2025年11月18日

IFRSを理解する30代経理が転職市場で評価される理由(後編)

この記事は後編です。前編の記事はこちらをご確認ください。

前編では、IFRS(国際財務報告基準)が注目される背景や、J-GAAP(日本基準)との根本的な違い、そしてIFRS経験が経理職のキャリアにおいて希少価値を持つ理由を解説しました。
特に、IFRS導入企業の増加とともに、その知識と実務経験が中長期的なキャリア形成において重要な資産となる点を紹介しました。

後編では、転職市場で高く評価されるIFRS経験の具体的なポイントや、職務経歴書・面接での効果的なアピール方法、さらにIFRSを武器にキャリアアップを実現した事例を解説します。

転職市場で評価されるポイントとは

IFRS経験者が転職市場で特に高く評価されるポイントは、以下の通りです。

IFRS導入・移行プロジェクトの経験

プロジェクト全体の中でも、特に評価が高いのは、「差異分析・会計方針策定」「財務報告・開示対応」です。

前者は、複雑なIFRS基準を読み解き、自社の実態に合わせた会計処理を決定する高度な専門性が問われます。
後者は、IFRS適用の結果を外部に正確に伝える、実務の集大成ともいえるフェーズであり、即戦力としての価値が非常に高いと評価されます。

また、IFRSの実務対応として、特に収益認識基準(IFRS15)リース会計基準(IFRS16)など、日本基準と大きく異なる特定基準の実務経験は即戦力として高く評価されます。

さらに、開示資料作成監査対応の経験も重要です。
IFRSは開示項目が多岐にわたり、注記も詳細な説明が求められるため、開示資料の作成経験は大きなアピールポイントとなります。

最後に、グローバルな環境での業務に不可欠な英語スキルも、評価を決定づける要素の一つです。
上場IFRS企業でも、海外連結比率が低ければ読み書き中心の案件が多く、グローバルな業務がある場合はビジネスレベルの会話能力があると、さらに評価が高まります。

経理のための転職支援を受ける

職務経歴書・面接でのアピール方法

職務経歴書:論点ごとに具体的な関与内容を明記

IFRSの経験を効果的にアピールするためには、職務経歴書と面接で伝えるべきポイントを明確にしておくことが重要です。
職務経歴書では、論点ごとの関与内容を具体的に明記することが重要です。

面接:「課題→対応→成果」のストーリーで語る

面接では、単なる業務内容の説明に留まらず、「課題→対応→成果」というストーリーで語るのが効果的です。
成果の伝え方で最もインパクトがあるのは、コスト削減額、工数削減率、残業時間削減など、定量的な数値です。

例えば、「IFRS導入プロジェクトで月次決算工数を25%削減」といったように、数字で貢献度を伝えましょう。
定量化が難しい場合は、「監査指摘ゼロを達成」、「経営陣への説明資料を評価され、方針承認を迅速化」といった質的な成果でも構いません。

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IFRSを活かしたキャリア成功事例

IFRS経験は、経理としてのキャリアを大きく飛躍させるチャンスにつながります。

1. IFRS導入経験で外資系経理マネージャーに転職したケース

転職前: 国内上場企業・IFRS導入担当(年収700万)
転職後: 外資系経理マネージャー(年収900万)

【成功の決め手】

IFRS実務経験:IFRS導入プロジェクトの中心メンバーとして、差異分析から開示対応まで一連の業務を経験していたこと。
英語力:TOEIC850点以上、海外子会社との調整が可能なビジネス英語レベル。
マネジメント経験:プロジェクト内でチームを率い、目標達成に貢献したリーダーシップ。

外資系企業では、IFRS専門性に加えて、英語力とマネジメント経験がセットで高く評価される傾向にあります。

2. 上場準備企業→上場企業のIFRS開示担当に転職したケース

転職前:上場準備企業・IFRS移行担当(年収650万)
転職後:上場企業・IFRS開示担当(年収800万)

【成功の決め手】

IFRSでの開示経験:連結決算や財務諸表・注記の作成、監査法人対応までの一貫した実務経験。
IPO関連業務経験:内部統制(J-SOX)整備や開示プロセス構築など、上場準備で培った経験。
定量的な成果:月次決算工数の削減や監査指摘ゼロなど、業務改善への貢献度を数字で証明できたこと。

上場企業では、IFRS開示経験に加えて、上場準備経験や監査法人対応力が即戦力スキルとして重視されます。

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まとめ|30代でこそIFRSを武器に

IFRSは、あなたの経理キャリアを市場で差別化できる強力なスキルです。
30代は、経理としての実務経験も豊富になり、今後のキャリアパスを考える上で重要な時期です。
IFRSは、単なる会計基準ではなく、経営判断に直結する重要なツールであり、この知識と経験は、将来のキャリアの可能性を大きく広げます。

IFRSの導入企業は今後も増えていくことが予想されており、今のうちにIFRSを学び、将来を見据えて市場価値の高い人材であり続けるための重要な鍵となるでしょう。

IFRSを活かした転職について、さらに詳しく知りたい方は、ぜひ一度MS-Japanのキャリアアドバイザーにご相談ください。
専門知識を持つコンサルタントが、あなたのIFRS経験を最大限に活かせるキャリアプランをご提案します。

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

長谷川 栞

大学卒業後、化粧品会社へ入社し美容部員として店舗販売業務に従事。
その後キャリアアドバイザーとしてMS-Japanに入社し、
主に経理財務や会計事務所などの会計転職希望の方を中心に担当。

経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 税理士科目合格 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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