2024年06月17日

公認情報システム監査人(CISA)とは。難易度や取得するメリット

情報システムが企業にとってますます重要な役割を果たすようになっている近年、公認情報システム監査人(CISA)のニーズが高まっています。 公認会計士や税理士がCISAをダブルライセンスとして取得するのは大きなメリットがあり、一般事業会社や監査法人、コンサルティング会社への転職にも有利です。 この記事では、公認情報システム(CISA)とは何か、またその難易度や取得するメリットをご紹介します。

公認情報システム監査人(CISA)とは

公認情報システム監査人(CISA)とは、ISACA(情報システムコントロール協会)が認定する国際資格です。 情報システム監査の資格として世界で歴史がもっとも古く、また普及していて、約15万人の資格認定者がいます。 日本語試験は1986年にスタートしました。

情報システム監査とは、企業の情報システムの信頼性が保たれているか、あるいは経済活動に寄与しているかを、独立した専門的な立場のシステム監査人が点検・評価・検証するものです。 情報システムの障害や不適切な運用などにより、企業は大きなリスクに晒されます。 したがって、情報システム監査は法令で義務付けられていないものの、株主への情報公開が必要となる上場企業においては不可欠なものとなっています。

近年では、最高経営責任者(CEO)や最高財務責任者(CFO)と並び、「最高情報責任者(CIO)」を設置する企業も増えています。 CIOに不可欠な知識を取得できる公認情報システム監査人(CISA)は、これからますます注目されていくでしょう。

無料でプロにキャリア相談

公認情報システム監査人(CISA)の試験について

公認情報システム監査人(CISA)の試験は、以下の5つの分野から出題されます。

出題分野 出題割合
ドメイン1 情報システム監査のプロセス 21%
ドメイン2 ITガバナンスとITマネジメント 17%
ドメイン3 情報システムの調達、開発、導入 12%
ドメイン4 情報システムの運用とビジネスレジリエンス 23%
ドメイン5 情報資産の保護 27%

出題形式は4択で、問題数は全部で150問、試験時間は4時間です。 試験結果は200点~800点の段階評価スコア(スケールドスコア)に変換され、450点以上が合格です。

受験資格に関して、年齢・学歴などの制限はありません。 コンピュータ試験が導入されているために、東京や札幌、名古屋、大阪、神戸、福岡などの会場で行われる試験を、好きな日時で予約し、受験できます。 2020年4月より自宅での受験もできるようになりました。

また、CISAの認定を受けるためには、試験に合格するとともに、情報システム監査、コントロール、保証、またはセキュリティ分野での最低5年間の実務経験を証明することが必要です。 実務経験は、認定申請日から過去10年以内、また、試験合格後5年以内のものでなくてはいけません。 ただし、監査経験や特定分野の修士号、大学での履修単位、大学常勤講師などの経験は、実務経験の一部に代替できます。

無料でキャリア相談を受ける

公認情報システム監査人(CISA)の難易度や勉強時間

公認情報システム監査人(CISA)の合格率は公表されていないため、難易度を他の試験と比較するのは困難です。 ただし、資格サイトなどでは「CISAの難易度は標準的」といわれています。 勉強時間は、150時間~200時間程度とされています。
CISAでは、情報システム系の知識が問われる試験問題はほとんど出題されません。 したがって、システム系の知識が不得意な人でも受験しやすいといえるでしょう。

無料で転職アドバイスを受ける

公認情報システム監査人(CISA)を取得するメリット

公認会計士や税理士が公認情報システム監査人(CISA)をダブルライセンスとして取得すると大きな武器になります。 近年では、SOX法により情報システム統制が監査対象となったため、欧米の企業では企業内にCISA認定者を配置することが一般的になっています。 国内の企業でも、グローバル展開する企業が増えるにともない、CISA認定者を配置する企業は増えています。 会計業務に情報システムを使用しない企業は近年では皆無であるために、公認会計士や税理士にとってのCISA取得のメリットは今後ますます高まっていくでしょう。

公認情報システム監査人(CISA)を活かせるキャリア

公認情報システム監査人(CISA)を活かせるキャリア公認情報システム監査人(CISA)を活かせるキャリアは以下のようなものがあります。

一般事業会社

一般事業会社への転職に、CISAの資格は活かせます。 転職に特に有利になる部門には、内部監査部門や情報システム部門、コンプライアンス部門、セキュリティ部門などがあります。

監査法人

監査法人の中には、企業の情報システム監査を取扱業務として行っているところも多くあります。 情報システム監査を行う部門としては、IT監査部門やリスクマネジメント部門などとなるでしょう。

コンサルティング会社

コンサルティング会社では、情報システム監査やシステムセキュリティについてのコンサルティングをクライアントから受注するケースが増えています。 具体的な部門としては、ITオペレーション部門やセキュリティ部門、コンプライアンスについてのコンサルティング部門などとなるでしょう。

無料で転職のプロに相談する

まとめ

公認情報システム監査人(CISA)は、情報システムの発展にともない、そのニーズがますます高まっている資格です。 一般事業会社や監査法人、コンサルティング会社の求人でも、CISA認定者を求めるものが増えています。 CISAを取得し、転職を有利に進めましょう。

会計士TOPに戻る

この記事を監修したキャリアアドバイザー

圓鍔 忍

大学卒業後、旅行代理店にて法人営業を約3年。20代でMS‐Japanへ入社。
企業の採用支援(リクルーティングアドバイザー)を約8年、求職者の転職支援(キャリアアドバイザー)を約5年経験。
両ポジションでチームマネジメントを経験し、キャリアアドバイザーとしては複数回にわたり支援実績数NO1を獲得。リクルーティングアドバイザーにおいても入社1年半後にチームマネジメントを経験させていただきました。現在は子育てと両立しながら、常に社内でトップ10以内の採用支援実績を維持。

経理・財務 ・ 法務 ・ 役員・その他 ・ IPO ・ 公認会計士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

あなたへのおすすめ求人

Manegyニュースランキング

マネジーでポイントを貯めて、
豪華商品に交換しよう!

詳しくはこちら

powered by Manegy

MS-Japanの転職サービスとは

MS-Japanは、公認会計士やUSCPAなどの有資格者や企業の管理部門に特化した転職エージェントです。
大手上場企業や監査法人、会計事務所(税理士法人)など、公認会計士の幅広いキャリアフィールドをカバーする求人をもとに、公認会計士専門のキャリアアドバイザーがあなたの転職をサポートします。
キャリアカウンセリングや応募書類の添削・作成サポート、面接対策など各種サービスを無料で受けることができるため、転職に不安がある公認会計士の方でも、スムーズに転職活動を進めることができます。

サービス紹介を見る

MS-Japanを利用した会計士の
転職成功事例

転職成功事例一覧を見る

会計士の転職・キャリアに関するFAQ

監査法人から事業会社への転職を考えています。MS-Japanには、自分のような転職者はどのくらい登録されていますか。

具体的な人数をお知らせする事は出来ませんが、より直接的に企業に関わりたい、会計の実務経験を積みたいと考えて転職を考える公認会計士の方が大多数です。 その過程で、より多くの企業に関わりたいという方は、アドバイザリーや会計事務所への転職を希望されます。当事者として企業に関わりたい方は事業会社を選択されます。 その意味では、転職を希望する公認会計士の方にとって、監査法人から事業会社への転職というのは、一度は検討する選択肢になるのではないでしょうか。

転職活動の軸が定まらない上、求人数が多く、幅が広いため、絞りきれません。どのような考えを持って転職活動をするべきでしょうか。

キャリアを考えるときには、経験だけではなく、中長期的にどのような人生を歩みたいかを想定する必要があります。 仕事で自己実現を図る方もいれば、仕事以外にも家族やコミュニティへの貢献、パラレルキャリアで自己実現を図る方もいます。ですので、ご自身にとって、何のために仕事をするのかを一度考えてみることをお勧めします。 もし、それが分からないようであれば、転職エージェントのキャリアアドバイザーに貴方の過去・現在・未来の話をじっくり聞いてもらい、頭の中を整理されることをお勧めします。くれぐれも、転職する事だけが目的にならないように気を付けてください。 今後の方針に悩まれた際は、転職エージェントに相談してみることも一つの手かと思います。

ワークライフバランスが取れる転職先は、どのようなものがありますか?

一般事業会社の経理職は、比較的ワークライフバランスを取りやすい為、転職する方が多いです。ただ、昨今では会計事務所、税理士法人、中小監査法人なども働きやすい環境を整備している法人が出てきていますので、選択肢は多様化しています。 また、一般事業会社の経理でも、経理部の人員が足りていなければ恒常的に残業が発生する可能性もございます。一方で、会計事務所、税理士法人、中小監査法人の中には、時短勤務など柔軟に対応している法人も出てきています。ご自身が目指したいキャリアプランに合わせて選択が可能かと思います。

監査法人に勤務している公認会計士です。これまで事業会社の経験は無いのですが、事業会社のCFOや管理部長といった経営管理の責任者にキャリアチェンジして、早く市場価値を高めたいと考えています。 具体的なキャリアパスと、転職した場合の年収水準を教えてください。

事業会社未経験の公認会計士の方が、CFOや管理部長のポジションに早く着くキャリアパスの王道は主に2つです。 一つは、IPO準備のプロジェクトリーダーとして入社し、IPO準備を通じて経営層の信頼を勝ち取り、経理部長、管理部長、CFOと短期間でステップアップする。 もう一つは、投資銀行などでファイナンスのスキルを身に着けて、その後、スタートアップ、IPO準備企業、上場後数年程度のベンチャーにファイナンススキルを活かしてキャリアチェンジすることをお勧めします。近年はCFOに対する期待が、IPO達成ではなく、上場後を見据えた財務戦略・事業戦略となってきているため、後者のパターンでCFOになっていく方が増えています。 年収レンジとしてはざっくりですが800~1500万円くらいでオファーが出るケースが一般的で、フェーズに応じてストックオプション付与もあります。

40歳の会計士です。監査法人以外のキャリアを積みたいのですが、企業や会計事務所でどれくらいのニーズがあるでしょうか。

企業であれば、会計監査のご経験をダイレクトに活かしやすい内部監査の求人でニーズが高いです。経理の募集もございますが、経理実務の経験が無いことがネックになるケースがあります。 会計事務所ですと、アドバイザリー経験の有無によって、ニーズが大きく異なります。また、現職で何らかの責任ある立場についており、転職後の顧客開拓に具体的に活かせるネットワークがある場合は、ニーズがあります。

転職FAQ一覧を見る

転職やキャリアの悩みを相談できる!

簡単まずは会員登録