人事管理職に転職するには?役割や求められるスキル、求人例など



一般的に、管理職への転職は難しい傾向にあると考えられており、人事の管理職においても同様です。
人事管理職の経験者であれば、転職活動でチェックされるポイントや転職市場の状況を把握することが重要になり、未経験者の場合は管理職を任せられるスキルや素質を備えているかどうかも問われます。
人事管理職としての転職を成功させるには、求められる役割やスキルを正確に理解することが重要です。
この記事では、人事管理職に転職するためのノウハウについて、多方面から解説します。
人事管理職向けの求人事例
弊社MS-Japanでは、管理部門・士業に特化した転職エージェント「MS Agent」を運営しています。
ここでは、人事管理職を目指す方向けの求人例を3つご紹介します。
東証プライム上場/IT企業/人事マネージャー(部長候補)
仕事内容 |
<採用・育成におけるグランドデザイン/企画> ・コンセプト設計 ・全体スケジュール設計 ・KPI設計、データ分析 ・経営陣/役員へのレポーティング ・面接官としての面接/評価 ・企画推進フォロー <組織マネジメント> ・進捗の管理/アドバイス ・人材育成 |
必要な経験・能力 |
・採用業務全般の実務経験をお持ちの方 |
想定年収 |
800万円 ~ 1,200万円 |
東証プライム上場企業で人事マネージャー求人/自己資本比率85%超/WLB◎
仕事内容 |
人事マネージャーとして下記の業務のマネジメント ・人事制度企画・立案・運用 ・HRオペレーション ・労務コンプライアンス、労務問題対応 ・タレントマネジメント、採用・教育・育成 |
必要な経験・能力 |
・人事部門のご経験(10年以上) ・マネジメント経験(3年以上) |
想定年収 |
1,100万円 ~ 1,300万円 |
老舗上場メーカーより人事採用・配置の課長ポジション/福利厚生充実
仕事内容 |
・採用配置業務における、年次計画策定から実行 ・採用業務全般(新卒(工業高校・高専・理系大学)・キャリア・障がい者雇用・派遣管理) ・人員適正化業務(社内人員のリプレイス等) ・労働と人権分野におけるCSR活動、監査対応 ・個別人事対応 等 |
必要な経験・能力 |
・マネジメント経験(人的+年次計画策定~実行責任) ・新卒採用業務経験 |
想定年収 |
700万円 ~ 850万円 |
人事管理職の役割
人事管理職には、労務管理や制度企画、採用・育成といった実務の遂行力も当然ながら、人事部全体をマネジメントする立場として業務を遂行することも求められます。
以下、主な役割について解説します。
目標設定・管理
人事部という一つのチームをマネジメントする人事管理職にとって、目標の設定や管理は重要な職務の一つです。
企業の人事戦略に基づいて定める目標と、人事部に所属するメンバーの目標を設定・管理することが求められます。
具体的には、人事採用関連、人事考課、人材育成といった業務内容につき、予定全体を見据えて個々に仕事を割り振っていきます。
もし予定通り進んでいない状況が確認できた場合は、そのメンバーをサポートしたり、必要に応じて業務ウエイトを調整したりすることも大切な仕事です。
メンバーの育成
他の部署の管理職と同様、人事部においても管理職がメンバーの人材育成に注力します。
適材適所の実現のため、能力や適性を見極めた上で、個々の目標達成を実現できるよう指導するのが主なミッションです。
教育上の必要が生じた場合は、研修や教育プログラムを用意することもあります。
個々の能力を向上させることにより、人事部全体の仕事ぶりが向上するよう働きかけるのが、人事管理職の役割の一つです。
メンバーの評価
目標設定と進捗管理のほか、人事管理職は個々のメンバーの働きぶりを「評価」することも仕事に含まれます。
働きぶりを評価する際は、主に次のような基準で評価を実施し、メンバーに結果をフィードバックします。
- ・業績評価(主に目標や課題の達成度を評価し、業務の質や量なども考慮する)
- ・能力評価(業務に必要な知識・資格、業務遂行能力、協調性など総合的に評価)
- ・情意評価(勤務態度が真面目かどうか、人間性に問題はないか、など)
業務改善
人事管理職は、人事部や自社全体を俯瞰して、業務改善に取り組まなければならない立場です。
経営陣の一員として、これまでの業務内容や仕組みそのものを見直し、業務効率化や不備改善などに着手することが求められます。
人事管理職に求められるスキル
人事管理職になるため、および人事管理職として転職するために必要なスキルとしては、大きく分けて次の3つがあげられます。
業務遂行スキル
管理職として人事部で働く以上は、人事部の仕事につき横断的に対応できるレベルの業務遂行スキルが必要になるでしょう。
指示を出した後、部下が対応できない仕事についてサポートをする機会も多くなるため、一定の実務経験と各種法令・規則の理解は必須と考えられます。
実務経験を積む中で、実務上分かりにくい部分、対応しにくい部分を熟知していれば、例えば部下に指導する際も説得力のある説明ができるでしょう。
職場の規模によっては、プレイングマネージャーとして組織をけん引できるかどうか判断する上で、業務遂行能力の高さが重要になる場合もあります。
コミュニケーションスキル
人事管理職は、社内において多方面での意思疎通が必要になるため、高いコミュニケーションスキルが求められる傾向にあります。
経営陣とのやり取りを円滑に進めつつ、経営陣の意向を人事部のメンバーに伝え、さらにはメンバー同士が協力し合えるよう取り計らうなど、ある意味では「コミュニケーションの円滑化が仕事」といっても過言ではないほど、人事管理職にとってコミュニケーションの重要性は高いものです。
ただし、必ずしも管理職の経験が求められるわけではなく、例えば前職以前でプロジェクトリーダーを経験しているなど、チームを率いた経験があればそちらも評価の対象となり得ます。
その他、業務のみに関わらず部下から様々なことを相談された際に対応ができるような「人間力」も、人事管理職として養っておきたい能力の一つです。
マネジメントスキル
企業経営の一端に携わりつつ、集団を率いる立場である人事管理職にとって、マネジメントスキルの有無は死活問題です。
経営陣からの指示・指摘への対応、チーム全体の業務進捗状況の把握と調整、人材管理上のリスクマネジメントなど、マネジメントスキルが求められる場面は数多く存在します。
そのため、社内全体で懸念されるリスクが顕在化した際の対応や、計画が遅延した場合の修正対応など、トラブルの矢面に立って対応する力が要求されます。
同時に、起こりうるリスクを未然に防ぐ「リスクアセスメント」に関しても、早急に措置を講じられるマネジメント能力が必要になるでしょう。
人事管理職の年収
人事管理職を目指すにあたっては、年収も重要なポイントの一つです。
以下、MS Agentの登録者データと求人データをもとに、人事管理職の年収について詳しく見ていきましょう。
人事転職希望者の平均年収は537万円
まず、2023年4月~2024年3月でMS Agentに登録のあった人事への転職希望者の年代別平均年収は以下の通りです。
年代 | 人事転職希望者の平均年収 |
---|---|
20代 | 397万円 |
30代 | 476万円 |
40代 | 556万円 |
50代以上 | 721万円 |
全体 | 537万円 |
年代が上がるにつれて、平均年収も上がっていることが分かります。全体の平均年収は537万円です。
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【2024年最新版】人事・総務の転職市場動向を徹底解説
人事管理職の平均年収は699万円
次に、MS Agentで調査した「管理部門・士業「マネジメント層」の転職市場予測」から、人事管理職求人の想定年収を見ていきましょう。
想定年収とは、求人で募集されているポジションにおいて、想定される年収レンジです。内定者の現年収やスキル、経験年数などによって、想定年収の範囲内で年収が決定されます。
2023年にMS Agentで掲載された人事管理職の求人において、想定平均年収は699万円です。役職に就いていないスタッフ層と比較して、141万円高い結果となりました。
前述した人事転職希望者の平均年収と比較すると、人事管理職の想定平均年収が162万円高いことが分かります。
人事として年収アップを目指す場合、管理職を目指すことは理にかなっているといえるでしょう。
【人事管理職経験者】転職成功の秘訣
すでに人事管理職の経験がある人が転職を成功させるには、次のようなポイントを押さえて転職活動を進めることが大切です。
経験者の需要が高まっている
求人を出している企業の多くは、人事管理職としての経験者に“即戦力”を期待しています。
また、2024年時点での具体的なポジションのニーズとしては、採用、労務、人事企画・制度のポジションがあげられ、次のような業務に携わった人材が評価されやすい傾向にあります。
- ・エンジニア採用(採用率向上等の改善経験も含む)
- ・人事関連ITソフトの導入および利用経験
- ・法改正等にともなう人事制度策定・改定の経験
- ・各種DX対応 など
管理職での経験を具体的にアピール
人事管理職への転職を成功させるためには、管理職としての経験を、できるだけ具体的にアピールすることが大切です。
アピール時は、次のような情報を整理して、エピソードとともに実績をアピールすると効果的です。
- ・経験した役職
- ・部下の人数
- ・管理職としての在籍期間 など
ただし、これまでに培ってきた経験を、すべての職場で活かせるとは限らない点に注意しましょう。
【人事管理職未経験者】転職成功の秘訣
若手は管理職未経験でもチャンスあり
管理職の経験がなくても、管理職として採用されることがあります。
この場合、年齢の若いミドルレンジの人材であることが多いです。経験はなくとも管理職を任せられるポテンシャルを期待して採用されることがあります。
注意点としては、管理職としてのスキルが期待されるため、スキルが不十分だとミスマッチが発生するリスクがあります。
面接の場で、管理職のスキルがあるにも関わらず経験がない理由は何なのかを聞かれる可能性も高いです。
企業としては、実力のない人材を採用してコストが生じることは避けたいという意向があります。
年齢が若い人ほどポテンシャルで採用される可能性もありますが、自分が管理職の業務を遂行できるかどうかは冷静に見極めなければなりません。
現在、人事として携わっているならば、管理職まで出世してから転職するという方法もあります。
応募先の期待値を高められる経験がないか洗い出す
管理職に転職するには、やる気だけではなく、当然実力の有無が重視されます。企業側が、実力を推し量る際に活用するのは、応募者の経験や実績です。
自分のキャリアを効果的にアピールするためにも、応募先の企業の期待値を高められる経験はないか、使える実績はないかを棚卸ししておきましょう。
具体的なエピソードや数字を活用して、言語化しておくことも大切です。
自分が企業の求めている人物像にマッチしていることをうまく伝えられるよう、念入りな準備が大切です。
人事管理職の転職は「MS Agent」にお任せください。
転職時は、自分の経験・スキルが「企業の求めている管理職像」にマッチしているかどうか確認することが重要です。
そもそも「どうしてこの企業が人事管理職の求人を出しているのか」について思いを巡らし、どのように自分が貢献できるのかを考えることが大切です。
企業側の募集背景など、応募先のより詳しい情報を収集するなら、転職エージェントの利用がおすすめです。
管理職・士業特化型のMS Agentは、人事管理職の求人が豊富なだけでなく、自分のより効果的なアピールポイントを見つけるのにも役立ちます。
多様な過去の転職支援実績から、求職者にマッチする対策をお伝えすることも可能です。
人事管理職への転職を検討されている方は、まずはMS Agentへの無料登録をご検討ください。
人事管理職の転職成功事例
転職をスムーズに成功させるには、過去の成功事例に学ぶのが効率的です。
以下、MS Agentのサービスをご利用いただいた方々のうち、人事管理職の転職成功事例をご紹介します。
30代後半・人事総務・プレイングマネージャーはじめての転職
Tさんは大学卒業後、大手上場子会社にて15年以上のキャリアを積まれていましたが、業界変動など将来の不安から転職を決意されました。
自分のどのような経験が転職市場で求められているのか、理想の自分とは何なのかを深く自問自答された結果、見事成長業界の上場企業への転職に成功されています。
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Tさんの事例を詳しく見る
企業の抱える課題と自身の強みが上手くマッチした40代後半女性の転職事例
Nさんは社会保険労務士法人にて、クライアントの給与計算・社会保険手続きに従事されていましたが、企業人事としてバックオフィスの強化に携わりたいという理由から、転職することを決断されました。
転職活動当初は人事未経験であることから苦戦されていましたが、これまでの実務の中で培われたプレイヤースキルやマネジメント・人材開発スキルなどが評価され、見事保育所運営企業への転職に成功されています。
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まとめ
人事管理職は、企業の人事計画に基づいてマネジメントを進めなければならない一方で、チームとしての人事部をまとめあげる力も求められます。
よって、プレイヤーとしてのスキルはもちろん、多くの人の信頼を勝ち取る人間力や、業務進捗・リスク等のマネジメント能力などが転職市場で評価されます。
転職市場では経験者の需要が高まっているため、採用や労務、人事企画・制度のポジションでの実務経験があると、その分評価を高めやすいでしょう。
しかし、実務未経験であっても、これまでのスキルが評価され採用に至る可能性は十分あるため、転職エージェントなどを利用して自分にマッチする求人を探すことが大切です。
- #人事管理職
- #人事転職
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この記事を監修したキャリアアドバイザー

大学卒業後、幸せに働く人を増やしたいという想いから新卒でMS-Japanに入社。
上場企業を中心とした求人開拓から管理部門全般のマッチングを行い、2021年1月より専門性の高いJ事業部に異動。
主に会計事務所、監査法人、社労士事務所の担当を持ちながら士業領域での転職を検討している方のカウンセリングから案件紹介を両面で行う。
会計事務所・監査法人 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 税理士科目合格 ・ USCPA を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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