公認会計士試験の免除制度:制度を知って賢く受験を乗り越える!

公認会計士試験の免除制度について詳しく解説!
免除の条件や手続き、そのメリット・デメリット、そして免除制度を上手く活用してキャリアを築くアドバイスまで網羅しています。
免除制度を知り、試験対策を効率的に進められるように、公認会計士を目指すすべての人に役立つ情報を提供します。
公認会計士試験の基本情報
公認会計士試験は、監査・会計を担当する専門家としての知識と技術を有するかを評価するための試験として位置づけられています。
これから公認会計士試験に挑む皆さんにとって、試験の概要を知ることは、合格への第一歩となります。
公認会計士試験の短答式と論文式の違い
公認会計士試験は大きく短答式試験と論文式試験の2つに分かれています。
短答式試験は、基礎的な会計・財務の知識を問うもので、選択肢から正しいものを選ぶマークシート形式の問題が出題されます。
一方、論文式試験は実務に関する専門的な知識も必要とし、具体的なケーススタディや事例に基づいて答えを整理し、論理的に記述する能力が求められます。
短答式での基礎知識がしっかりと身についていることが、論文式試験での成功に繋がると言われています。
必須科目と選択科目について
公認会計士試験には、全ての受験生が受験しなければならない「必須科目」と、受験者が選択する「選択科目」が存在します。
必須科目は、公認会計士としての基礎的な知識や技術を問うもので、その内容は年々変わることはありません。
一方、選択科目は受験者の専門領域や興味に合わせて選ぶことができ、より深い知識や技術が求められます。
選択科目は、自身の得意分野やキャリアプランに合わせて選択することが、効率的な試験対策となるでしょう。
このように、公認会計士試験は多岐にわたる知識や技術を問う試験となっています。
しかし、それぞれの試験の特性や内容を理解し、適切な対策を立てることで、難関とされる公認会計士試験の合格に近づきます。
次は、試験の免除制度について深掘りしてみましょう。
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公認会計士試験の免除制度とは
公認会計士試験は、その専門性と難易度から多くの受験生が合格のために、長期間の勉強を必要とします。
しかし、一部の受験生には特定の条件を満たすことで試験の免除が認められる制度が存在します。
この免除制度を活用することで、より効率的に公認会計士の資格取得を目指すことができるのです。
免除制度の全体像
公認会計士試験の免除制度は、受験生が特定の条件や資格を持っている場合、一部の試験科目を免除する制度です。
この制度の目的は、既に高度な知識や技術を持つ者が再び同様の内容の試験を受験する手間を省くこと、そして専門的なキャリアを積んできた者が公認会計士としての活動をスムーズに開始できるようにするためです。
ただし、免除制度を利用するためには一定の条件が設けられており、これを満たすことが求められます。
免除される科目の種類と条件
免除される対象者と免除科目を以下に紹介します。
注意)免除が認められる試験科目やその条件は、公認会計士試験の実施機関や時期によって異なる場合がありますので、ご注意ください。
- ・大学等で商学の教授、准教授を3年以上または商学の研究で博士を授与された者
- ・大学等で法律学の教授、准教授を3年以上または法律学の研究で博士を授与された者
- ・高等試験本試験合格者
- ・司法修習生
- ・旧司法試験第2次試験合格者
- 税理士または税理士試験の試験科目のうち簿記論及び財務諸表論の2科目で基準以上の成績を得た者(財務会計論)
- 会計専門職大学院で特定の科目数を履修した修士学位授与者(財務会計論、管理会計論及び監査論)
- 特定条件を満たす団体での従事期間が7年位以上ある者(財務会計論)
- ・大学等で商学の教授、准教授を3年以上または商学の研究で博士を授与された者(会計学及び経営学)
- ・大学等で法律学の教授、准教授を3年以上または法律学の研究で博士を授与された者(企業法及び民法)
- ・高等試験本試験合格者(高等試験本試験において受験した科目)
- ・司法修習生(企業法及び民法)
- ・旧司法試験第2次試験合格者(旧司法試験の第2次試験において受験した科目)
- ・大学等で経済学の教授、准教授を3年以上または経済学の研究で博士を授与された者(企業法及び民法)
- ・不動産鑑定士試験合格者(経済学又は民法)
- ・税理士(租税法)
- ・企業会計に関する一定以上の能力を有する者(会計学)
- ・監査基準に関する一定以上の能力を有する者(監査論)
※具体的な免除条件や科目は、公認会計士試験の公式ページ(公認会計士・監査審査会)をご確認ください。
公認会計士試験の免除制度を適切に活用することで、試験へのアプローチや資格取得までの時間を大幅に短縮することが可能です。
しかし、そのためには制度の詳細をしっかりと把握し、自身の経歴や資格を適切に活かす必要があります。
免除制度の申請方法について
免除制度を適切に利用することで、試験の負担を軽減し、より効率的に資格取得を目指すことが可能となります。
本章では、免除制度の申請方法について解説します。
短答式試験の免除条件と必要書類
短答式試験の免除条件は、主に学歴や専門的な職務経験に関わるものとなります。 必要書類としては、学歴を証明するための卒業証明書や成績証明書、職務経験を示すための在職証明書などが考えられます。
論文式試験の免除条件と必要書類
論文式試験の免除条件は、短答式試験とは異なり、主に専門的な資格や研究成果に関わるものとなります。 必要書類としては、資格を証明するための資格証明書や、研究論文の掲載情報を示すものなどが求められることが予想されます。
免除制度の具体的な申請方法は、公認会計士試験の公式ページ(公認会計士・監査審査会)をご確認ください。
申請手続きと審査の流れ
免除制度を利用するためには、適切な申請手続きを行うことが必要です。
まず、公認会計士試験の実施機関が提供する申請書を取得し、所定の情報を記入します。
次に、必要書類を準備し、申請書とともに提出します。提出後、実施機関による審査が行われ、その結果が受験生に通知されます。
審査の内容は、提出された書類の真実性や免除条件の適合性などを中心に行われます。
公認会計士試験の免除制度は、受験生の学歴や実務経験を十分に評価し、公平な資格取得の機会を提供するためのものです。 正確な情報を入手し、適切な申請を行うことで、この制度を最大限に活用することができます。
その他:科目合格制度による免除
公認会計士試験の短答式試験・論文式試験を過去に受験したことがある場合、一定の条件を満たすことで、試験の免除を受けることができます。
短答式試験過去に短答式試験に合格したことがある場合、合格発表の日から起算して2年を経過する日までに行われる短答式試験においては、短答式試験が免除されます。 つまり、一度短答式試験に合格すれば、翌年とその次の年の2年間は論文式試験からスタートできるのです。
論文式試験公認会計士・監査審査会は公式に以下のように発表しています。
「論文式試験の試験科目のうち同一の回の公認会計士試験における合格者の平均得点比率を基準として、審査会が相当と認めた得点比率以上を得た者を一部科目免除資格取得者としています。当該科目については、合格発表の日から起算して2年を経過する日までに行われる論文式試験において、出願時に申請することにより免除を受けることができます。」
つまり、ある科目で審査会が認める得点を取得した場合、翌年とその次の年の試験においては、その科目の免除をうけることができるのです。
例えば、監査論で基準となる点を上回った場合、翌年とその次の年は残りの4科目に合格すれば、公認会計士試験合格となります。
尚、試験科目の一部免除等を受けようとする方は「論文式試験一部科目免除資格通知書」を保管しておき、受験願書の提出より前に、あらかじめ書面による免除申請又はインターネットによる免除申請をする必要があります。
【参考】
・公認会計士試験に関するQ&A
・免除申請の手続について
免除制度を利用するメリット・デメリット
公認会計士試験において、免除制度は多くの受験生が興味を持つ点の一つです。
免除制度を利用することで得られるメリットは明白ですが、それに伴うデメリットや注意点も存在します。
この章では、免除制度を利用する際の利点と欠点、そして注意すべきポイントについて詳しく解説します。
利用することで得られる利点と時短の可能性
免除制度の最大の利点は、試験の範囲や科目が減少することにあります。これにより、受験勉強の負担が軽減され、限られた時間をより重要な科目や内容に集中して使うことができます。
特に、会計や経済の専門学校や大学を卒業している受験生は、学んだ知識を生かし、試験の一部をスキップすることが可能となります。
また、既にある程度の実務経験を有する者にとっては、その経験を活かして試験範囲を狭めることも可能です。
これは、試験対策の時短だけでなく、精神的な負担の軽減にも繋がります。
注意点やデメリット
しかし、免除制度の利用にはいくつかの注意点やデメリットも存在します。
一つは、免除が認められた科目に関する知識や技術が乏しいまま業界に入る可能性がある点です。
例えば、特定の科目が免除された場合、その科目に関する深い知識が求められる場面で不利となる可能性があります。
また、得意科目の試験が免除になった場合、総合的に平均点が下がってしまう可能性があります。通常公認会計士試験では科目の合計点が合否の基準となりますが、科目免除の場合は平均点で合否を判断されます。
免除科目を得意としている場合、あえて免除制度を利用せずに高得点を狙いに行く方が、総合得点が上がるため、有利になる場合もあります。
公認会計士試験に関する関連情報
公認会計士試験の難易度は高い!?合格するために押さえるポイントを解説
公認会計士試験は免除制度を利用しても難易度の高い試験です。
直近の合格者数や合格率、免除制度以外にも公認会計士試験突破のために押さえておきたいポイントがたくさんあります。
公認会計士試験の具体的な難易度については、「公認会計士試験の難易度は高い!?合格するために押さえるポイントを解説」をご確認下さい。
公認会計士試験に合格!その後のキャリアパスは?
見事、公認会計士試験に合格した後のキャリアパスに関してご存じですか?
公認会計士試験に合格したら一般的に監査法人に就職すると考えている方もいらっしゃいますが、実は公認会計士試験合格後のキャリアパスは監査法人だけではありません。
公認会計士の転職を支援しているMS-Japanだからこそ分かる試験合格後のキャリアパスについては「公認会計士試験に合格!その後のキャリアパスは?」をご確認下さい。
令和6年(2024年)公認会計士試験の日程 試験から合格後の流れ
令和6年の公認会計士試験スケジュールについて詳しく解説しています。
試験や出願期間、合格発表の日程については、「令和6年(2024年)公認会計士試験の日程試験から合格後の流れ」で再度ご確認下さい。
まとめ
公認会計士試験はその難易度の高さと業界での重要性から、多くの受験生が長期間の努力を必要とする試験となっています。
その中で、免除制度は受験生にとって大きなチャンスともなり得る要素の一つです。
どのような学歴や経歴があれば、どの科目の免除が認められるのか、また申請に必要な書類や審査の期間等、具体的な情報をしっかりと把握することで、自身の受験戦略を計画的に進めることができます。
公認会計士としてのキャリアを築くためには、試験の合格だけでなく、業界での実践的な経験やスキルの習得が不可欠です。
免除制度を利用して時間を節約した場合でも、その時間を有意義に使い、業界の最新の動向や必要な技術を身につける努力が求められます。


この記事を監修したキャリアアドバイザー

大学卒業後、新卒でMS-Japanに入社。
法律事務所・会計事務所・監査法人・FAS系コンサルティングファーム等の士業領域において事務所側担当として採用支援に従事。その後、事務所側担当兼キャリアアドバイザーとして一気通貫で担当。
会計事務所・監査法人 ・ 法律・特許事務所 ・ コンサルティング ・ 金融 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 税理士科目合格 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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公認会計士が外資系企業に転職するメリットは何ですか?
公認会計士が外資系企業に転職するメリットは、「自分のペースで仕事ができる」「日系企業に比べて年収が高い」の2つです。 外資系企業は良くも悪くも実力主義のため、成果を出すことができていればプライベートの時間も確保しながら仕事をすることができます。 また、日系企業に比べて年収が高い傾向がありますが、福利厚生は日系企業の方が充実しているため、年収と福利厚生のどちらを重視するかを検討する必要があります。
公認会計士は外資系企業でワークライフバランスを重視した働き方が出来ますか?
外資系企業は日系企業に比べて実力主義な傾向が強いため、自分で労働時間を管理することができます。 また、今では日系企業でもリモートワークを採用している企業が多いですが、外資系企業は日系企業よりもリモートワークが普及しているため、働き方という意味でも外資系企業ではワークライフバランスよく働くことが可能です。
公認会計士は外資系企業でどのような部門に配属されることが多いですか?
公認会計士が外資系企業に転職する場合、「アカウンティング部門」もしくは「ファイナンス部門」のいずれかが有力な選択肢となります。 アカウンティング部門は、日系企業でいう経理部に当たり、ファイナンス部門は日系企業でいうと予算管理部門と経営企画部門のちょうど間ぐらいの立ち位置になります。
公認会計士が外資系企業で働くにはどのようなスキルが求められますか?
公認会計士が外資系企業で働くには、本国の経営陣や従業員とビジネス的な会話ができるレベルの語学力が必要です。 また、本国の所在地にもよりますが、US-GAAP、IFRS/IASといった海外の会計基準と日本の会計基準の違いをしっかりと理解しておく必要があります。 日本の公認会計士だけでなく、USCPAなどを取得しておくと外資系企業への転職には有利になります。
公認会計士が外資系企業に就職・転職するハードルは高いですか?
公認会計士が外資系企業に就職・転職するハードルは決して低くはありませんが、IFRS(国際財務報告基準)に関する知識と経験がある方には転職のチャンスがあります。 また、一定の英語スキルも必要にはなりますが、入社時に極端に高い語学力が求められるわけではありません。 尚、管理職を目指す場合は本国や他国の拠点とやり取りをするためにも、英語力は必須となります。
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