2018年09月21日

公認会計士が転職するうえで、評価が上がる「オプション・スキル」とは?

公認会計士といえば、弁護士や不動産鑑定士と並び称される、文系の日本三大国家資格のひとつです。それだけでも大型資格ではあるのですが、転職でアピールするために他のスキルを補強しておきたいと考える人も現れています。

公認会計士の資格だけでは転職時にアピール不足になるのか

公認会計士の資格も、単独で十分に社会的影響力の高いものです。特に、企業の財務情報などの信頼性・正当性を担保する監査業務は、公認会計士による独占が認められており、専門性の高い職業として認められています。

ただ、公認会計士の人口が年々増加しており、以前に比べると会計士の資格を持つだけでは希少価値を保てなくなっています。そこで、ライバルと差を付けて、転職活動を有利に進めるために、公認会計士資格に加えて、「オプション」となるスキルを身につける人が増えています。
では、転職市場で評価が上がるスキルとは何でしょうか。

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転職時に評価されやすい公認会計士のオプション・スキル

<外国語会話能力>

英会話能力が代表的です。イギリス・アメリカ・オーストラリアなど、母国語としている国々も多いですし、母国語以外で外国人とのコミュニケーション用に用いる頻度も考慮に入れれば、英語は事実上の世界標準語といえます。迷ったら真っ先に英会話を極めるべきです。
新規の取引や業務提携などの交渉の場において、自社の財務面を最もよく理解している担当者が積極的に前に出ていくと、社内でも信頼を置かれる立場となります。また通訳を通して伝えるよりも、思いや自信などがダイレクトに相手方へ伝わりやすくなるでしょう。
国内では英検が有名ですが、各級の合格点をクリアしなければ取得できない難しさもあります。その点、TOEICであれば合格や不合格という概念はなく、スコア制ですので、受験さえすれば履歴書に点数を書いてアピールすることが可能です。

もっとも、転職先として希望する企業が、海外企業とほとんど取引先としていなかったり、海外進出の予定もないのならば、会計士に対する外国語会話能力もほとんど期待されていないことになるでしょう。
また、たとえ海外展開をしている企業であっても、会計士が求人に応募するとき、外国語会話能力が決め手となって採用になる場面は、それほど多くないと考えられます。「とりあえず、通訳さえいればコミュニケーションはできる」との認識の企業が多いためです。
まずは、会計に関するスキルを磨き、各企業の期待に応える必要があります。

<英文会計・国際税務など>

英語能力を鍛えているのであれば、並行して、英文での会計や国際税務のスキルを身につけることも可能です。例えば日本のものとは異なるUSGAAP(米国会計基準)です。米国企業の相手方と会計上の対話をするときも、共通の土俵に乗ってスムーズにコミュニケーションをとることができる点で、他の会計士にはない優位性を前面に打ち出すことができます。できれば、アメリカ合衆国の公認会計士資格(USCPA)を取得しておくといいでしょう。

<IPO実務・監査対応>

IPOは、新規株式公開(Initial Public Offering)の略です。特にビジネスが軌道に乗り始めて急成長中のベンチャー企業にとって、公衆から広く、大きな資金を調達するための有効な手段です。よって、IPOがひとつの重要な目標であり、新規事業にとって目指すべき到達点と位置づけられることが多いのです。
ただ、IPOを成功させるには、証券会社や証券取引所の厳しい審査をパスしなければなりません。その審査の概要や手続きについて実践的な知識などが問われてきます。
公認会計士といえども、IPOに特有の実務対応力も身につける必要があります。ベンチャー企業に財務面でのアドバイザーとして参画したい会計士は、特にこのスキルを磨いておきましょう。

<経営コンサルティング能力>

公認会計士の中には、企業向けの経営コンサルティングを行う人もいますが、会計士であれば誰でも、経営コンサルティングを実施する能力が身についているわけではありません。コンサルティングファームなどに勤務し、その過程でコーチング力やコミュニケーションスキルを訓練して習得しています。また、企業向けコンサルタントの国家資格である中小企業診断士を取得するのも有効なアピールポイントです。会計・税務のことに精通する会計士が十分なコンサルティング能力を修得しておけば、独自の社内コンサルタントとしての立場を獲得できるでしょう。

<経営戦略・金融関連の実務>

企業に勤務する過程で、経理部や経営企画部などに配属されれば、これらの実践的な能力を身につけることができるでしょう。また、MBAを取得することで身につけられるスキルです。日本語では「経営管理学修士」などと訳されます。かつては海外留学が必須でしたが、2003年から国内でも専門職大学院制度が発足し、「経営管理修士(専門職)」の学位が与えられるようになっています。

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まとめ

以上のように、公認会計士が取得しておくとよい「オプション・スキル」は、いくつかあります。いくら難関でも、企業活動にとって需要がなかったり、会計士には期待されなかったりするスキルは、せっかく身につけても徒労に終わるおそれがあります。
会計士に期待される能力と相乗効果のあるスキルを、うまく選んで取得し、アピールできると転職活動を有利に進められるでしょう。

<参考>
・一般社団法人 中小企業診断協会 中小企業診断士試験

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

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会計士の転職・キャリアに関するFAQ

監査法人から事業会社への転職を考えています。MS-Japanには、自分のような転職者はどのくらい登録されていますか。

具体的な人数をお知らせする事は出来ませんが、より直接的に企業に関わりたい、会計の実務経験を積みたいと考えて転職を考える公認会計士の方が大多数です。 その過程で、より多くの企業に関わりたいという方は、アドバイザリーや会計事務所への転職を希望されます。当事者として企業に関わりたい方は事業会社を選択されます。 その意味では、転職を希望する公認会計士の方にとって、監査法人から事業会社への転職というのは、一度は検討する選択肢になるのではないでしょうか。

転職活動の軸が定まらない上、求人数が多く、幅が広いため、絞りきれません。どのような考えを持って転職活動をするべきでしょうか。

キャリアを考えるときには、経験だけではなく、中長期的にどのような人生を歩みたいかを想定する必要があります。 仕事で自己実現を図る方もいれば、仕事以外にも家族やコミュニティへの貢献、パラレルキャリアで自己実現を図る方もいます。ですので、ご自身にとって、何のために仕事をするのかを一度考えてみることをお勧めします。 もし、それが分からないようであれば、転職エージェントのキャリアアドバイザーに貴方の過去・現在・未来の話をじっくり聞いてもらい、頭の中を整理されることをお勧めします。くれぐれも、転職する事だけが目的にならないように気を付けてください。 今後の方針に悩まれた際は、転職エージェントに相談してみることも一つの手かと思います。

ワークライフバランスが取れる転職先は、どのようなものがありますか?

一般事業会社の経理職は、比較的ワークライフバランスを取りやすい為、転職する方が多いです。ただ、昨今では会計事務所、税理士法人、中小監査法人なども働きやすい環境を整備している法人が出てきていますので、選択肢は多様化しています。 また、一般事業会社の経理でも、経理部の人員が足りていなければ恒常的に残業が発生する可能性もございます。一方で、会計事務所、税理士法人、中小監査法人の中には、時短勤務など柔軟に対応している法人も出てきています。ご自身が目指したいキャリアプランに合わせて選択が可能かと思います。

監査法人に勤務している公認会計士です。これまで事業会社の経験は無いのですが、事業会社のCFOや管理部長といった経営管理の責任者にキャリアチェンジして、早く市場価値を高めたいと考えています。 具体的なキャリアパスと、転職した場合の年収水準を教えてください。

事業会社未経験の公認会計士の方が、CFOや管理部長のポジションに早く着くキャリアパスの王道は主に2つです。 一つは、IPO準備のプロジェクトリーダーとして入社し、IPO準備を通じて経営層の信頼を勝ち取り、経理部長、管理部長、CFOと短期間でステップアップする。 もう一つは、投資銀行などでファイナンスのスキルを身に着けて、その後、スタートアップ、IPO準備企業、上場後数年程度のベンチャーにファイナンススキルを活かしてキャリアチェンジすることをお勧めします。近年はCFOに対する期待が、IPO達成ではなく、上場後を見据えた財務戦略・事業戦略となってきているため、後者のパターンでCFOになっていく方が増えています。 年収レンジとしてはざっくりですが800~1500万円くらいでオファーが出るケースが一般的で、フェーズに応じてストックオプション付与もあります。

40歳の会計士です。監査法人以外のキャリアを積みたいのですが、企業や会計事務所でどれくらいのニーズがあるでしょうか。

企業であれば、会計監査のご経験をダイレクトに活かしやすい内部監査の求人でニーズが高いです。経理の募集もございますが、経理実務の経験が無いことがネックになるケースがあります。 会計事務所ですと、アドバイザリー経験の有無によって、ニーズが大きく異なります。また、現職で何らかの責任ある立場についており、転職後の顧客開拓に具体的に活かせるネットワークがある場合は、ニーズがあります。

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