2026年02月03日

採用だけの人事経験は転職で不利?評価されるスキルとキャリアの広げ方を徹底解説(後編)

この記事は後編です。前編の記事はこちらをご確認ください。

前編では、採用専任の人事経験は一概に不利ではないものの、年齢や志向、応募企業のフェーズによって評価が分かれる点を整理しました。
あわせて、採用を「事業計画達成のためのプロジェクト」として推進する力(KPI管理、専門職採用における提案力、面接プロセス設計など)が、転職市場で強みになり得ることを解説しました。

後編では、採用特化人材として選べるキャリアパスの具体像と、転職活動で評価されるアピールポイント転職成功事例を通じた実践的な打ち手を解説します。

採用経験からキャリアを広げる方法

採用経験を「採用特化」で終わらせず、人事のゼネラリスト、あるいは経営に近い人事企画職へとキャリアを広げるためには、意図的な学習と、非採用領域の「社内プロジェクト」への参画が不可欠です。

労務や制度設計を学ぶための最も確実なステップは、現職で「小さなプロジェクト」を主導すること、そして「制度の裏付け」を固めることです。

労務・制度設計への実務参画

採用担当者が最も効果的かつ現実的に非採用領域の知識を習得できるプロジェクトテーマは、「勤怠管理や休暇制度の効率化プロジェクト」(ITツール導入)や「入社手続きや労働契約の標準化プロジェクト」です。

ITツール(HRIS)の導入・改善を通じて、実務的な労務ルールや法令順守を体感的に習得できます。

また、評価制度と連動したインセンティブ設計の運用補助などを通じて、制度設計のロジックを理解することも有効です。

人事企画スキルの習得(経営視点の獲得)

人事企画への異動を実現するためには、採用部門で「人事企画的視点」を身につけ、経営層への提案力を磨く必要があります。

効果的な実践事例として、採用データと財務データを結びつけた「採用チャネル別ROI分析」に基づいた「人件費予算の適正化提案」や、早期離職率分析に基づく「オンボーディング・評価制度との連携改善策の提案」など、経営指標や組織活性度の観点からレポート化することが、企画職としての存在感を示す鍵となります。

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採用特化人材のキャリアパス

採用特化の経験は、決してキャリアの行き詰まりを意味するものではありません。

特に管理部門・士業の採用経験は、その専門性を活かし、より高度なエキスパート職や、自身のノウハウを外部に提供するコンサルティング職へと、多様なキャリアパスが開かれています。

エキスパート職

採用マネージャー/採用戦略責任者
採用チームのマネジメントに加え、中長期のタレント戦略を経営層と連携して策定する役割を担います。

タレントアクイジションスペシャリスト
経理・法務、あるいは特定のIT専門職など、ハイレベルな人材の獲得に特化し、ダイレクトリクルーティングやヘッドハンティングの手法を駆使して活躍します。

社外キャリア・独立支援(管理部門特化の独自パス)

IPO/上場準備支援コンサルティング
経理・法務部門の採用難易度が高いIPO準備企業に対し、採用・評価・組織設計を含めたCFO組織構築支援を行うコンサルタントとして活躍。

RPO/採用コンサルティング
事業会社で培った採用ノウハウを活かし、他社の採用プロセス効率化や戦略立案を支援するプロフェッショナル。

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転職活動でのアピールポイント

採用経験を最大限に評価してもらうためには、「何を、どれだけ、どうやって達成したか」を具体的かつ数値で示し、さらに「人事企画的な視点」を持った人材であることを印象づけることが極めて重要です。

あなたの経験を応募企業に響かせるためのアピールポイントの結論は、「採用成果を数値化し、その成果が再現性のある仕組みとリスク管理の観点から生み出されたことを証明すること」です。

採用成果の数値化と質の証明

単なる充足率だけでなく、「オンボーディング期間中の離職率の改善」「採用単価の前年比削減率」など、経営インパクトに直結する定量的な結果を提示します。

特に、採用者が「入社1年目の業務評価・目標達成率」と採用ルートとの相関を分析した経験は、採用の「質」にコミットした証として高い評価を得ます。

再現性のある仕組みとリスク管理の証明

個人的な努力ではなく、組織として継続的に成果を出せるようにした改善経験をアピールします。

例:「面接品質のバラつきを抑えるため、面接官評価の精度向上指標(面接官スコアと入社後評価の相関分析)を導入し、全社トレーニングを企画・実施した。」

例:「応募者対応の遅延を解消するため、ATS導入と並行して、雇用契約書や就業規則との整合性を確認する標準化プロセスを設計し、労務リスクの低減に貢献した。」

この「プロセスと制度設計の改善経験」が、人事企画や労務分野への適応能力と、法務リテラシーを持っていることを強く証明します。

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転職成功事例

【事例1】大手人材紹介会社での営業経験からファンド出資先の採用担当者(責任者候補)へ

● 前職: 大手人材紹介会社。管理部門職種担当営業6年間。

● 課題: 事業会社の人事経験がない。

● 成功ポイント: 候補者のキャリア志向を深く理解した「専門性の高いスカウト文面」の作成能力、「IFRS対応可能な経理人材の採用」といった具体的な成果を提示。

● 結果: PEファンド出資先の急成長企業に、タレントアクイジション責任者として入社。
  管理部門の組織デザインから採用戦略までを一任され、プロフェッショナルとして活躍。

【事例2】採用業務効率化の経験を武器に、事業会社の人事企画担当へキャリアアップ

● 前職: ITベンチャー企業で採用担当4年間。新卒・中途採用の実務を一手に担う。

● 課題: 採用以外の労務・制度設計経験がゼロ。人事企画職へのキャリア志向が強い。

● 成功ポイント: 労務リテラシー、ATS(採用管理システム)導入プロジェクトの主導、採用時の労働条件通知書作成フロー標準化、法改正対応、労務リスクの低減など貢献した案件を詳細に説明。

● 結果: グロース上場IT企業の人事部門に、人事企画担当者として入社。
  現在は、評価制度改定プロジェクトの運用を担当し、キャリアの幅を広げている。

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まとめ

採用専任の経験は、決して転職で不利になるものではありません。

むしろ、企業の成長に貢献する戦略的な採用スキルは、多くの企業で高く評価されています。

しかし、キャリアの選択肢を広げ、より経営層に近いポジション(人事企画など)を目指すのであれば、採用スキルを土台としつつ、意図的に労務や制度設計、そしてデータ分析・財務といった経営視点のスキルを学習し獲得していくことが必要です。

特に、労務のリスク管理意識を持ち、採用プロセスの中で再現性のある仕組みを構築した経験は、人事企画職へのキャリアチェンジにおいて強力な武器となります。

あなたの持つ採用の専門性を、事業成長に必要な人材を確実に確保し、組織のリスクを管理するプロジェクトマネジメント能力として再定義してください。

その上で、具体的な数値と仕組み構築の経験で証明すること。
このアプローチが、あなたのキャリアを次のステップへと進める鍵となります。

MS-Japanでは、管理部門と士業のプロフェッショナル転職に特化した支援を通じて、あなたの専門性を活かしつつ、理想のキャリアパスを実現するための具体的な求人情報と戦略的なアドバイスを提供しています。

この機会にぜひ、専門のコンサルタントにご相談ください。

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

河本 俊範

大学卒業後、食品メーカー営業を経て2005年MS-Japan入社。企業側営業担当を1年半経験し、以降はカウンセラー業務を担当。若手中堅スタッフの方から、40~50代のマネージャー・シニア層の方まで、年齢層問わず年間500名以上をカウンセリングさせていただいています。
企業管理部門全般~会計事務所など士業界、会計士・税理士・弁護士資格者まで弊社の特化領域全般を担当しています。

経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 役員・その他 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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