【例文あり】相手に響く税理士の志望動機の書き方3ステップ

転職活動中の税理士の方の中には、「志望動機をどう書けばいいのか」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
魅力的な志望動機を作るには、志望先が求める人材像を理解し、自分の経験や強みをどう活かせるかを具体的に伝えることが大切です。
この記事では、採用担当者の心を動かす志望動機の作り方を3ステップで解説します。
初めての転職でも迷わず書けるよう、会計事務所・企業別の例文や失敗しないためのポイントも紹介しています。
記事の要約
●税理士の志望動機は「なぜ転職するのか」「自分の強み」「会社・事務所で何をするか」を明確に記述。
●実務経験・数字・エピソードを用いて「自分が成果を出せる人材である」ことを具体化する。
●志望動機の添削や面接対策は【転職相談はこちら】へ。
税理士の仕事内容と主な就業先
志望動機を作成する前に、税理士の仕事内容と主な活躍フィールドを簡単に押さえておきましょう。
税理士は、税務代理・税務書類の作成・税務相談の3つの独占業務を中心に、税務・会計の専門家として企業や個人を支える役割を担っています。
また、税務にとどまらず、経営支援やM&A、事業承継などコンサルティング領域で活躍することもあります。
就業先としては、主に税理士事務所・会計事務所・税理士法人、一般企業、コンサルティング会社の3つが挙げられます。
たとえば、税理士事務所では中小企業の顧問税務や決算業務、一般企業では社内税務や財務戦略、コンサルティング会社では経営分析やM&A支援など、それぞれに求められるスキルや経験が異なります。
こうした業務内容や活躍分野を把握したうえで、自身の経験や今後のキャリアビジョンをどう結びつけるかを整理しておくと、志望動機に一貫性をもたせやすくなります。
志望動機を作成する前に整理しておきたい3つのポイント
志望動機を書く前に、まずは転職の軸を整理しておくことが大切です。
ここを明確にしておくことで、採用担当者に一貫性のあるメッセージを伝えられます。
① 転職理由を整理する
志望動機と転職理由は混同されがちですが、実は別のものです。
「なぜ転職したいのか」という転職理由を明確にしておくことで、志望動機に説得力が生まれます。
理由が曖昧なままだと、面接での発言に一貫性がなくなり、「本音が見えない」と判断される可能性もあります。
② 応募先の情報をリサーチする
志望先の業務内容や規模、特徴を把握しておくことは不可欠です。
税理士事務所・会計事務所では顧問税務や決算業務、一般企業では社内税務や財務分析、コンサル会社では経営支援など、求められる役割が大きく異なります。
自分の転職理由やキャリアの方向性と照らし合わせながら、どんな環境なら活躍できるのかを考えましょう。
③ 自分のアピールポイントを整理する
採用側が知りたいのは「この人を採用するメリット」です。
たとえ未経験でも、これまでの業務経験や資格取得への努力など、活かせる強みを具体的に言語化しておきましょう。
志望動機に自分の強みが反映されると、採用担当者に「採用後のイメージ」が伝わりやすくなります。
税理士の志望動機作成3ステップ
続いては、志望動機を作成するうえで重要となる3つのステップをご紹介します。
① 転職の目的・理由を整理する
魅力的な志望動機を書くためにも、まずはそもそもなぜ転職をしようと考えたのか理由を整理しましょう。
自分の転職目的を言語化しておき、転職できた場合、どのようなことをしたいと考えているかを採用担当者に伝えられるようにすることがポイントです。
② 応募先と転職する目的がマッチしているポイントを整理する
転職の目的が一つだけとは限りません。
自分の転職の目的の中でも、特にどのような点が応募先の事務所とマッチングしているかを整理しておき、面接の場などで伝える工夫をすることが大切です。
伝える際にはなるべく「その事務所・会社ならでは」となる理由になるように、共感したポイントや、魅力的に感じている点などを具体的に伝えるとよいでしょう。
事前にしっかりと応募先の事務所・会社について調べていることをアピールすることにもつながります。
現代はインターネットなどを通じて比較的情報が得られやすいので、なるべく公開されている情報はすべてチェックしておくことが望ましいです。
③ 応募先が自分を採用するメリットを整理する
選考の場では、ただ自分がその事務所・会社に入りたい理由を伝えるだけでは不十分です。
事務所・会社側は、役に立つ人材を求めて求人を行っています。当然、応募者が役立つ人間であるかどうかを見極めたいと考えているといえます。
そのため、自分を採用するとどのようなメリットがあるのかを伝えることが肝心です。
面接の場ならば、自分が事務所にとって役立つ点は何かを伝えて締めくくるとよいでしょう。
なお、未経験での転職となると即戦力になることが難しい場合も想定されます。
その場合は、仕事に向かう姿勢や採用された際に活躍するために、これまで勉強した知識など、少しでも活かせるポイントをアピールできるようにする工夫が大事です。
こんな志望動機はNG?注意したいポイントとは
志望動機を作成する際は、内容そのものよりも「どう伝わるか」で評価が分かれるため、採用担当者に誤解を与えやすい表現には注意が必要です。
「どの事務所でも同じ」と思われる志望動機
選考担当者は、応募者が「なぜ他ではなくこの事務所(企業)を選んだのか」を知りたいと考えています。
面接でアピールした後に「その志望動機は、他の税理士事務所でも同じことが言えますよね?」と指摘されてしまうのは危険です。
このように思われてしまうと、「特定の事務所を志望する明確な理由がない人」という印象を与えてしまいます。
完全な差別化は難しくても、応募先に共感した具体的なポイントや業務の特徴を盛り込むことで、志望動機に説得力が生まれます。
たとえば、「経験を積みたい」という一言でも、「どんな環境で」「どんな業務を」「どのようなペースで」取り組みたいのかを具体的に言語化し、事務所の強みと結びつけると効果的です。
複数の事務所・企業を受ける場合は、それぞれに合わせて志望理由を調整し、「なぜここなのか」を明確に伝えましょう。
自分のメリットばかりを語る志望動機
事務所や企業は、自社に貢献できる人材を求めています。
そのため、「自分のキャリアアップのため」「待遇が良いから」など、自分にとってのメリットばかりを強調する志望動機は印象を悪くします。
熱意や成長意欲を伝えることは大切ですが、それに加えて、自分を採用することで事務所・企業にどんなメリットをもたらせるかを示しましょう。
「自分の成長が組織にどう貢献するか」を意識して伝えることで、より信頼性の高い志望動機になります。
税理士の志望動機の例文
ここでは、税理士の志望動機の例文を「会計事務所を志望する場合」と「企業内の経理を志望する場合」の2パターンでご紹介します。
会計事務所を志望する場合
貴事務所を志望する理由は、税理士としての専門能力を活かしながら、クライアント企業が継続的に発展する手助けをする仕事に携わりたいと思っているからです。
大学の経済学部で会計や税務について学ぶ中で、税理士が果たす役割の専門性の高さ、重要性の大きさに気づきました。
その後、実際に税理士資格を取得でき、税理士として経験を積み重ねて参りましたが、さらなる成長を図るべく、貴事務所での勤務を志望しています。
貴事務所は、「顧客と共に成長する」という経営方針をもち、今後税務の専門家としてさらなるスキルアップ、実績向上を図りたい私の思いと合致いたします。
また、持ち前の英語力を活かして、複雑でグローバルな税務の領域にも挑戦したいと考えておりますので、私自身も成長し、プロフェッショナルになれると感じています。
この例文では、「成長意欲」と「応募先との方針の一致」を明確に伝えている点が評価されやすいポイントです。
自分のスキル(英語力)と志望先の特徴(グローバル業務)を結びつけることで、志望理由に具体性と説得力が生まれています。
また、「顧客と共に成長する」という企業理念を引用している点も、応募先への理解度を示す良いアプローチです。
企業内の経理を志望する場合
以前の職場である会計事務所では、税理士として主に決算業務に従事し、実務として給与関連の業務や年末調整、法人税、消費税の申告などに携わっていました。
こうした業務を通じて、クライアント企業の経理担当者に接することが増え、経理が企業経営において重要な役割を果たしており、やりがいを感じる業務であることを実感するようになりました。
そして少しずつ、将来的に企業の中枢を担う経理職に携わりたいという思いが強くなり、今回転職の決意に至りました。
税理士として会計事務所で培った決算業務の経験を活かしつつ、将来的には貴社の財務戦略を担い、経営全体のレベルで大きな貢献ができる人材に成長したいと考えています。
この例文は、「転職理由」から「志望動機」への流れが自然で、ストーリー性がある点が魅力です。
単なる職種変更ではなく、「なぜ会計事務所から企業経理へ」というキャリアの方向性が明確に示されています。
また、将来的な目標を「企業の財務戦略を担う」と具体化しており、長期的な成長意欲が伝わる構成になっています。
税理士の転職は面接対策も重要!
志望動機をしっかり書けても、面接で伝え方を誤ると印象が大きく変わります。
ここでは、エントリーシートと面接、それぞれでの志望動機の伝え方のポイントを整理します。
エントリーシートでの志望動機の書き方
エントリーシートは、志望者の熱意や適性を“文章だけ”で判断される場です。
どれほど思いが強くても、構成が曖昧だと「熱意が伝わらない」と評価されてしまうことがあります。
まずは結論から書くことを意識しましょう。
最初に「なぜ応募したのか(結論)」を述べ、その後に「理由」「具体的なエピソード」という順で展開すると、論理的で読みやすくなります。
また、志望先の特徴や強みに触れながら、「自分の将来像とどう重なるのか」を明確にすることも大切です。
入社後に取り組みたい業務や、挑戦したい分野を具体的に書くと、採用担当者があなたの活躍をイメージしやすくなります。
面接での志望動機の伝え方
面接で再び志望動機を聞かれるのは、“熱意の強さ”や“人物としての相性”を確認するためです。
採用担当者は、書面上の内容と話す内容に一貫性があるかを見ながら、「長く活躍してもらえるか」を判断しています。
面接時は、1〜3分程度で要点をまとめて話せるように、声に出して練習しておくのがおすすめです。
また、志望動機を述べた後に質問が続くことも多いため、内容を深掘りして説明できる準備も欠かせません。
たとえば「自分の将来像と貴社の方針が一致する」と述べる場合は、「自分の将来像とは何か」「どのような点が一致しているのか」まで具体的に話せるよう整理しておきましょう。
表面的な言葉だけで終わらせず、一貫性と具体性を意識することが、面接での印象を左右します。
まとめ
税理士の転職においては、「なぜその事務所で働きたいのか」「なぜ応募先企業を選んだのか」といった志望動機をしっかりと言語化して伝えることが大切です。
まずは税理士業界全体の業界研究を行ったうえで、応募先の特性や経営理念、具体的な業務内容を考慮しながら相手に響く志望動機を練り上げましょう。
もし自分ひとりではうまくまとめられない場合は、転職エージェントのキャリアアドバイザーに相談してみるとよいでしょう。
なかでも税理士業界に精通しているエージェントを利用することで、より的確なアドバイスを期待できます。
ぜひ今回ご紹介した内容を参考に、ご自身の強みや前職での経験、スキルを上手に盛り込み、採用担当者に「この人材が欲しい」と思わせられるような志望動機を作成してみてください。
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この記事を監修したキャリアアドバイザー

大学卒業後、新卒でMS-Japanに入社。法律事務所や会計事務所、監査法人、社労士事務所、FAS系コンサルティングファームなどの士業領域の採用支援、及びその領域でのご転職を検討されている方の転職支援を行っています。
会計事務所・監査法人 ・ 法律・特許事務所 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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