開業です。
得意分野に特化し、他事務所と差別化したサービスを提供することで、高収入を実現できる可能性があります。
ただし、開業には初期費用や経営リスクが伴うだけでなく、顧客獲得や営業活動など税務以外の業務も求められます。
そのため、開業に踏み切る前に、現職での実績づくりや人脈形成、経営知識の習得など、しっかりと準備する必要があります。
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税理士が転職で年収アップした事例
MS-Japanは、士業・管理部門に特化した転職エージェントです。
税理士の方からは、「周囲と比較して年収が低いと感じる」「現在の年収に満足していない」といったご相談をいただくことも多くあります。
以下では、「MS-Japan」を利用して年収アップを実現された税理士の転職事例をご紹介します。
Big4への転職で大幅年収アップを実現した事例
Kさん(37歳/男性)
転職前:中堅税理士法人 国際税務担当(年収:680万円)
転職後:Big4税理士法人 移転価格部門(年収:920万円)
Kさんは国際税務を中心に経験を積んできましたが、所属法人では役職枠が限られており、今後の昇給余地に不安を感じていました。
当社では、Kさんの国際税務スキルを評価する求人を複数紹介し、特に大規模案件を扱う移転価格部門のポジションを提案。選考前には、志望動機のブラッシュアップやケーススタディ面接対策も実施しました。
その結果、希望していたBig4税理士法人から内定を獲得。年収は約1.35倍の920万円となり、より高度な案件に携わるキャリアアップも実現されました。
上場企業への転職で年収1,000万円を実現した事例
Mさん(42歳/女性)
転職前:大手税理士法人 マネージャー(年収:730万円)
転職後:プライム上場企業 経営企画・税務統括ポジション(年収:1,050万円)
Mさんはマネージャー職としてチームを牽引していましたが、繁忙期の長時間労働と年収の伸び悩みに課題を感じていました。
当社では、Mさんのマネジメント経験を評価する事業会社の経営企画ポジションをご提案。役員面接に向けた経営視点でのプレゼン練習や、これまでの成果の棚卸しをサポートしました。
結果として、年収は1,000万円を突破し、ワークライフバランスの改善も実現。現在は経営陣と直接やり取りしながら、グループ全体の税務戦略を担っています。
高年収を目指す!税理士の求人例
ここでは、「MS-Japan」で扱っている年収1,000万円以上の税理士向け求人をご紹介します。
「MS-Japan」では、一般には公開されていない非公開求人も多数取り扱っており、他社では出会えないポジションをご提案できるケースもございます。
気になる方はぜひサービスを利用してみてください。
Big4税理士法人/経営承継業務/リモート可
| 仕事内容 |
|
・税務コンサルティング業務 ・相続税、贈与税等の申告書の作成業務 ・株式評価業務 |
| 必要な経験・能力 |
|
・会計事務所等での2年以上の実務経験 ・自社株対策コンサルティング等の資産税対策経験 ・組織再編等の実務経験 |
| 想定年収 |
| 1,038万円 ~ 1,094万円 |
【税理士・会計士対象】経理財務マネージャー候補
| 仕事内容 |
|
・月次、四半期、年次決算全般 ・資産の公正価値評価等 ・M&A業務(デューデリジェンスなど) |
| 必要な経験・能力 |
|
・税理士または会計士資格 ・IFRS基準に基づく決算業務経験 |
| 想定年収 |
| 1,000万円 ~ 1,200万円 |
【税理士限定】大手金融機関の税務ガバナンス
| 仕事内容 |
|
・税務ガバナンスの企画立案・推進 ・国際タックスプランニングの企画立案・推進 ・国際税務に関する制度対応等 |
| 必要な経験・能力 |
|
・税理士試験合格者 ・TOEIC 860点以上の英語力 ・国際タックスプランニングの経験 |
| 想定年収 |
| 1,200万円 ~ 2,000万円 |
年収1,000万円以上の税理士求人を探す
税理士の年収に関するよくある質問
税理士の年収において、よくご質問いただく内容をまとめました。
Q.首都圏と地方で税理士の年収は違いますか?
地域別の年収水準を見ると、首都圏で勤務する税理士の方が突出して高い年収を得ている傾向があります。
その理由としては、首都圏に主要な大企業が集中しており単価の高い業務が多いこと、さらに最低賃金水準が高く報酬額も全体的に高めに設定されていることなどが挙げられます。
ただし、地方にも高年収を実現している事務所はあります。
地方で高年収の事務所を探したい場合は、転職エージェントに相談してみると選択肢が広がります。
Q.税理士として今の年収が適正かを知るにはどうすればよいですか?
現在の年収が適正かを判断するには、自分の経験やスキルを踏まえて客観的に比較する必要があります。
身近な同僚や知人とだけ比較すると、偏った判断になってしまう可能性があるため注意が必要です。
多くの税理士の年収データを集計している母集団で確認するのがおすすめです。
MS-Japanの「年収診断」は、管理部門・士業人材24万件以上のデータをもとに、あなたの経験やスキルを踏まえて適正年収や年収アップの可能性を診断できます。
年収アップの転職イメージも確認できますので、まずは一度チェックしてみましょう。
まとめ
税理士は専門性が高く、比較的高年収の職業ですが、企業規模や年齢、実績によって年収は大きく異なります。
年収アップを目指す場合は、本文で紹介した「現職での実力向上」「高年収を目指せる職場への転職」「開業税理士としての独立」といった選択肢の中から、自身の現状や今後のキャリアプランに最適な方法を検討することが重要です。
どれが最適か迷っている方は、転職エージェントに相談することをおすすめします。
「MS-Japan」は、税理士をはじめとする士業や管理部門の特化型エージェントとして、35年以上の実績があります。
税理士の転職支援も豊富で、キャリアプランの提案や求人の紹介、アピールポイントの明確化など、転職活動における全般のサポートが可能です。ぜひ一度ご相談ください。
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この記事を監修したキャリアアドバイザー

大学卒業後、大手出版系企業を経て現職へ入社。
主に大手・新興上場企業を対象とする法人営業職を4年、キャリアアドバイザーとして10年以上に及ぶ。
経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 会計事務所・監査法人 ・ コンサルティング ・ 役員・その他 ・ IPO ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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