法務担当者がM&Aに携わるメリットとは?市場価値を高める役割や必須スキルを解説(後編)

この記事は後編です。前編の記事はこちらをご確認ください。
前編では、近年のM&A市場の動向を踏まえ、法務担当者がプロジェクトで担う役割や、経営層と現場をつなぐ“橋渡し役”としての重要性を解説しました。
また、M&Aの現場に関わることで得られるキャリア上のメリットとして、市場価値の向上や経営に近いポジションへのステップアップなどを紹介しました。
後編では、M&Aを経験することで得られる具体的なスキルや、実務で役立つ資格、そして実際にM&Aキャリアを目指して転職に成功した事例を詳しく解説します。
M&Aを経験することで得られるスキル
M&Aの現場で得られるスキルは、通常の契約審査や訴訟対応では習得が難しい、専門的かつ汎用性の高いものです。
デューデリジェンスの知識
DDを通じて、単に法律に違反していないかを見るだけでなく、買収対象企業が持つ事業上のリスクや、隠れた負債を、法的な視点から洗い出し、金額に換算して評価する能力が養われます。
これにより、法務担当者は「リスクを指摘する人」から「リスクをコントロールし、取引を成立させる人」へと進化できます。
クロスボーダー取引対応
国際的なM&Aに関わることで、異なる法体系、商習慣、文化の違いを理解し、国際契約特有の論点(準拠法、紛争解決方法、国際税務など)に対応できるグローバルな法務スキルが身につきます。
PMIにおける法的リスク管理
PMI(Post Merger Integration:統合後のプロセス)では、組織再編、労働環境の統一、ITシステムの統合、契約関係の整理など、統合に伴って発生する多岐にわたる法的・労務的リスクを管理し、事業のスムーズな継続を担保する能力が求められます。
経営層・外部専門家との折衝力
M&Aプロジェクトを成功させるには、経営層に対してリスクを迅速かつ分かりやすく報告し、決断を促すコミュニケーション能力や、弁護士・会計士といった高度な専門家をリードし、プロジェクト目標に向けて動かす折衝力、調整力が不可欠となります。
M&A実務で役立つ資格
M&A実務に必須の資格はありませんが、関連知識を体系的に身につけることで、実務への貢献度を高め、キャリアアップを有利に進めることができます。
ビジネス法務検定
企業活動に必要な法律知識を総合的に習得できます。
特に1級は、M&Aやコンプライアンスなど、企業が直面する複雑な法務課題に対応できる高い実務能力の証明となり、DDや契約交渉の質を高めます。
TOEIC
クロスボーダーM&Aが増加する中で、海外の専門家とのコミュニケーションや英文契約書の読解能力は欠かせないため、TOEIC 800点以上が望ましいラインです。
英語力にまだ自信がない方は、まずはTOEIC 730点以上を目安にして、段階的により高いレベルで語学力を磨くことは、キャリアアップにおいて大きなアドバンテージとなります。
事例紹介|M&Aのキャリアを目指して転職した事例
Aさん(35歳・男性)は、地方の中堅企業の法務部門で、定型的な契約審査や一般的なコンプライアンス業務を中心に担当していました。
日々の業務を通じて法務としての基礎力は着実に身につけていたものの、M&Aなどのダイナミックな案件に携わる機会が少なく、自身の市場価値を高めたい、将来的には法務部門の責任者を目指したいという思いから転職を決意しました。
転職先として選んだのは、M&Aを成長戦略の中核に据える東証プライム上場のITサービス企業の法務部門です。
入社後すぐに、大規模なIT企業の買収案件に参画する機会を得て、デューデリジェンスから契約書作成、PMIまでを一貫して担当しました。
こうした実務を通じて、法務領域にとどまらず事業部門との調整やコミュニケーションにも積極的に関与した点が高く評価され、入社から3年でM&A専門チームのリーダーに昇格。
M&Aを通じて専門性を深めたことが、年収アップと中長期的なキャリア形成の双方を大きく押し上げた好事例といえるでしょう。
まとめ
M&Aプロジェクトへの参画は、法務担当者にとって、自身の専門性を広げ、ビジネス感覚を磨き、キャリアを飛躍させるための重要な機会です。
この経験を通じて得られる高度な専門知識と問題解決能力は、今後の企業法務のプロフェッショナルとして不可欠な要素となります。
なお、M&Aに携わる求人は、その秘匿性の高さから非公開求人として扱われることが多く、転職する際には情報収集が鍵になります。
M&A経験を積んで市場価値を高めたいとお考えの法務担当者の方は、管理部門・士業に特化した転職エージェントであるMS-Japanにぜひ一度ご相談ください。
- #法務 スキル
- #法務 キャリア
この記事を監修したキャリアアドバイザー

カナダ州立大学卒業後、新卒でMS-Japanへ入社。求人企業側の営業職を経験した後、2014年にキャリアアドバイザーへ異動。
2016年からは横浜支社にて神奈川県内の士業、管理部門全職種を担当し、現在は関東全域の士業、管理部門全職種を担当。
経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 外資・グローバル企業 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 役員・その他 ・ IPO ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ USCPA ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
あなたへのおすすめ求人
同じカテゴリの最新記事

会社法改正は法務人材のキャリアをどう変える?転職市場で評価される知識と経験(後編)

司法書士は就職・転職に有利?年代別ポイントや直近合格率など

行政書士は企業法務に転職できない?資格の活かし方や求人例など

管理部門(コーポレート部門)に向いている人とは?職種別に詳しく解説

未経験でも転職はできる?MS-Japanの転職支援サービスを紹介!

司法試験後、司法修習を受けなくても就職活動に有利?就職先やポイントなど

司法試験に落ちたら? 就職してキャリアを歩める? 5回不合格になる前に…

司法試験に年齢制限はある?合格者の平均年齢や最年少・最高齢のデータについても解説!

検事のキャリア・仕事内容・給与やその後のキャリアパスについて
サイトメニュー

業界最大級の求人数・転職支援実績!管理部門・士業の転職に精通した専門アドバイザーがキャリア相談~入社までサポートいたします。
新着記事
求人を職種から探す
求人を地域から探す
セミナー・個別相談会

業界最大級の求人数・転職支援実績!管理部門・士業の転職に精通した専門アドバイザーがキャリア相談~入社までサポートいたします。


















