2026年01月29日

多角化する企業グループで重宝される「子会社管理経験」|経理のキャリア価値とは(後編)

この記事は後編です。前編の記事はこちらをご確認ください。


前編では、M&Aや多角化の進展により子会社管理が「グループ・ガバナンスの生命線」となっている背景を整理し、経理が単なる連結パッケージ収集に留まらず、会計方針の統一・内部統制の浸透・経営へのフィードバックまで担うべき役割を示しました。

あわせて、30〜40代には子会社CFO的視点での体制設計や指導・教育、IFRS対応やPPAなど高度論点への関与が求められることを解説しました。

後編では、子会社管理経験が転職市場で高く評価される理由をひも解きつつ、職務経歴書・面接での効果的なアピール方法と、キャリアアップにつながった実例を解説します。

転職市場で評価される理由

子会社管理経験は、採用企業にとって「即戦力性の高さ」と「グループ全体の財務リスクを評価できる能力」を示すため、極めて高く評価され、年収アップが実現できます。

企業が子会社管理経験者を求める最大の理由は、その「即戦力性の高さ」にあります。

連結決算プロセスや内部統制の構造を熟知しており、入社後すぐに連結決算の早期化や、グループ内での会計処理の統一といった喫緊の課題解決に貢献できると期待されます。

また、単なる連結スキルに留まらず、子会社の特性を理解した上での「税務リスクの評価」や「財務報告・財務改善」といった、経営に近い課題に対応できる能力の証明となります。

そのため、将来的にグループの財務戦略を担う管理職候補や子会社CFOポジションへとキャリアの選択肢が大きく広がります。

これは、企業がこの経験を、グループ全体のガバナンス強化の中核を担う人材の要件として見なしていることの証左です。

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アピール方法

職務経歴書では「定量的な実績」を、面接では「調整・教育」の経験に加え、「経営課題や財務報告体制への貢献」を、子会社CFOの視点を持つプロフェッショナルとして具体的に語りましょう。

職務経歴書では、子会社管理の規模感(国内外○社など)と、達成した具体的な成果を定量的に表現することが重要です。

単に「国内外10社の子会社決算を取りまとめ」と書くだけでなく、その背景にある「グループ連結のワークロード負荷軽減」や「複雑性のマネジメント能力」を示唆することが鍵です。

● キーワード例
「管理プロセスの改善による決算早期化」
「子会社における税務リスクの評価と是正指導」
「財務改善に向けた予実管理体制の構築」

面接でのアピール

面接では、定量的な成果の裏側にある定性的なプロセスを深掘りして語る必要があります。
特に評価されるのは、関係者を巻き込み、問題を解決に導いたリーダーシップや、経営貢献の具体性です。

● 調整・指導経験の具体例
「会計基準の解釈が異なる子会社の経理責任者に対し、共通認識を持たせるために複数回ミーティングを実施し、グループ統一基準での報告を実現した」

● 経営貢献の具体例
「子会社の財務報告の遅延が、親会社の有価証券報告書作成リスクとなっていたため、報告フォーマットとスケジュールを改善し、開示体制の安定化に貢献した。」

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成功事例

子会社管理で培った「グループ・ガバナンス構築力」は、事業会社の枠を超え、グループ本社経理部門の管理職や子会社CFOといった、経営ボードに近いポジションへのキャリアアップを可能にします。

例えば、38歳の経理担当者のAさんは、製造業の子会社管理経験に加え、新規M&A後の子会社の会計システム統合プロジェクトを主導しました。

この経験は、単なる経理スキルだけでなく、グループ全体の「管理プロセスの改善」をリードした能力の証明となりました。

Aさんは、この経験を「子会社管理経験」と「プロジェクトマネジメント能力」として評価され、持株会社のグループ経理部門の管理職として転職を成功させ、年収も大幅にアップしました。

転職後は、グループ全体の経営計画策定に関わる予算編成プロセスの統括や、IR資料作成に必要な連結データの分析業務など、より経営層に近いポジションで活躍しています。

この事例が示すように、子会社管理で培われる「全体を俯瞰する視点」「調整力」「ガバナンスを意識した仕組み構築力」は、事業会社の枠を超え、グループ全体を統括するポジションや、子会社CFOといった次なるステップへの、極めて価値の高いキャリアパスを形成します。

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まとめ|子会社管理経験は経理のキャリアを広げる

子会社管理経験は、経理としての専門性を高めるだけでなく、「経営参画」と「マネジメント」の視点を養い、30代・40代のキャリアを大きく広げるための重要なステップとなります。
この経験は年収アップにも直結します。

子会社管理の持つ本質的な価値

子会社管理業務は、連結決算という会計スキルだけでなく、子会社の経理担当者や経営層との折衝を通じて、組織横断的な問題解決能力を鍛えます。

これは、将来的に経理部門のマネージャーやCFO(最高財務責任者)を目指す上で不可欠な「ソフトスキル」と「経営視点」を養うことにつながります。

もしあなたが現在、子会社管理の業務に携わっているのであれば、その経験は転職市場において年収50万円~100万円程度のアップも見込める大きなアドバンテージです。

この経験を、グループ全体のガバナンス強化、連結決算の信頼性向上という「企業価値を守り、高める」重要なミッションであると認識してください。

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

森澤 初美

カナダ州立大学卒業後、新卒でMS-Japanへ入社。求人企業側の営業職を経験した後、2014年にキャリアアドバイザーへ異動。
2016年からは横浜支社にて神奈川県内の士業、管理部門全職種を担当し、現在は関東全域の士業、管理部門全職種を担当。

経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 外資・グローバル企業 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 役員・その他 ・ IPO ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ USCPA ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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