2025年04月04日

【正職員よりも稼げる⁉】公認会計士のアルバイト事情と非常勤会計士の求人情報

公認会計士の監査法人での働き方は、正職員(常勤)だけに限らず、業務委託(非常勤)という選択肢も可能です。
実際に、まだ経験の浅い若手会計士でも、業務委託として受け入れる監査法人は少なくありません。
フレキシブルな働き方が魅力ですが、収入面を見たとき、正職員と比較してどうなのでしょうか。

この記事では、公認会計士業務委託として働く際の実情を深掘りし、時給相場求人情報も含めて紹介します。

公認会計士の業務委託とは

公認会計士の業務委託とは「監査法人の非常勤」のこと

公認会計士が行う業務委託として最も象徴的と言えるのは、監査法人での非常勤です。
非常勤での働き方は、常勤の正職員とは異なり、時間給での勤務形態となります。
一般的なアルバイトと同様に、勤務時間や日数フレキシブルで、自身のスケジュールに合わせて設定することが可能です。
例えば週に数日だけ働いたり、月に10日程度の勤務に抑えたり、ライフスタイルに合わせた働き方を選択できることが非常勤ならではの特徴です。

一方、公認会計士の他の業務委託には、会計事務所やFAS系のコンサルティングファーム、専門学校の講師なども選択肢に含まれます。
しかし、これらの求人は数が限られていることや、会計士としての専門知識を活かせる場面が少ないことが実情です。
監査法人での非常勤は、平均時給が圧倒的に高いという点が、働き方としての大きな魅力です。

業務委託としての業務は?

監査法人で業務委託として働く場合、監査のサポートだけでなく、正職員と同じような業務を求められる場合があります。
例えば、財務諸表のチェックや内部統制の評価、ショートレビュー、IPO支援などが該当します。
非常勤であっても、会計士の知識を活かせる場面や経験を積む機会は少なくありません。
いずれにしても、監査チームの一員として企業会計の課題に取り組むことが、アルバイト公認会計士の役割です。

会計士専門の転職支援を受ける

非常勤会計士は需要がある?

続いて、公認会計士の非常勤事情を以下の2つの視点から見ていきましょう。

公認会計士が非常勤勤務をする理由

公認会計士が非常勤を選択する理由は様々です。
まず、独立直後の会計士が安定した収入を得るために非常勤として働くケースが一般的です。
開業後の顧客基盤が整うまでの生計手段として有用で、業務委託を通じて監査の実務経験を積めるため、独立後のキャリアにも役立つでしょう。

また、育児や介護、学業などの事情でフルタイム勤務が難しい会計士にも、柔軟な働き方ができる非常勤は好都合です。
特に監査法人での業務委託は、時給の水準が非常に高く、限られた時間で必要な収入を得ながらライフスタイルを維持しやすくなります。
このような理由を抱える会計士にとって、非常勤は理想的な働き方と言えるでしょう。

非常勤会計士の需要

近年、監査法人では人手不足が深刻化しており、特に中小監査法人では非常勤会計士の需要が高まっています。
大手監査法人でも退職者が増えている状況が続いており、繁忙期だけでなく四半期決算や内部統制監査の時期にも求人が増加傾向です。
このような背景から、非常勤として働くアルバイト会計士の役割はますます重要になってきています。

採用されるためには一定の監査経験が求められますが、非常勤がいないと仕事が回らない監査法人は少なくありません。
そのため、経験・未経験にかかわらず、人手不足解消のサポート要員としてアルバイト会計士に白羽の矢が立てられているようです。

会計士キャリアを相談する

公認会計士の非常勤求人事例を紹介

MS-Japanが運営する、管理部門・士業特化型転職エージェント「MS Agent」では、非常勤として働きたい公認会計士向けの求人もご紹介可能です。
以下はその一部ですが、他の求人も紹介を希望される方は、無料の会員登録でエージェントサービスをご利用ください。

【兼任/副業/時短OK】中小監査法人の会計士求人

雇用区分
正社員, 非常勤
仕事内容
<監査業務>
・金融商品取引法監査
・会社法監査 など
<アドバイザリー業務>
・デューデリジェンス
・株式公開支援 など
必要な経験・能力
下記いずれか
・公認会計士または公認会計士論文試験合格者
・大手監査法人での業務経験3年以上
給与
時給6,500円前後

【トレーニー/非常勤OK】働きやすさ◎の監査法人求人

雇用区分
正社員, 非常勤
仕事内容
・会計監査
・株式公開支援業務等
・フィナンシャルアドバイザリーサービス など
必要な経験・能力
下記いずれか
・公認会計士
・会計士試験受験生または公認会計士試験合格者
給与
日給5万円(時給6,000円~8,000円)

【残業少なめ】週3以上勤務の監査法人求人

雇用区分
正社員, 非常勤
仕事内容
・法定監査(金商法、会社法)
・IPO支援業務
・財務調査 など
必要な経験・能力
・監査法人での勤務経験がある公認会計士または会計士試験合格者
給与
非常勤の給与は応相談

非常勤会計士の時給相場

非常勤アルバイト会計士の時給相場-公認会計士が非常勤で働く場合、どの程度の時給を得ることができるのでしょうか。
ここでは、非常勤会計士の時給相場に着目します。

非常勤会計士の時給は正職員よりも高い⁉

まず、正職員としての公認会計士の年収を時給換算すると、一般的に4,000〜6,000円程度とされています。
対して、非常勤会計士の時給相場は6,000〜10,000円となっており、正職員の水準を大きく上回ります。
この水準は監査法人の大手と中小によって幅がありますが、仮に時給8,000円として、1日5時間、週3日(月12日)勤務の場合、月収は48万円にもなります。
正職員に比べて労働時間や日数が短いにもかかわらず、高い収入が得られることは、非常勤会計士ならではのメリットと言えるでしょう。

また、監査法人でのアルバイト時給を他のアルバイトと比較しても、その差は顕著です。
例えば、専門学校の講師の時給が2,000〜3,000円程度であるのに対し、監査法人での非常勤はその約3倍以上の時給となっています。

経験やスキルによる時給の違い

非常勤会計士の時給は、経験やスキルによっても大きく異なります。
監査法人が求める非常勤会計士の採用条件は、即戦力となる監査経験が基本です。
監査業務を一定年数以上経験している場合、即戦力があると見なされ、時給がさらに高い水準で採用されるケースも珍しくありません。

また、採用される人材には、公認会計士試験の合格者やUSCPA有資格者も含まれることがあります。
その専門スキルに加えて監査経験が豊富であれば、公認会計士と同様に高い時給が期待できます。
監査の現場責任者マネジメント経験がある場合、時給はさらに高く評価されるでしょう。

会計分野の転職アドバイスを受ける

大学生会計士のアルバイト(学生非常勤)

大学在学中に公認会計士試験に合格した場合、監査法人でアルバイト(学生非常勤)として働くことが可能です。
ただし、あくまで試験合格者であり、監査経験もこれからという人は、時給が公認会計士のアルバイトと比べて低めです。
それでも2,500〜3,000円程度の時給が見込まれ、一般的なアルバイトよりも高い水準です。

学生非常勤として働くまでの流れは、大学の学年によって異なります。
例えば、大学4年生が8月の論文式試験に合格した場合、12月には監査法人から内定をもらい、翌年2月から3月の2ヶ月間、学生非常勤として働くことが可能です。
合格した年が大学3年生だった場合、翌年2月から4年生の3月までの14ヶ月間、学生非常勤を続けられます。

学生が監査法人で働く際には、マナーに注意が必要です。
社会人経験が少ないだけに、意図せずチームやクライアントに迷惑をかけることもあるでしょう。
自信過剰な態度を取ることがないよう、基本的なマナーを守り、周囲との円滑なコミュニケーションを心がけることが肝要です。

無料で会計士キャリア支援を申し込む

公認会計士が非常勤勤務をする際の注意点

非常勤会計士の働き方には、高時給というメリットがある一方で、注意すべき点があることも事実です。
以下に、主な注意点を整理しておきます。

監査以外の仕事を担うこともある

非常勤会計士は、監査業務以外の仕事を担当する可能性があります。
特に中小規模の監査法人では、現場業務以外にも間接作業審査などに対応する非常勤が見受けられます。
せっかく監査法人で働いても、監査業務の経験が乏しいまま業務委託契約期間が終了することもあり得るでしょう。
働く際は、具体的にどのような業務が求められるのか、事前に内容を確認しておくことが大事です。

繁忙期と閑散期で働ける日数が変わる

監査法人での業務委託は、働ける日数が季節によって異なることも注意すべき点です。
人手不足とはいえ、希望する勤務日数で必ずしも働けるとは限りません。
繁忙期となる4〜5月では週5日勤務が期待できますが、業務が減少する閑散期は希望の勤務日数が満たされないこともあります。
勤務スケジュールが予想以上に不規則にならないよう、あらかじめアルバイト期間を通じて勤務日数の調整が必要です。

アルバイト先の事情によって契約を打ち切られるリスクがある

特に注意しておきたい点は、予定していた業務委託契約期間の途中で、契約が解除される可能性があることです。
多くのアルバイト会計士は、雇用契約ではなく業務委託契約で働いています。
そのため、アルバイト先の人員不足が解消されたときや、業務量が減少した場合には、契約終了が早まる可能性があります。
働く機会を失うと収入が途切れるため、契約に関するリスクはしっかりと認識しておきましょう。

無料で会計士キャリアの相談をする

まとめ

公認会計士の非常勤勤務は、特に監査法人での需要が高く、柔軟な働き方ができる点が魅力です。
また、時期や副業・兼業の掛け合わせ次第では、正職員同等の収入を得ることも可能です。

一方で、監査以外の業務を求められることや、勤務日数の変動には注意が必要です。
これらのポイントを押さえ、非常勤ならではのメリットが活かせる求人を探しましょう。

士業に強い転職エージェント「MS Agent」では、非常勤会計士の求人紹介が可能です。
自身のライフスタイルに合ったアルバイトを見つけるための第一歩として、ぜひ登録を検討してみてください。

  • #公認会計士
  • #バイト
  • #非常勤
会計士TOPに戻る

この記事を監修したキャリアアドバイザー

齊藤 仁美

大学卒業後、幸せに働く人を増やしたいという想いから新卒でMS-Japanに入社。
上場企業を中心とした求人開拓から管理部門全般のマッチングを行い、2021年1月より専門性の高いJ事業部に異動。
主に会計事務所、監査法人、社労士事務所の担当を持ちながら士業領域での転職を検討している方のカウンセリングから案件紹介を両面で行う。

会計事務所・監査法人 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 税理士科目合格 ・ USCPA を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

あなたへのおすすめ求人

Manegyニュースランキング

マネジーでポイントを貯めて、
豪華商品に交換しよう!

詳しくはこちら

powered by Manegy

MS-Japanの転職サービスとは

MS-Japanは、公認会計士やUSCPAなどの有資格者や企業の管理部門に特化した転職エージェントです。
大手上場企業や監査法人、会計事務所(税理士法人)など、公認会計士の幅広いキャリアフィールドをカバーする求人をもとに、公認会計士専門のキャリアアドバイザーがあなたの転職をサポートします。
キャリアカウンセリングや応募書類の添削・作成サポート、面接対策など各種サービスを無料で受けることができるため、転職に不安がある公認会計士の方でも、スムーズに転職活動を進めることができます。

サービス紹介を見る

MS-Japanを利用した会計士の
転職成功事例

転職成功事例一覧を見る

会計士の転職・キャリアに関するFAQ

監査法人から事業会社への転職を考えています。MS-Japanには、自分のような転職者はどのくらい登録されていますか。

具体的な人数をお知らせする事は出来ませんが、より直接的に企業に関わりたい、会計の実務経験を積みたいと考えて転職を考える公認会計士の方が大多数です。 その過程で、より多くの企業に関わりたいという方は、アドバイザリーや会計事務所への転職を希望されます。当事者として企業に関わりたい方は事業会社を選択されます。 その意味では、転職を希望する公認会計士の方にとって、監査法人から事業会社への転職というのは、一度は検討する選択肢になるのではないでしょうか。

転職活動の軸が定まらない上、求人数が多く、幅が広いため、絞りきれません。どのような考えを持って転職活動をするべきでしょうか。

キャリアを考えるときには、経験だけではなく、中長期的にどのような人生を歩みたいかを想定する必要があります。 仕事で自己実現を図る方もいれば、仕事以外にも家族やコミュニティへの貢献、パラレルキャリアで自己実現を図る方もいます。ですので、ご自身にとって、何のために仕事をするのかを一度考えてみることをお勧めします。 もし、それが分からないようであれば、転職エージェントのキャリアアドバイザーに貴方の過去・現在・未来の話をじっくり聞いてもらい、頭の中を整理されることをお勧めします。くれぐれも、転職する事だけが目的にならないように気を付けてください。 今後の方針に悩まれた際は、転職エージェントに相談してみることも一つの手かと思います。

ワークライフバランスが取れる転職先は、どのようなものがありますか?

一般事業会社の経理職は、比較的ワークライフバランスを取りやすい為、転職する方が多いです。ただ、昨今では会計事務所、税理士法人、中小監査法人なども働きやすい環境を整備している法人が出てきていますので、選択肢は多様化しています。 また、一般事業会社の経理でも、経理部の人員が足りていなければ恒常的に残業が発生する可能性もございます。一方で、会計事務所、税理士法人、中小監査法人の中には、時短勤務など柔軟に対応している法人も出てきています。ご自身が目指したいキャリアプランに合わせて選択が可能かと思います。

監査法人に勤務している公認会計士です。これまで事業会社の経験は無いのですが、事業会社のCFOや管理部長といった経営管理の責任者にキャリアチェンジして、早く市場価値を高めたいと考えています。 具体的なキャリアパスと、転職した場合の年収水準を教えてください。

事業会社未経験の公認会計士の方が、CFOや管理部長のポジションに早く着くキャリアパスの王道は主に2つです。 一つは、IPO準備のプロジェクトリーダーとして入社し、IPO準備を通じて経営層の信頼を勝ち取り、経理部長、管理部長、CFOと短期間でステップアップする。 もう一つは、投資銀行などでファイナンスのスキルを身に着けて、その後、スタートアップ、IPO準備企業、上場後数年程度のベンチャーにファイナンススキルを活かしてキャリアチェンジすることをお勧めします。近年はCFOに対する期待が、IPO達成ではなく、上場後を見据えた財務戦略・事業戦略となってきているため、後者のパターンでCFOになっていく方が増えています。 年収レンジとしてはざっくりですが800~1500万円くらいでオファーが出るケースが一般的で、フェーズに応じてストックオプション付与もあります。

40歳の会計士です。監査法人以外のキャリアを積みたいのですが、企業や会計事務所でどれくらいのニーズがあるでしょうか。

企業であれば、会計監査のご経験をダイレクトに活かしやすい内部監査の求人でニーズが高いです。経理の募集もございますが、経理実務の経験が無いことがネックになるケースがあります。 会計事務所ですと、アドバイザリー経験の有無によって、ニーズが大きく異なります。また、現職で何らかの責任ある立場についており、転職後の顧客開拓に具体的に活かせるネットワークがある場合は、ニーズがあります。

転職FAQ一覧を見る

転職やキャリアの悩みを相談できる!

簡単まずは会員登録