【監査法人への就職】就活の流れや注意点、Big4の特徴など

公認会計士試験合格者の多くが、ファーストキャリアとして監査法人への就職を選択します。
なかでもBig4は高度な専門性と国際的なキャリアを得られるため、非常に魅力的な選択肢です。
本記事では、監査法人への就職活動の流れや、成功のための注意点、そしてBig4各社の特色などについて、具体的な情報をまとめていきます。
公認会計士試験に合格していない場合でも、監査法人に就職できるかどうかについても取り上げていますので、ぜひ今後の参考にしていただければと思います。
まずは監査法人の求人をご確認したい方はこちら
監査法人の最新就職状況・就職難易度
監査法人への就職市場は、慢性的な人手不足と国際会計基準への需要増加により、長らく売り手市場となっていました。
特に、公認会計士の需要は高く、M&AやIPOなどのコンサルティング案件の増加もこの傾向を後押ししています。
2020年の新型コロナウイルス流行により、一時的に求人数が減少し、監査法人も採用に慎重な姿勢を見せましたが、以降の求人数は回復し、再び売り手市場の様相を呈しています。
しかし、売り手市場であっても、誰でも容易に内定を得られるわけではありません。
特に、待遇が良く人気のある監査法人では競争率が高く、適切な対策が求められます。
志望動機の明確化、採用面接の準備、監査法人が求める人物像への適合性のアピールなど、さまざまな準備が必要です。
監査法人の就職活動の流れ
監査法人の採用活動は「合格発表日」からスタート
公認会計士試験の合格発表がある11月中旬を皮切りに、監査法人への就職活動がスタートします。
合格発表日と合わせて、監査法人の説明会の予約が開始され、エントリーシートの提出準備も始まります。
特に公認会計士の新卒採用は、一斉に行われるため、合格発表を受けてからすぐに就職活動を開始することが重要です。
約2週間の短期決戦
合格発表後、約2週間の間に就職活動が集中します。
合格者はこの短期間で、複数の監査法人の面接を受けることになります。
面接の予約は合格発表から1週間程度で締め切られるため、いかにスピード感を持って行動できるかどうかがカギとなります。
面接は11月後半から12月初めにかけて行われ、面接後数日以内に内定が通知されます。
Big4(4大監査法人)の特徴
Big4と呼ばれる大手監査法人4社について、それぞれの特徴をまとめてみました。
有限責任あずさ監査法人
伝統と外資系文化の融合が特徴的な監査法人です。
KPMGのメンバーファームであり、グローバル視点と多様なアドバイザリーサービスを提供しています。
都心部の企業はもちろん、関西、名古屋、中国地方の大手クライアントが多いことも特徴です。
EY新日本有限責任監査法人
2008年に日本では初となる有限責任監査法人となった監査法人で、監査業務の売上高はBig4の中でもトップです。
近年はテクノロジー系人材の採用に注力しており、デジタル化やグローバルな業務に関心がある人に適しています。
PwC Japan有限責任監査法人
外資系企業的な社風と多国籍なクライアントが特徴的であることから、国際的な業務に関心がある人におすすめです。
Big4のなかでは最も規模の小さい監査法人ですが、非監査業務に強みを持っており、監査業務と非監査業務の売上構成比がほぼ同等になっています。女性にとって働きやすい環境づくりにも力を入れています。
有限責任監査法人トーマツ
商社監査に強く、監査業務以外にも株式公開支援やコンサルティングにも力を入れています。他のBig4と比較すると非監査業務の売上高が圧倒的であり、監査業務と非監査業務を合わせると、Big4のなかで最も売上高が大きい監査法人です。
多岐にわたる業務経験を積みたい方にフィットしやすい監査法人です。
※非監査業務とは監査と違い、会社が任意で受けるものです。例えば、IPO支援業務、内部統制システム構築支援業務、DX化支援業務などです。
Big4と中小監査法人の違いとは?
Big4とその他の監査法人の主な違いは、規模、国際性、サービス範囲にあります。
Big4は、世界中に広がるネットワークと大規模なクライアント基盤を持ち、多様なサービスを提供しています。
国際的な基準に沿って業務を行い、日本を代表するような超大手企業や多国籍企業の監査、コンサルティングに強みを持っています。
これに対して、その他の監査法人は比較的小規模であり、国内企業や特定産業に特化したサービス、特定の地域や専門分野に焦点を当てたサービスなどを提供しているのが特徴です。
資格なしでも監査法人に就職できる
公認会計士資格がなくても、監査法人への就職は不可能ではありません。
Big4を含む多くの監査法人では、公認会計士や試験合格者以外の、無資格者も一定数が在籍しています。
無資格者は主に管理部門やバックオフィス業務に配属されるパターンと、監査トレーニーとして会計士やUSCPAの資格取得を目指しながら、会計士の業務補助を行う2つのパターンがあります。
監査やアドバイザリー業務に従事するには、高度な専門性が求められるため、公認会計士資格やUSCPAなどの会計・監査に関する知識を証明できる資格が必要となるためです。
監査法人は転職市場でも人気が高く、多くの求職者が何らかの有資格者であるため、資格取得はより効率的な就職ルートといえるでしょう。
学歴は評価基準として重要視されない
監査法人の就職において、学歴は重要視されることはあまりありません。
もともと公認会計士試験が受験資格を問わない国家試験であるため、学歴不問で誰でも挑戦が可能であり、採用においても学歴による足切りは行いません。
重視されるのは資格、スキル、熱意、キャリアの方向性など、実務能力や専門知識に関わる要素です。
監査法人に高学歴の人が多い傾向があるのは、公認会計士を目指す人の中に高学歴が多いからであり、学歴が採用に直接影響を与えているわけではありません。
尚、監査トレーニーとして就職する場合は、実際に試験に合格できそうか?という点が見られます。短答式試験に合格している、科目合格に至っているなど、より試験合格に近づいているほうが有利になります。
年齢に伴った経験・職歴が求められる
監査法人の就職活動では、公認会計士試験に明確な年齢制限はないため、どの年代でも挑戦可能ですが、年齢に見合った経験やスキルが求められます。
公認会計士試験は20代から30代前半の合格者が多く、この年代で資格を取得すると経験・職歴も限定的となるため、就職活動では経験・職歴をそこまで問われません。
年齢が高くなると、監査法人は資格取得だけでなく、それまでの経歴や職務経験から得られる付加的なスキルや専門知識を重視するようになるため、年齢が高い場合には、これまでの経験を活かせる職場を選ぶことが重要です。
例えば、特定の業界での経験が豊富な場合、その業界に特化した監査法人を選ぶことで、経験を高く評価される可能性があります。
監査法人に落ちないための対策
監査法人への就職活動に成功するための対策例を以下に4つご紹介します。
情報取集
論文試験直後は疲れているものですが、その時期に貴重な情報収集の機会となる監査法人のイベントが多く催されています。
合否を待たず積極的に参加することで、その後のスムーズな就職活動へとつながっていきます。
監査法人の規模にこだわらない
大手だけでなく中小監査法人も選択肢に入れるようにします。
中小なら監査だけでなく幅広い業務経験が若手のうちからできるケースも多く、早期のインチャージ経験が可能な点や、昇進スピードが大手よりも早い傾向がある点など、中小監査法人ならではのメリットもあります。
英語力・PCスキルなどの付加価値をつけておく
英語力は就職活動で有利に働きます。
TOEIC700点以上であれば、高く評価されやすい傾向があります。
PCスキルも評価ポイントとなるため、MOSなどの関連資格を取得しておくのがおすすめです。
面接対策を徹底する
公認会計士試験合格者の多くが面接未経験者です。
面接は就職活動におけるとても重要なプロセスなので、面接対策をしっかり行うことで大きなアドバンテージを得られます。
監査法人の就職対策は「MS Agent」にご相談ください
監査法人への就職をご希望であれば、MS Agentのご利用がおすすめです。
MS Agentは会計士業界に精通しており、大手から中小まで様々な監査法人への就職サポートを多数積み重ねてきた実績をもっています。
専門のキャリアアドバイザーが最新の転職市場情報とともに、実践的なアドバイスをご提供しているほか、応募書類の添削や面接対策などの手厚いサポートを行っているため、効率的な就職活動を実現できます。
ひとりひとりのキャリアプランに合わせた求人のご紹介もいたしておりますので、ご興味のある方は是非この機会に利用登録してください。
ご利用は完全無料となっております。
まとめ
監査法人への就職は、その専門性と多様なキャリアパスが魅力です。
魅力ある就職先である以上、応募が集まりやすいことを踏まえ、就職活動時には入念な準備が必要となります。
入念に情報収集し、大手から中小までの監査法人を選択肢に入れ、英語力やPCスキルといった付加価値を習得するほか、面接対策を済ませておくなど、できる限りの準備に取り組むのがおすすめです。
学歴や年齢に捉われず、経験やスキルを重視する監査法人の就職市場では、自分の強みを活かし、目指すキャリアに向けて積極的に行動することが成功への道となります。
これらをすべてクリアするためにも、充実の転職サポートを受けられるMS Agentの利用をご検討されてみてはいかがでしょうか。


この記事を監修したキャリアアドバイザー

大学卒業後、幸せに働く人を増やしたいという想いから新卒でMS-Japanに入社。
上場企業を中心とした求人開拓から管理部門全般のマッチングを行い、2021年1月より専門性の高いJ事業部に異動。
主に会計事務所、監査法人、社労士事務所の担当を持ちながら士業領域での転職を検討している方のカウンセリングから案件紹介を両面で行う。
会計事務所・監査法人 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 税理士科目合格 ・ USCPA を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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会計士の転職・キャリアに関するFAQ
監査法人から事業会社への転職を考えています。MS-Japanには、自分のような転職者はどのくらい登録されていますか。
具体的な人数をお知らせする事は出来ませんが、より直接的に企業に関わりたい、会計の実務経験を積みたいと考えて転職を考える公認会計士の方が大多数です。 その過程で、より多くの企業に関わりたいという方は、アドバイザリーや会計事務所への転職を希望されます。当事者として企業に関わりたい方は事業会社を選択されます。 その意味では、転職を希望する公認会計士の方にとって、監査法人から事業会社への転職というのは、一度は検討する選択肢になるのではないでしょうか。
転職活動の軸が定まらない上、求人数が多く、幅が広いため、絞りきれません。どのような考えを持って転職活動をするべきでしょうか。
キャリアを考えるときには、経験だけではなく、中長期的にどのような人生を歩みたいかを想定する必要があります。 仕事で自己実現を図る方もいれば、仕事以外にも家族やコミュニティへの貢献、パラレルキャリアで自己実現を図る方もいます。ですので、ご自身にとって、何のために仕事をするのかを一度考えてみることをお勧めします。 もし、それが分からないようであれば、転職エージェントのキャリアアドバイザーに貴方の過去・現在・未来の話をじっくり聞いてもらい、頭の中を整理されることをお勧めします。くれぐれも、転職する事だけが目的にならないように気を付けてください。 今後の方針に悩まれた際は、転職エージェントに相談してみることも一つの手かと思います。
ワークライフバランスが取れる転職先は、どのようなものがありますか?
一般事業会社の経理職は、比較的ワークライフバランスを取りやすい為、転職する方が多いです。ただ、昨今では会計事務所、税理士法人、中小監査法人なども働きやすい環境を整備している法人が出てきていますので、選択肢は多様化しています。 また、一般事業会社の経理でも、経理部の人員が足りていなければ恒常的に残業が発生する可能性もございます。一方で、会計事務所、税理士法人、中小監査法人の中には、時短勤務など柔軟に対応している法人も出てきています。ご自身が目指したいキャリアプランに合わせて選択が可能かと思います。
監査法人に勤務している公認会計士です。これまで事業会社の経験は無いのですが、事業会社のCFOや管理部長といった経営管理の責任者にキャリアチェンジして、早く市場価値を高めたいと考えています。 具体的なキャリアパスと、転職した場合の年収水準を教えてください。
事業会社未経験の公認会計士の方が、CFOや管理部長のポジションに早く着くキャリアパスの王道は主に2つです。 一つは、IPO準備のプロジェクトリーダーとして入社し、IPO準備を通じて経営層の信頼を勝ち取り、経理部長、管理部長、CFOと短期間でステップアップする。 もう一つは、投資銀行などでファイナンスのスキルを身に着けて、その後、スタートアップ、IPO準備企業、上場後数年程度のベンチャーにファイナンススキルを活かしてキャリアチェンジすることをお勧めします。近年はCFOに対する期待が、IPO達成ではなく、上場後を見据えた財務戦略・事業戦略となってきているため、後者のパターンでCFOになっていく方が増えています。 年収レンジとしてはざっくりですが800~1500万円くらいでオファーが出るケースが一般的で、フェーズに応じてストックオプション付与もあります。
40歳の会計士です。監査法人以外のキャリアを積みたいのですが、企業や会計事務所でどれくらいのニーズがあるでしょうか。
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