労務コンプライアンス経験は転職で強い?求められるスキルと成功事例を徹底解説(後編)

この記事は後編です。前編の記事はこちらをご確認ください。
前編では、労務コンプライアンスが単なる法令遵守にとどまらず、就業規則・36協定・ハラスメント防止・労基署対応まで含む「労務リスクの予防設計」であること、そして違反が採用競争力や企業評価に直結する点を整理しました。
あわせて、体制を「構築・運用」できる人材が市場で高く評価され、IPO準備企業や上場企業、外資系でニーズが強いこと、年収レンジにも明確な差が生じる実情を解説しました。
後編では、労務コンプライアンスへの転職で求められるスキルを軸に、社内調整・外部折衝の勘所、未経験者の代替アピール、職務経歴書・面接で効く表現、そして具体的な成功事例までを解説します。
労務コンプライアンスへの転職で求められるスキル
労務に関する専門知識は、キャリアの「土台」となりますが、実際に市場価値として高く評価を得るためには、その知識を「組織に浸透させるための社内調整力」と「外部のプロとの折衝能力」が求められます。
労働法・社会保険知識、リスクマネジメント
最低限求められるのは最新の労働法・社会保険知識です。その知識に基づき、自社の状況に合わせた予防的なリスクマネジメントを実行できる能力が、市場価値を決めるポイントになります。
特に「リスクマネジメント」とは、法律に書かれていることを知っているだけでなく、法令順守を前提として、自社の風土形成や業務効率、生産性を阻害しないよう最適な制度設計を行っていくことが求められます。
社内調整力
労務コンプライアンスの改善は、必ず社内で摩擦を生みます。
そのため、「社内調整力」は面接で非常に重要視されます。
面接で採用企業が確認する質問例
「新しい制度導入に現場の部門長が反対した際、あなたはどのように説得し、合意形成を図りましたか?」
「人事・現場・経営で意見が割れたとき、あなたは最終的にどう進め、結果どうなりましたか?」
この質問に答えるためには、複数部署を巻き込んだプロジェクト経験(評価制度改定、在宅勤務ルール構築など)を事前に整理し、利害対立を乗り越えたプロセスを具体的に説明できるようにしておくこと必要です。
適切な説明をすることで、選考において高い評価をえることができます。
監査法人・労基署との対応経験、代替スキルのアピール方法
監査法人・労基署との実務的な折衝経験は、企業外部の専門家や監督官庁の視点を知る実務能力の証明となり、高い評価を得られます。
しかし、これらの経験がない求職者でも、その不足を補う「代替スキル」をアピールすることで、十分に評価を勝ち取ることが可能です。
代替スキルとして有効なアピールポイント
● 社内監査(内部統制)でのヒアリング・指摘対応経験
● 産業医や顧問社労士との連携、専門家からの意見聴取を主導した経験
● 労働トラブル事例の対応マニュアル策定経験(特にハラスメント・メンタルヘルス関連)
面接では「直接対応はなかったが、社内監査や外部専門家との連携を通じて、疑似的に外部視点を取り入れ、仕組みを構築した経験がある」と論理的に説明できると、即戦力として加点されやすくなります。
労務コンプライアンスへの転職成功事例
当社が実際に支援をした転職成功事例をご紹介します。
事例1:独立開業の社労士から事業会社の人事労務マネージャーへ(40代・Aさん)
独立開業の社労士として活躍していたAさんは、法律の知見を企業経営の運用で使える状態に落とし込む力が評価され、IPO準備中のIT企業の人事労務マネージャーポジションに転職を果たしました。
【評価されたポイント】
書類選考の段階では、専門知識はあるが、事業会社での実務経験が乏しいため、実務面で対応できるのかが懸念されていました。
しかし、Aさんが強みとしたのは、労働局・労基署との折衝経験に加え、現場担当者への「言語化力」でした。
専門的な法律の知識を、現場の従業員が迷いなく実行できる「社内ルール」「運用手順」に落とし込み、定着させた実績が決め手となり、採用内定を得ることができました。
専門性を持ちながらも、社内で機能する運用に落とし込むための言語化力・コミュニケーション力は、士業の方が事業会社に転職する際の鍵となります。
事例2:IPO準備企業で成果を出し、半年でマネージャーへ昇進した事例(30代・Bさん)
中堅企業で一般人事として働いていたBさんは、面接に際してキャリアアドバイザーから「労務DD(デューデリジェンス)についての対応経験が採用合否のポイントになる」というアドバイス受けて、面接準備を行いました。
更に即戦力として活躍するために、入社前から具体的な課題発見と対応策の検討を行い、入社直後からその実行力を発揮して、半年で人事マネージャーへ昇進しました。
【指導と成功のポイント】
Bさんには入社前から以下を準備するよう指導しました。
● 直近3年の労務トラブル一覧+改善提案の用意
● 労務リスクに対する「現場ヒアリングフォーマット」の作成
● 就業規則のチェックリスト+改定方針のサンプルの持参
入社後すぐにこれらの準備に基づき、「労務管理体制構築のロードマップ」を提示し、経営層の信頼を獲得しました。
このような常に経営目線でリスクを把握し、解決策を準備しているという姿勢が、即戦力として強く評価された典型的な事例です。
まとめ
労務コンプライアンスの経験は、企業の経営リスクを担保する重要なスキルとして非常に強く求められています。
単に法律を知るだけでなく、「組織に定着させる実務能力」と「経営層に提言する戦略的な視点」を兼ね備えることで、あなたの市場価値は飛躍的に向上します。
もし、あなたが人事・総務部門での経験があり、次のステップとしてより専門性を高めたい、上場企業やIPO準備企業といった成長分野で活躍したいと考えているなら、これまでの労務関連の経験を「リスクマネジメント」という視点で棚卸ししてみましょう。
36協定の改定、労基署対応、ハラスメント研修の企画など、一見地味に見える業務の中にこそ、転職市場で評価される「コンプライアンス体制構築・維持の実績」が隠れています。
MS-Japanでは、労務コンプライアンスのプロフェッショナルを目指すあなたのキャリアチェンジを全力でサポートいたします。
この記事で紹介したような「評価の決定打となる職務経歴書のまとめ方」や「採用担当者に響くアピール表現」も、あなたの転職活動に役立てていただけるはずです。
- #労務コンプライアンス
- #リスクマネジメント
- #職務経歴書のまとめ方
この記事を監修したキャリアアドバイザー

大学卒業後、新卒でITベンダーに入社し、営業としてエネルギー業界のお客様を担当。その後、損害保険会社で法務業務に従事。
キャリアアドバイザーとしてMS-Japanに入社後は、法務、弁護士、法科大学院修了生などリーガル領域を中心に担当。
経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 法律・特許事務所 ・ 役員・その他 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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