経理・財務スキル

2024年05月30日

経理担当者に求められるエクセルへの理解と知っておくべき関数

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エクセルは、今や経理業務になくてはならないソフトの1つです。
経理以外の部門でも、業務や業種の垣根を越えて、エクセルはビジネス全般での共通ツールになっています。

エクセルのスキルを高めることは、業務の効率化にとっても不可欠な要素です。
この記事では、経理業務に役立つエクセルの関数や、経理担当者におすすめの機能を解説します。エクセルの基本的な操作ガイドとして役立ててください。

経理にエクセルが必要な理由

経理業務ではルーティン作業に加えて、さまざまな書類作成を行います。こうした作業では、表計算ソフトのエクセルを使うことが一般的です。
業務に必要な書類を一から作成することもあれば、他の担当者が作成した書類をアレンジすることもあります。

エクセルでは、決まったフォーマットに数字を打ち込むだけでなく、関数を用いて複雑な計算を効率化するスキルも必要です。エクセルを自在に扱える経理担当者であれば、自身の業務をスムーズにこなすだけでなく、企業全体の業務効率アップに貢献できる人材であることもアピールできるでしょう。
つまり、エクセルのスキルを高めておくことは、自分自身の人材価値を高めることにもつながるのです。

また、経理はどのような業種の企業でも欠かせない業務であるため、経理のスキルに加えてエクセルを使いこなせれば、将来のキャリアプランの大きなプラス材料になるでしょう。

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エクセルを使う経理業務

エクセルは、単なる文書や書類作成ソフトではなく、同時にさまざまな数値計算を自動化できる表計算ソフトです。経理業務では、主に以下の用途で使用されます。

まず、経理業務の中核である会計業務では、仕訳管理、経費処理、伝票整理などにおいて、各種帳簿の作成やデータ集計作業に使用します。関数の機能が豊富で、高速処理できるため、業務効率化にも大きなメリットがあります。

エクセルで管理するデータを用いて、会議用資料や営業用資料を作成することも可能です。ワードのような文書作成ソフトを使わなくても、外部の資料を参照することなく、エクセルだけで各種資料を仕上げることができます。

また、エクセルは他のソフトとの互換性が高いため、社内外の情報を収集して分析する場合にも優れた機能を発揮します。
経理業務で会計専用ソフトを利用する企業は増えていますが、経理業務全般をエクセルで完結させる企業も存在します。ハイレベルなエクセルのスキルを身に付けていれば、経理担当者として幅広いシーンで活躍できるでしょう。

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経理におすすめのエクセル関数

エクセルには作業を効率化する機能が数多く備わっていますが、その中でも関数は必須機能と言えるでしょう。
ここでは、経理担当者におすすめの関数とその使い方を解説します。

基本計算に便利なエクセル関数

SUM関数：合計算出

指定した範囲の合計値を自動計算する関数です。
エクセルで作成した帳簿の売上高や経費の合計を算出する計算式を設定できます。合計値は会計上必須の項目なので、最もよく使用する関数の1つといえるでしょう。

1つの条件を指定して合計値を出す場合にはSUMIF関数を使い、複数の条件を設定してから合計値を出す場合にはSUMIFS関数を使用します。

AVERAGE関数：平均値算出

指定した範囲内の平均値を自動計算する関数です。
条件設定をする場合はSUM関数と同様に、AVERAGEIF関数とAVERAGEIFS関数を使用します。

MAX関数：最大値算出

指定した範囲内の最大値を自動計算する関数です。
条件設定をする場合はSUM関数と同様に、MAXIF関数とMAXIFS関数を使用します。

MIN関数：最小値算出

指定した範囲内の最少値を自動計算する関数です。
条件設定をする場合はSUM関数と同様に、MINIF関数とMINIFS関数を使用します。

データ処理に便利なエクセル関数

IF関数：条件指定

指定した条件に基づいて数値や表示を自動で変えられる関数です。
条件として論理式を与えて、条件に合っている場合の表示と合っていない場合の表示を設定できます。
例えば、売上の目標額を設定し、月別に「目標達成」と「目標未達成」を分けて表示する場合などに利用できます。

COUNT関数：カウント

指定した範囲内で、数値が入力されているセルの数を数える関数です。
目視での個数確認は、間違いにつながりやすいので、関数を使うことによってミスを防止することができます。
また、経費の中から消費税が8%のものと10%のものを分けてカウントするように条件を指定したい場合、単一条件はCOUNTIF関数を用い、複数条件はCOUNTIFS関数を用います。

ROUND関数：四捨五入

対象の数値を指定した桁数で四捨五入を行う関数です。
桁数「0」を指定すると小数点以下第一位を四捨五入して、整数を表示します。桁数を「1,2,3」と指定するごとにそれ以下の少数まで表示することが可能です。
切り上げを行う場合にはROUNDUP関数を、切り捨てを行う場合にはROUNDDOWN関数を使用します。

VLOOKUP関数：条件に対応する値を抽出

指定した範囲内から条件と一致したデータを探して取り出す関数です。
例えば、従業員や商品に識別コードを設定しておくと、部署の人数や商品の価格、個数の取得などの情報を効率的に取得できます。

RANK関数：ランキング作成

指定した数値をもとにランキングを作成する関数です。
ランキングの中である数値が全体の何番目にあたるのかを検出することもできます。

SUBTOTAL関数：集計

これまでに紹介した平均値や最大値のほか、積や標準偏差などの複雑なデータ処理を含めた11種類の集計方法ができる関数です。
例えば、収入金額と支出金額それぞれに、小計と合計を求めて表示する場合などに役立ちます。

TODAY関数：今日の日付

その日の日付を表示する関数です。
経理ではデータを処理した日付も重要なので、この関数を設定しておくと作成する書類に日付が記載されるため、日付を変え忘れて資料を印刷するようなミスを防ぐことができます。

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経理が使うエクセル機能

エクセルには関数のほかにも、業務効率を高めるさまざまな機能があります。その中から、経理業務でよく使われる4種類の機能を紹介します。

フィルター

現在の作業に必要なデータを絞り込む機能で、指定した条件に合ったデータのみが表示されるため、効率的に作業を進められます。条件は複数設定することも可能です。
フィルターには4つの機能があり、テキスト・日付・数値・色によって絞り込みができます。絞り込みとは別に並べ替えも可能で、昇順・降順・色によってデータを並べ替えることができます。

ピポットテーブル

大量のデータの中から、作業に合わせて必要なデータを抽出して集計表を作成する機能です。
エクセル画面中に表示された集計用のスペースに、データを整理して表示できます。ピボットテーブルを使うと、売上データの中から月ごとに商品別の集計表を作成するような作業を効率化することが可能です。

マクロ

経理業務で発生する決まった作業の繰り返しは、マクロ機能を使って自動化できます。
日々の決まった作業や月次処理など、一定のパターンで行われる業務は、マクロ機能でワンクリック操作が可能になります。
実際には「マクロの記録」という機能を使い、自動化したい処理をひと通り操作して記録すると、次回からは一連の処理が自動的に実行されるのです。

ショートカットキー

頻繁に使用する操作は、ショートカットキーで効率化することができます。
最もよく使うコピーは「Ctrl」＋「C」、ペーストは「Ctrl」＋「V」など、基本的なパターンだけでも憶えておくと役に立ちます。

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まとめ

経理担当者にとってエクセルは、パソコン上でデータを扱うための標準ツールともいうべきものです。基本操作は当然マスターしておくべきですが、エクセルには作業を効率化する機能が数多くあるので、スキルアップすることにより経理担当者としての業務処理能力も向上します。

今は会計専用ソフトも充実していますが、日常的にデータを扱う点において、エクセルは非常に優れています。
経理は細かいデータを扱う仕事なので、エクセルの機能を深く理解して、操作に関するスキルを高められれば、仕事上の評価も高まるでしょう。
今後のキャリアアップのためにも、エクセルを使いこなすことを目標の1つに加えてみてはいかがでしょうか。

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

河本俊範

大学卒業後、食品メーカー営業を経て2005年MS-Japan入社。企業側営業担当を1年半経験し、以降はカウンセラー業務を担当。若手中堅スタッフの方から、40～50代のマネージャー・シニア層の方まで、年齢層問わず年間500名以上をカウンセリングさせていただいています。
企業管理部門全般～会計事務所など士業界、会計士・税理士・弁護士資格者まで弊社の特化領域全般を担当しています。

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