30代公認会計士に求められる監査現場の経験を具体的に解説!IPO監査で広がるキャリア(後編)
この記事は後編です。前編の記事はこちらをご確認ください。
前編では、30代の公認会計士に求められる監査経験や、IPO監査で必要とされる知識・スキル、そしてチームリーダーとしての育成・レビュー経験の重要性について解説しました。
監査現場の中核を担う30代の会計士は、単なる実務担当者ではなく、チームを導き、クライアントと信頼関係を築く「現場の要」としての役割を求められています。
後編では、これまで培った監査経験を転職活動でどのように効果的にアピールすべきか、職務経歴書や面接での具体的な伝え方のポイントを詳しく解説します。
職務経歴書・面接でのアピール方法
転職活動を成功させるためには、これまでの監査経験を効果的にアピールすることが重要です。
職務経歴書では、単に監査法人での業務内容を羅列するのではなく、関与した監査先の規模や業種を守秘義務を守りつつ、可能な限り具体的に明記することで、自身の専門性を強調できます。
例えば、「売上高100億円規模のIT企業のIPO監査に主査として従事」といった具体的な記述は、採用担当者の目に留まりやすくなります。
面接では、職務経歴書に記載した経験をさらに深掘りして話すことが求められます。
特に重要なのは、クライアントと信頼関係を築いた具体的なエピソードです。
例えば、「監査で意見が対立した際に、丁寧な説明と提案を通じてクライアントの理解を得た経験」など、自身のコミュニケーション能力や問題解決能力を示すエピソードを準備しておくと良いでしょう。
これにより、単なるスキルだけでなく、人間性や仕事への向き合い方もアピールできます。
まとめ|監査経験はキャリアの礎になる
30代の公認会計士にとって、監査法人での経験は、その後のキャリアを築く上で非常に重要な礎となります。
監査業務を通じて得られる財務会計の専門知識、内部統制の構築・評価スキル、そしてチームマネジメント能力は、事業会社やコンサルティングファームなど、どのような分野に進むにしても汎用性の高い基礎スキルとなります。
特に、30代で積んだIPO監査やチームリーダーとしての経験は、将来のキャリアに直結する強力な武器です。
これらの実績を武器に、さらなるキャリアアップを目指すことができます。
監査法人での経験は、将来の選択肢を広げ、公認会計士としての価値を高めるための重要なステップと言えるでしょう。
この貴重な経験を活かし、あなたのキャリアを次のステージへと進めていきましょう。
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この記事を監修したキャリアアドバイザー

大学卒業後、カーディーラ・小売業を経験し、2008年からMS-Japanでリクルーティングアドバイザーとキャリアアドバイザーを兼務しております。
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会計士の転職・キャリアに関するFAQ
監査法人から事業会社への転職を考えています。MS-Japanには、自分のような転職者はどのくらい登録されていますか。
具体的な人数をお知らせする事は出来ませんが、より直接的に企業に関わりたい、会計の実務経験を積みたいと考えて転職を考える公認会計士の方が大多数です。 その過程で、より多くの企業に関わりたいという方は、アドバイザリーや会計事務所への転職を希望されます。当事者として企業に関わりたい方は事業会社を選択されます。 その意味では、転職を希望する公認会計士の方にとって、監査法人から事業会社への転職というのは、一度は検討する選択肢になるのではないでしょうか。
転職活動の軸が定まらない上、求人数が多く、幅が広いため、絞りきれません。どのような考えを持って転職活動をするべきでしょうか。
キャリアを考えるときには、経験だけではなく、中長期的にどのような人生を歩みたいかを想定する必要があります。 仕事で自己実現を図る方もいれば、仕事以外にも家族やコミュニティへの貢献、パラレルキャリアで自己実現を図る方もいます。ですので、ご自身にとって、何のために仕事をするのかを一度考えてみることをお勧めします。 もし、それが分からないようであれば、転職エージェントのキャリアアドバイザーに貴方の過去・現在・未来の話をじっくり聞いてもらい、頭の中を整理されることをお勧めします。くれぐれも、転職する事だけが目的にならないように気を付けてください。 今後の方針に悩まれた際は、転職エージェントに相談してみることも一つの手かと思います。
ワークライフバランスが取れる転職先は、どのようなものがありますか?
一般事業会社の経理職は、比較的ワークライフバランスを取りやすい為、転職する方が多いです。ただ、昨今では会計事務所、税理士法人、中小監査法人なども働きやすい環境を整備している法人が出てきていますので、選択肢は多様化しています。 また、一般事業会社の経理でも、経理部の人員が足りていなければ恒常的に残業が発生する可能性もございます。一方で、会計事務所、税理士法人、中小監査法人の中には、時短勤務など柔軟に対応している法人も出てきています。ご自身が目指したいキャリアプランに合わせて選択が可能かと思います。
監査法人に勤務している公認会計士です。これまで事業会社の経験は無いのですが、事業会社のCFOや管理部長といった経営管理の責任者にキャリアチェンジして、早く市場価値を高めたいと考えています。 具体的なキャリアパスと、転職した場合の年収水準を教えてください。
事業会社未経験の公認会計士の方が、CFOや管理部長のポジションに早く着くキャリアパスの王道は主に2つです。 一つは、IPO準備のプロジェクトリーダーとして入社し、IPO準備を通じて経営層の信頼を勝ち取り、経理部長、管理部長、CFOと短期間でステップアップする。 もう一つは、投資銀行などでファイナンスのスキルを身に着けて、その後、スタートアップ、IPO準備企業、上場後数年程度のベンチャーにファイナンススキルを活かしてキャリアチェンジすることをお勧めします。近年はCFOに対する期待が、IPO達成ではなく、上場後を見据えた財務戦略・事業戦略となってきているため、後者のパターンでCFOになっていく方が増えています。 年収レンジとしてはざっくりですが800~1500万円くらいでオファーが出るケースが一般的で、フェーズに応じてストックオプション付与もあります。
40歳の会計士です。監査法人以外のキャリアを積みたいのですが、企業や会計事務所でどれくらいのニーズがあるでしょうか。
企業であれば、会計監査のご経験をダイレクトに活かしやすい内部監査の求人でニーズが高いです。経理の募集もございますが、経理実務の経験が無いことがネックになるケースがあります。 会計事務所ですと、アドバイザリー経験の有無によって、ニーズが大きく異なります。また、現職で何らかの責任ある立場についており、転職後の顧客開拓に具体的に活かせるネットワークがある場合は、ニーズがあります。

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