2025年09月17日

人事求人の想定年収調査 2025|年収から考えるキャリア戦略

人事職の平均年収は、令和6年賃金構造基本統計調査において「514万円」※と公表されています。
しかし、実際に人事としての転職を検討する際、この平均額だけでは判断材料としては十分でないケースが多く見受けられます。

というのも、人事の年収は、担当業務の範囲や経験年数、役職の有無、企業の規模や上場状況などによって大きく異なるためです。
全体の平均値では、自身のキャリアやスキルに見合った適正な報酬水準を把握しづらいのが現実でしょう。
他職種と比較する目的であれば平均年収も一定の指標になりますが、「自分の市場価値を知りたい」「転職によって待遇を改善したい」と考える方には、より実態に即したデータが求められます。

そこで当社では、人事職に特化した求人情報をもとに、年齢層・職位・企業規模・業種別に想定される年収水準を独自に分析しました。
また、人事の中でも役割が大きく異なる「採用」と「労務」に分けて非管理職の年収を算出しています。
役割ごとの実態を把握することで、自身のキャリア形成を考える上でより参考にしていただけます。

※人事を含む「庶務・人事事務員」の年収を算出

20代人事の想定年収

20代×非管理職(スタッフ・リーダークラス)

市場区分
/企業規模
100名未満
小規模
100~
1,000名未満
中規模
1,000名以上
大規模
上場 482万円 500万円 575万円
上場子会社
未上場 471万円

20代の非管理職では、上場企業(上場子会社含む)と未上場企業との間に明確な年収差が見られます。
特に、1,000名以上の大規模上場企業では575万円と、平均年収(514万円)を大きく上回る水準です。
一方、未上場企業では企業規模を問わず471万円と横並びで、若手人事に対する投資余力に差があることが伺えます。

若手のうちに大企業や上場子会社で人事実務を経験できれば、将来的な年収アップキャリアの広がりにつながりやすくなります。
中でも採用や制度設計などのコア業務に携われる環境があれば、積極的にチャレンジしたいところです。

20代(採用)×非管理職(スタッフ・リーダークラス)

市場区分
/企業規模
100名未満
小規模
100~
1,000名未満
中規模
1,000名以上
大規模
上場 500万円 532万円 558万円
上場子会社
未上場 504万円

20代(労務)×非管理職(スタッフ・リーダークラス)

市場区分
/企業規模
100名未満
小規模
100~
1,000名未満
中規模
1,000名以上
大規模
上場 441万円 476万円 563万円
上場子会社 476万円
未上場 443万円 448万円

20代では採用ポジションの方が全体的に高めの年収水準となっています。
背景には、採用活動が「企業の顔」としての役割を担い、社外対応力やコミュニケーションスキルが重視されるため、待遇に反映されやすい事情があります。

一方で、労務は給与計算や社会保険など事務要素を含む求人が多く、平均水準はやや控えめに出やすい傾向です。

ただし、長期的なキャリア形成を考えると、労務経験の有無が30代以降のステップアップに大きく影響します。
若いうちに採用で前線を経験しつつ、労務制度運用にも触れておくことが将来の市場価値を高めます。

20代×管理職(課長・次長クラス)

市場区分
/企業規模
100名未満
小規模
100~
1,000名未満
中規模
1,000名以上
大規模
上場 535万円 667万円 678万円
上場子会社
未上場

20代で管理職に就くケースは限られますが、実現できた場合は年収面でも大きなリターンが得られます。
大規模な上場企業では678万円と、同年代の非管理職と比べて100万円以上の差がついています。

若いうちからマネジメントを任される環境は限られますが、人事領域において戦略性・実行力・対人スキルを兼ね備えた人材は早期抜擢の可能性もあります。
こうしたポジションを目指す場合、育成・制度構築などの定量的な成果を示せる経験を重ねておくと有利です。

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30代人事の想定年収

30代×非管理職(スタッフ・リーダークラス)

市場区分
/企業規模
100名未満
小規模
100~
1,000名未満
中規模
1,000名以上
大規模
上場 512万円 541万円 575万円
上場子会社
未上場 495万円

30代の非管理職では、20代と同様に「上場かつ大企業」が高水準の年収を示す一方で、未上場企業や小規模企業との格差も顕在化しています。
特に未上場企業では495万円と、30代としては控えめな水準です。

30代(採用)×非管理職(スタッフ・リーダークラス)

市場区分
/企業規模
100名未満
小規模
100~
1,000名未満
中規模
1,000名以上
大規模
上場 538万円 570万円 613万円
上場子会社 590万円
未上場 531万円

30代(労務)×非管理職(スタッフ・リーダークラス)

市場区分
/企業規模
100名未満
小規模
100~
1,000名未満
中規模
1,000名以上
大規模
上場 466万円 525万円 623万円
上場子会社 545万円
未上場 466万円 500万円

30代では採用・労務ともに年収が上昇し、特に大規模上場企業では600万円台の水準に達します。
採用経験者は引き続き高めの水準が提示される一方で、労務でも大手企業や上場企業では労務コンプライアンスや規程改定、内部統制対応など高度な役割を担うため、年収が伸びやすくなっています。

この年代では「採用だけ」「労務だけ」に偏ると、次のキャリア選択肢が限られがちです。
採用で培った外部折衝力と、労務で培った制度運用力の両方を兼ね備えることが、企画・制度設計やマネジメント職への昇格に直結します。

30代×管理職(課長・次長クラス)

市場区分
/企業規模
100名未満
小規模
100~
1,000名未満
中規模
1,000名以上
大規模
上場 721万円 738万円 753万円
上場子会社
未上場 650万円 720万円

30代で管理職に就いた場合、大手上場企業では年収750万円台を超えるなど、収入のステージが明確に上がります。
非管理職との年収差は200万円前後に及ぶセグメントもあり、ポジションアップが収入へ直結する構造が見て取れます。

また、小規模や未上場企業でも一定の管理職ポストがあり、650万円〜720万円と高めの年収帯が提示されています。
30代は職位や実績によって年収が大きく分かれる年代であり、「マネジメント経験の有無」がキャリア格差を生む分岐点となります。

30代×上級管理職(部長・将来の役員候補)

市場区分
/企業規模
100名未満
小規模
100~
1,000名未満
中規模
1,000名以上
大規模
上場 777万円 819万円 834万円
上場子会社
未上場 738万円

30代で上級管理職に就ける人材は稀ですが、特に急成長中の企業や外資系・上場企業では、戦略人事を担う即戦力としての期待も大きく、報酬にも反映されます。
大規模上場企業では834万円と、同年代の非管理職より300万円以上高いセグメントも見られます。

役職名にかかわらず、企業全体の人事戦略を設計・推進した実績があるかが重視されるため、制度改革・エンゲージメント向上・労務コンプライアンス対応などの幅広いテーマに関わることが、年収・ポジションの両面で成長を促します。

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40代人事の想定年収

40代×非管理職(スタッフ・リーダークラス)

市場区分
/企業規模
100名未満
小規模
100~
1,000名未満
中規模
1,000名以上
大規模
上場 512万円 600万円 725万円
上場子会社 585万円 650万円
未上場 500万円 525万円 566万円

40代の非管理職では、企業規模や上場区分によって想定年収に大きな差が見られます。
大規模上場企業では725万円に達する一方で、小規模未上場企業では500万円と、200万円以上の開きがあります。

40代(採用)×非管理職(スタッフ・リーダークラス)

市場区分
/企業規模
100名未満
小規模
100~
1,000名未満
中規模
1,000名以上
大規模
上場 623万円 640万円 710万円
上場子会社 638万円 693万円
未上場 586万円

40代(労務)×非管理職(スタッフ・リーダークラス)

市場区分
/企業規模
100名未満
小規模
100~
1,000名未満
中規模
1,000名以上
大規模
上場 513万円 575万円 684万円
上場子会社 501万円 558万円 595万円
未上場 501万円 538万円

40代になると採用・労務のいずれも高水準となり、大規模上場企業では700万円超の求人も見られます。

ただし、この年代で非管理職のままキャリアを継続する場合は、特定領域での専門性が強く求められます。
採用に偏れば「即戦力採用のプロ」、労務に偏れば「労務コンプライアンスのプロ」としての評価は得られるものの、キャリアの選択肢は狭まりやすい点に注意が必要です。

管理職制度企画へ進むには、両領域での経験を通じて「人事部門を統括できる人材」としての実績を積むことが欠かせません。

40代×管理職(課長・次長クラス)

市場区分
/企業規模
100名未満
小規模
100~
1,000名未満
中規模
1,000名以上
大規模
上場 727万円 777万円 798万円
上場子会社
未上場 650万円 694万円 748万円

40代での管理職ポジションは人事職でも主流となっており、上場・大企業では年収800万円近くの水準が提示されています。
特に中〜大規模企業では、人事制度運用や部門マネジメント経験が求められ、それが年収格差の一因となっています。

一方で、未上場企業や中小企業でも、役職付きの人材には600万円台後半〜700万円超の年収が提示されており、社内基盤を支える中核人材としての待遇が反映されています。
この年代では、経営層と連携した人事戦略の実行力が評価のポイントとなります。

40代×上級管理職(部長・将来の役員候補)

市場区分
/企業規模
100名未満
小規模
100~
1,000名未満
中規模
1,000名以上
大規模
上場 850万円 875万円 912万円
上場子会社
未上場 800万円 825万円

上級管理職になると、報酬水準は大きく跳ね上がり、大規模上場企業では900万円超が提示されるケースもあります。
上場/未上場の区分が年収に強く影響しており、未上場企業では800万円前後にとどまる傾向が見られます。

このクラスでは「人事戦略の立案と実行」だけでなく、「経営視点を持った事業支援人事」としての役割が期待されるため、報酬格差もより顕著です。
事業推進に貢献した実績や、M&A・組織再編などへの関与経験があると、転職市場での年収・ポストともに高評価につながります。

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50代人事の想定年収

50代×非管理職(スタッフ・リーダークラス)

市場区分
/企業規模
100名未満
小規模
100~
1,000名未満
中規模
1,000名以上
大規模
上場 535万円 687万円 763万円
上場子会社
未上場 494万円

50代でも非管理職として働くケースは一定数ありますが、年収の伸びは限定的です。
上場企業では大規模になるほど700万円台後半と高水準ではあるものの、未上場企業では500万円台前半にとどまります。

キャリア後半を非管理職で貫く場合、「高度な専門性」と「社内外での信頼性」が必要です。
また、組織の中で担う役割が限定されやすくなるため、ポジションアップよりも業務範囲の拡張や社外活動などで価値を発揮する工夫が求められます。

50代×管理職(課長・次長クラス)

市場区分
/企業規模
100名未満
小規模
100~
1,000名未満
中規模
1,000名以上
大規模
上場 770万円 782万円 914万円
上場子会社
未上場 663万円 685万円 813万円

50代の課長〜次長クラスでは、年収700万円台後半〜900万円台と幅広いレンジが確認されます。
大規模上場企業では914万円と高額な水準であり、安定した報酬と責任ある立場を両立できる層です。

ただし、管理職経験がない場合や、ポストが流動的でない企業においては、希望通りの待遇で転職するのが難しい場面もあります。
50代での転職では、役職や待遇にこだわるよりも、「どのように価値提供できるか」が重視される傾向があります。

50代×上級管理職(部長・将来の役員候補)

市場区分
/企業規模
100名未満
小規模
100~
1,000名未満
中規模
1,000名以上
大規模
上場 955万円
上場子会社 920万円
未上場 872万円

50代の上級管理職は、年収水準として最上位に位置し、大規模上場企業では955万円と1,000万円に迫る水準です。
上場子会社や未上場でも900万円前後と、高水準を維持しています。

この層では、全社レベルの人事戦略に関与した経験や、経営層との連携体制、企業文化改革への取り組みなどが評価されます。
求人自体の数は限られますが、経営人材としての信頼を得られると、ポストと報酬の両面で高い待遇を実現できるステージです。

\同年代はもっと貰っている!?/ 転職で年収アップを叶える

データから見る人事の想定年収の傾向

管理職への昇格で200万円単位の年収アップも

30代以降の管理職においては、非管理職からのステップアップで年収が200万円以上上昇するセグメントが多数見られます。
30代の例で言えば、上場×大企業では非管理職575万円に対し、管理職753万円、上級管理職で834万円と、段階的に大きく上昇しています。

これは、人事における「責任範囲=年収水準」に直結しやすく、評価・制度設計・労務リスク管理などの経営寄りの業務を担うかどうかが大きな差を生んでいると考えられます。

非管理職でも上場×大企業なら高年収を狙える

20代〜30代の非管理職であっても、上場かつ従業員数1,000名以上の大企業では高めの年収水準が提示されています。
たとえば、20代で575万円、30代で同等以上の水準が見られ、人事制度が整備されている企業では若手にも相応の報酬が期待できる環境といえます。

さらに、40代〜50代においても、上場大手企業であれば、管理職ではない専門職(スペシャリスト)ポジションに対して700万円以上の年収が提示されるケースもあります。
制度設計や労務領域のプロフェッショナルとして実績を積んでいれば、役職に就かずとも高水準の待遇を得られる可能性があります。

高年収ゾーンは「人事部門の統括経験」がカギ

40代〜50代の管理職・上級管理職になると、どの企業でも年収700〜900万円以上の水準が提示されますが、その中でも差を分けるのが「人事全体を統括した経験があるかどうか」です。

具体的には、評価制度の改定や人事制度の刷新、M&A後の組織再編など、戦略的なミッションを主導した経験がある人材は、ポジション・報酬の両面で高い評価を受けやすくなります。

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人事求人選びのポイント

人事職のキャリアでは、「管理職としての統括経験を積むか」「特定分野のスペシャリストを目指すか」によって、目指すべき求人の方向性が大きく変わります。

たとえば、30代で年収を大きく伸ばしたい場合、マネジメント経験の有無がひとつの分かれ道になります。
人事部門全体やチームを束ねた経験があれば、課長・次長クラスでの転職が現実的になり、700万円以上の高年収も狙えます。

そのためには、20代のうちから中小規模の企業で幅広い人事業務に関わりつつ、早期にマネジメントの機会を得ておくことがひとつの戦略です。
実務と統括の両面を経験したうえで、30代で大手上場企業への転職を目指すことで、ポジション・待遇ともにステップアップしやすくなります。

一方で、評価制度設計・タレントマネジメント・労務コンプライアンスなど、特定領域のスペシャリストとしてキャリアを築く道も有力です。
この場合、求められるのは業務の幅よりも深さと専門性です。
そのスキルを評価し、ポジションとして用意できる企業は、大手・上場企業に限られることが多いため、企業の規模や体制とマッチしているかどうかをしっかり見極める必要があります。

また、人事職は企業フェーズや事業環境の影響も受けやすいため、「上場準備中」「急成長中のスタートアップ」「統合・再編フェーズ」など、人事の役割が拡張するタイミングを狙って転職するのも効果的です。
ポジション名だけでなく、「どのような課題解決を期待されているか」に注目することで、自分の価値を最大限に発揮できる環境が見えてきます。

調査概要

調査対象:2024年4月~2025年3月に「MS Agent」に掲載されていた人事職の求人(未経験歓迎、IPO、年収下限と上限の差が600万円以上の求人を除く)
想定年収の算出方法:セグメントごとに求人の年収下限中央値、年収上限中央値を算出し、その平均値をそのセグメントの想定年収として適用
調査テーマ:「人事求人の想定年収調査 2025」
調査主体:株式会社MS-Japan

■■本リリースの転載・利用に関するお願い■■
本調査結果を掲載・利用される場合は、
出典「MS-Japan調べ(https://www.jmsc.co.jp/knowhow/topics/12610.html)」と明記をお願いいたします。

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まとめ

管理部門・士業特化型転職エージェント「MS-Japan」では、人事職の求人データに基づく市場価値の把握や、志向に合ったキャリア戦略のご提案が可能です。
ご自身の強みを活かした転職をお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。

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  • #年収調査

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