経理の転職にはどの程度の実務経験が求められる?



経理職への転職を考える際、どの程度の実務経験があれば十分なのか、疑問に思ったことはありませんか。
経理は企業の規模や業種を問わず必要とされる専門職であり、その経験やスキルが転職活動で大きな武器となります。
しかし、具体的にどの程度の経験があれば採用されやすいのか、明確なラインを決めることは難しいかもしれません。
そこでこの記事では、経理特化型転職エージェントの視点から、経理の転職において求められる実務経験の目安について、経験年数や必要なスキルなどを具体的に挙げながら解説します。
経理の転職は「経験者」が圧倒的に有利
まず大前提として、経理への転職では経験者が圧倒的に有利です。
その最も大きな理由は、経理を募集している企業の多くが即戦力になる人材を求めているからです。
経理は企業のお金の流れを管理し、財務報告を行う重要な部門であり、その業務は企業活動において欠かせない機能です。
経理業務は日次・月次・年次の締め日に合わせて迅速に処理する必要があるため、スピードと正確性が求められます。
経験者であれば、これらの締め切りに対応するためのスキルとノウハウを既に持っており、業務のスムーズな遂行を期待できることから、採用は経験者が優遇されがちです。
特に、中小企業の経理部門は少人数で効率的に運営されていることが多く、一人が担当する業務範囲も広くなるのに加え、新入社員を一から育てる余裕もないので、即戦力として活躍できる人材が重宝されます。
業務が細分化されている大企業においても、会計処理の規模が大きく、複雑になることから、採用は経験者優位となっています。
転職ではどの程度の経験が求められるのか
経理で即戦力と認められるには、簿記2級程度の知識とともに、2~3年以上の実務経験があることと言われています。
ただ、実際の求人を見ると、「経理経験1年以上」や「経理経験3年以上」といったように求められる経験年数は、求人やポジションによって異なります。
そのため、自分の経験年数で応募できるかを判断するには、実際に求人の募集要項を詳細に確認することが重要です。
また目安として、経理経験1年以上の求人では基本的な日次業務や月次業務のスキルが求められ、3年以上の求人では決算業務や予算管理など、より専門的なスキルが要求されるだろうと推測できます。
もちろん、客観的な指標として資格を取得していることも評価につながる要素となります。
簿記2級以上の資格を持っていると、経理の基本的な知識とスキルを証明できるため、転職活動において有利になります。
このように、経理経験者として転職活動を有利に進めるためには、常に募集要項を確認し、自分のスキルや経験と照らし合わせることが重要です。
次章では、実際の求人事例を紹介し、それぞれのポジションで求められる経験年数とスキルについて詳しく解説します。
ご自身と照らし合わせながら、自分がどのような求人に応募するべきかの参考にしてみてください。
経理経験者に求められるスキル
ここまで解説してきたように、経理の転職において実務経験は非常に重要ですが、経験年数だけですべてを判断するわけではありません。
採用担当者が経理経験者に期待するのは、実際に現場で活かせるスキルを備えているかどうかです。
そこで、経理職として即戦力となるために必要とされる主なスキルを5つ紹介します。
簿記2級程度の経理の知識
日商簿記2級は、経理の基本的な考え方や仕訳、会計帳簿の作成といった実務に必要なスキルが身につくことを証明できる資格です。
簿記2級の範囲には、製造業で必要とされる工業簿記も含まれており、企業活動や会計実務に即したレベルの知識を持っていることをアピールできるため、採用担当者から即戦力として見込める人材と評価されやすくなります。
経理事務スキル
経理の基礎的なスキルとして、日次や月次の経理事務業務スキルが求められます。
具体的には、現金出納や伝票処理、振込入出金の確認などの日次業務や、買掛金・売掛金管理、領収書・請求書の発行、給与計算などの月次業務が該当します。
これらの業務をどれほど担当するかは、企業の規模や経理部の人数により異なりますが、いずれの場合にも正確かつ迅速に行う能力が求められます。
上流工程の経理業務スキル
上流工程の経理業務には、年次決算や連結決算などの決算業務、予算管理などが含まれます。
決算業務では、月次決算や年次決算を行い、企業の財務状況を正確に報告することが求められます。特に連結決算は、複数の子会社を持つ企業において重要な業務です。
予算管理では、事業計画に基づいた資金繰りを行い、経営陣に対して財務状況や業績の報告を行います。
コミュニケーションスキル
経理の仕事は、単に数字を扱うだけでなく、社内外問わず様々な関係者とコミュニケーションをとる機会が多い仕事です。
例えば、請求書や領収書の確認のために関連部門と連絡を取ったり、財務状況を経営陣へ報告する必要もあります。
また、外部の会計士や税理士、金融機関とのやり取りも、経理の仕事では必要になります。
マネジメントスキル
経理の管理職には、組織のマネジメントスキルが求められます。
部署としての目標を設定し、業務がミスなく円滑に進むように管理することが主な役割です。
業務分担や進捗管理を行い、メンバーの作業進捗を把握し、必要に応じて指導やフォローを行います。
また、報告・連絡・相談が適切に行われるように教育や関係性の構築も重要な仕事です。さらに、関係部署や外部企業との調整も担当し、経理部門全体の効率化と正確性を維持することも求められます。
経理職への転職を成功させるためには、単なる経理経験だけでなく、応募求人・ポジションで求められるスキルを備えていることが重要です。
コミュニケーション能力や簿記の知識、経理業務における下流・上流のスキル、さらにはマネジメントスキルまで、これらのスキルはすべて、企業が即戦力として求める要素です。
これらのスキルを総合的に身につけている経理経験者は、転職市場で評価されやすくなるでしょう。
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必要な経験・能力 |
・事業会社での経理実務経験3年以上 ・簿記2級程度以上の会計知識 |
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経理経験者の転職はエージェントに利用が鍵に
経理経験者が転職を考える場合は、自分の経験や強みを企業が求める具体的なスキルセットに合わせて的確にアピールする必要があります。
しかし、自分の経験やスキルが本当に応募企業のニーズに合致しているかを自分で判断することは容易ではありません。
そこで、おすすめなのが転職エージェントです。
転職エージェントは、求職者の経歴やスキルを客観的に評価すると同時に、求人企業から「こんな経験やスキルがある人材を採用したい」という要望を受けているので、求職者と企業の最適なマッチングをサポートすることができます。
また、経験やスキルを最大限にアピールできるように、応募書類の添削や面接対策などのサポートも行ってくれるので、自己PRが苦手という方でも安心です。
さらに数ある転職エージェントの中でも、MS Agentは経理を含む管理部門・士業に特化した転職エージェントのため、経理に精通したキャリアアドバイザーが転職活動をサポートします。
実務経験を活かしてキャリアアップしたい方や、新たな挑戦を考えている方は、一度MS Agentの転職個別相談会にご参加ください。
実務未経験者は経理への転職は不可能なのか?
ここまで解説してきたように、経理は専門的な知識や実務経験が重視される職種であり、転職市場では即戦力として活躍できる人材が求められるため、未経験から経理に転職するのは簡単ではありません。
しかし、未経験からでも転職が不可能なわけではありません。
未経験者が経理職への転職を成功させるためには、まず簿記2級の資格を取得し、基礎的な経理知識を身につけることが重要です。
資格を持つことで、経理の基本的な知識やスキルを持っていると証明できるため、実務未経験でも求人の応募要件を満たすことができます。
また、経理を目指す理由やキャリアパスを明確にし、面接でしっかりと伝えることも重要です。
「未経験から経理を目指す理由」と「経理で歩んでいきたいキャリアパス」を具体的なエピソードを交えて伝えることで、採用担当者を納得させることができます。
MS Agentでは実務未経験者の転職成功事例も多くございますので、未経験から経理への転職を目指している方でもお気軽にご相談ください。
まとめ
この記事では、経理の転職ではどの程度の実務経験が求められるのかについて解説しました。
経理の転職市場で一般的に求められるのは、簿記2級レベルの経理知識と、入社後すぐに即戦力として活躍できる実務スキルです。
ただし、企業やポジションごとに求められる経験やスキルのレベルは異なるため、転職活動の際には各求人の募集要項をしっかり確認することが大切です。
また、転職エージェントを活用することで、自分の経験やスキルに合った求人を効率的に見つけることができます。
特に、経理に特化した転職エージェントを利用することで、より適切なサポートが受けられ、転職活動がスムーズに進むでしょう。
実務経験や求められるスキルは、その時々の転職市場の動向によって変化することもあります。
今すぐ経理の転職に強いMS Agentに登録し、最新の転職市場について相談してみましょう。
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この記事を監修したキャリアアドバイザー

大学卒業後、化粧品会社へ入社し美容部員として店舗販売業務に従事。
その後キャリアアドバイザーとしてMS-Japanに入社し、
主に経理財務や会計事務所などの会計転職希望の方を中心に担当。
経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 税理士科目合格 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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