2025年10月27日

30代の上場企業経理は開示資料作成・IR業務でキャリアが広がる(後編)

この記事は後編です。前編の記事はこちらをご確認ください。

前編の記事では、30代の上場企業経理が「開示資料作成」や「IR業務」に携わることで、経理の専門性を超えてキャリアの幅を広げられる理由を解説しました。

開示やIRは、単なる決算関連業務ではなく、経営戦略や投資家対応に直結する“経営に近い領域”であり、限られた人材しか担えない希少なスキルです。

本記事では、その経験が転職市場でどのように評価されるのか、また職務経歴書・面接でのアピール方法転職成功例までを詳しく紹介します。

転職市場での評価ポイント

開示やIRの経験は、上場企業や上場準備企業では、即戦力かつ幹部候補の人材として高く評価され、給与水準も高い傾向にあります。
上場企業の場合、決算短信や有価証券報告書作成の経験は、入社後すぐに開示担当者として活躍できることを意味します。
また、上場準備中の企業では、上場審査を通過するための開示体制構築や、有価証券報告書作成のノウハウを持つ人材が不可欠です。

これらの企業にとって、開示経験者は単なる経理担当者ではなく、経営の根幹を支える重要なポジションを担う人材として認識されます。

さらに、開示業務を通じて培われる、経営陣や監査法人との折衝能力、そして専門知識は、経理の専門性をさらに高めるだけでなく、経営企画IR部門へのキャリアチェンジを可能にする、強力なアドバンテージとなります。

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職務経歴書・面接でのアピール方法

開示やIR経験をアピールする際は、職務経歴書と面接で異なるアプローチを取ることが重要です。

まず、職務経歴書では、関与した開示資料を明確に記載しましょう。
「決算短信、有価証券報告書の作成に主担当として関与」といった具体的な表現を用いることで、採用担当者はあなたの経験レベルを具体的にイメージすることができます。
作成した資料が、金商法や会計基準に準拠したものであることを示すことで、専門性の高さをアピールできます。

次に、面接では、職務経歴書に書いた内容を補足する形で、より具体的なエピソードを話しましょう。
特に効果的なのは、「決算説明資料の“プレゼン設計者”としての視点」です。
単に資料を作成した事実を述べるのではなく、誰に何を伝えるかという目的意識を持って、どのように工夫したかを具体的に語ることで、あなたの潜在能力は高く評価されます。

例えば、監査法人との折衝経験を語る際には、単に事実を羅列するのではなく、複雑な会計処理の論点をいかに整理し、相手の視点に立って納得感のある説明を行ったかというプロセスを具体的に説明することが重要です。
これにより、自身のコミュニケーション能力や課題解決能力を効果的にアピールすることができます。

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開示業務を経験した転職成功例

開示業務の経験は、キャリアの選択肢を大きく広げ、さまざまな成功例を生み出しています。

成功例1

30代前半のAさんは、上場企業の経理部門で決算短信や有価証券報告書の作成に主担当として関わった経験を活かし、より経営に近いIR部門へのキャリアチェンジに成功しました。
転職後は、IR担当として投資家向けの説明会資料作成や質疑応答対応を担当し、以前よりも直接的に経営戦略に関わる仕事に従事しています。

成功例2

30代後半のBさんは、決算業務を通じて開示資料の作成に深く関わり、IR説明会でのサポート経験も豊富でした。この経験を高く評価され、上場企業の経営企画部門へ転職しました。
現在は、新規事業の立ち上げに関する事業計画策定や、M&A戦略の立案など、企業の将来を左右する重要なプロジェクトに関わっています。

このように、開示業務で培われる財務分析力や情報整理能力は、経営企画やIRといった異なる職種でも通用する汎用性の高いスキルなのです。


開示業務経験がもたらす最大のメリットは、「守り」から「攻め」のキャリアへのシフトです。
この経験は、経理の専門性を活かしつつ、企業の顔として投資家や経営層と対話できる立場へのキャリアチェンジを可能にします。

年収
上場企業での開示経験を持って、他の上場企業や上場準備企業に転職する場合は大幅な年収アップにつながるケースも見られます。
働き方
決算期に業務が集中する経理とは異なり、IRや経営企画の業務はプロジェクト型で進行することが多く、より柔軟でダイナミックな働き方へとシフトする点が魅力です。
やりがい
投資家や経営層との直接的な対話を通じて、企業の未来を創造する経営戦略に深く関与できるため、経理業務では得られない「攻めの視点」と「やりがい」を実感できます。

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まとめ|開示経験はキャリアの扉を開く

ここまで見てきたように、経理業務に加えて開示やIRを経験することは、自身の市場価値を大きく高めるための非常に有効な手段です。
開示やIRは、単なる事務作業ではなく、投資家や株主との信頼関係を築き、企業の持続的な成長を支えるための重要な戦略的役割を担っています。

30代で開示やIRを経験することは、経営的な視点や対人折衝能力を飛躍的に向上させ、自身のキャリアに「希少性」という付加価値をもたらします。
これにより、経理のスペシャリストとしての道を究めるだけでなく、経営企画やIRといった経営中枢に近いポジションへのキャリアチェンジが現実的な選択肢となります。

現状の経理業務に閉塞感を感じている方は、ぜひ開示やIRへの関わりを積極的に探してみることをおすすめします。
キャリアの扉は、自ら開く努力によって初めて見えてくるものです。

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

圓鍔 忍

大学卒業後、旅行代理店にて法人営業を約3年。20代でMS‐Japanへ入社。
企業の採用支援(リクルーティングアドバイザー)を約8年、求職者の転職支援(キャリアアドバイザー)を約5年経験。
両ポジションでチームマネジメントを経験し、キャリアアドバイザーとしては複数回にわたり支援実績数NO1を獲得。リクルーティングアドバイザーにおいても入社1年半後にチームマネジメントを経験させていただきました。現在は子育てと両立しながら、常に社内でトップ10以内の採用支援実績を維持。

経理・財務 ・ 法務 ・ 役員・その他 ・ IPO ・ 公認会計士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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