2023年04月01日

公認会計士の将来性は?AIは影響を与えるか?

AI化で公認会計士の仕事がなくなる?と不安を感じている人もいることでしょう。
しかし、心配はいりません。AIに取って代わる業務とそうでない業務があるとはいえ、AIにより公認会計士の仕事がなくなってしまうことは「ない」といえ、公認会計士の将来性はこれからも明るいと考えられます。
この記事では、AIによって会計士の仕事がどう変わるのか今後の会計士の活躍の場はどこなのかを会計士を含む士業に特化した転職エージェント「MS Agent」の視点で解説します。

公認会計士の将来性は?AIで仕事がなくなる!?

公認会計士の将来性が危惧されるのは、発展を続ける人工知能(AI)に取って代わられ、仕事がなくなるといわれることからです。
実際にオックスフォード大学でAIなどの研究を行うマイケル・A・オズボーン准教授は、2013年9月に発表した論文「雇用の未来:コンピューター化により仕事は失われるのか」において、会計士や監査人の仕事は94%の確率でコンピューター化されると主張しています。

たしかに、公認会計士の仕事の一部は、これからコンピューター化されていくことがあるといえるでしょう。
しかし、どんなにAIが発展していったとしても、会計士や監査の仕事がなくなることはないといえます。その根拠として、監査は「証明」を与える仕事だからです。

企業は、財務情報の正しさを証明するために公認会計士に監査を依頼します。依頼された会計士は、自らの責任において財務情報の正しさについて、「適性」か「不適正」なのかを判断します。
AIが判断にあたっての選択肢を提示することはできるようになるでしょう。
しかし、提示された選択肢の中から「責任を持って1つを選ぶこと」はできません。責任を持つことができるのは人間だけだからです。

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AIの影響を受ける業務と受けない業務とは?

上述のようにAIがどれだけ発展しても、監査の仕事がなくなってしまうことはないといえます。しかし、公認会計士の仕事の中にも、AIの影響を受ける業務と受けない業務があります。どのような業務がAIの影響を受け、また受けないのかを見てみましょう。

AIの影響を受ける業務

公認会計士の業務のうちAIの影響を受けると考えられるのは、比較的単純な仕分けなどの作業です。たとえば、企業の監査を行う際には、公認会計士はまず企業が保有する会計に関する文書をすべて預かります。大企業の場合なら、この文書は膨大な量になります。
公認会計士は監査にあたって、この膨大な文書のすべてに目を通し、関連した内容ごとに仕分けしなければなりません。この仕分け作業は、将来的にAIの文字認識の精度が上がれば、AIによって置き換えられるかもしれません。

AIの影響を受けない業務

一方、AIの影響を受けない業務は、前述のとおり、企業の財務情報を公認会計士が責任を持って「正しい」と判断することです。それとともにAIは、膨大な財務情報の中から粉飾決算などの不正を見抜くことも、まだ難しいといわれています。
さらに、会計が複雑化する近年では、純粋な監査業務以外のコンサルティング業務の需要も高まっています。このような業務について、AIでも選択肢を示すことはできるようになるかもしれません。
しかし、企業がその選択肢の中から自社に最適な答えを選び取るためには、公認会計士のきめ細やかな対応が必要となってくるでしょう。

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監査法人での需要は高まっている

これまで見てきたとおり、公認会計士の仕事がなくなるリスクはほとんどなく、むしろ近年では公認会計士の監査法人での需要は高まっているのが現状です。
2007年~2008年にかけては、公認会計士試験の合格者数を金融庁が大幅に増やしたため、合格者が就職難になったことがありましたが、東芝の不正会計をきっかけに監査業務が厳格化されてきています。
その影響から、公認会計士の作業工数が増大して人手不足の状況となっており、少なくとも公認会計士が再び「就職難」になるなどということは、しばらくは起きないと見込めるでしょう。

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公認会計士の活躍の場の広がり

公認会計士のキャリアとして、監査法人以外にも選択肢が広がってきています。

事業会社

近年では、事業会社で社員として勤務する「組織内会計士」が増えています。その理由は会社のステージによっても異なりますが、国際会計基準導入などにより会計が複雑化していることや、海外子会社のガバナンス・コンプライアンス体制強化、また資金調達方法の多様化により財務計画の重要度が増しているためです。

コンサルティング

会計・経営コンサルティングも、公認会計士のキャリアとして人気が高まっています。
純粋な会計監査業務だけでなく、組織再編・M&Aや企業再生、フォレンジック、DX推進など、より実務ベースで経営課題解決に携わることが出来るコンサルティングファームはキャリアの幅を拡げることが出来、魅力的と言えるでしょう。

ベンチャーCFOなど

ベンチャー企業のCFO、管理部長なども、公認会計士の活躍の場として注目度が高まっています。実際にIPO準備を進めるベンチャー企業では、上場企業の会計監査を行っている公認会計士のキャリアには親和性があり、採用ニーズも高まっています。
また大手企業とは異なり、一から会社組織創りに携わることや、経理業務だけでなく、内部統制構築や開示資料作成など幅広い業務に携わることが出来る環境が多いため、若くして管理職、役員を目指すことも出来るでしょう。

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まとめ

会計士の仕事は単に監査業務を行うだけではなく、「財務情報の正しさを、責任を持って判断する」ものである以上、AIに会計士の仕事が置き換えられることはないと言えます。
しかし、会計士市場は現在もなお変化しており、単に監査業務をこなしているだけだと年々市場価値は下がってしまうかもしれません。
将来も需要のある会計士であり続けるためには、AIを使った新しいスキルの習得やキャリアの再構築を行う必要があります。

会計士としての将来性に不安を感じている、今後のキャリアに少しでも迷いがあると感じている方は、まずはキャリア相談をしてみましょう。
MS Agentでは、会計士に精通した転職エージェントによる無料のキャリア相談会を実施しています。詳しくは下のボタンからお申込みください。

【参考URL】
スタディサプリ『公認会計士の20年後、30年後はどうなる?』
みそら税理士法人『税理士と公認会計士、将来性があるのは?なくなるって本当?』
マイナビ会計士『公認会計士の将来性・需要は?転職を成功させるポイント』
Carl Benedikt Frey and Michael A. Osborne『THE FUTURE OF EMPLOYMENT: HOW SUSCEPTIBLE ARE JOBS TO COMPUTERISATION?』
日本公認会計士協会『公認会計士監査とは』

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

森澤 初美

カナダ州立大学卒業後、新卒でMS-Japanへ入社。求人企業側の営業職を経験した後、2014年にキャリアアドバイザーへ異動。
2016年からは横浜支社にて神奈川県内の士業、管理部門全職種を担当し、現在は関東全域の士業、管理部門全職種を担当。

経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 外資・グローバル企業 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 役員・その他 ・ IPO ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ USCPA ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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会計士の転職・キャリアに関するFAQ

監査法人から事業会社への転職を考えています。MS-Japanには、自分のような転職者はどのくらい登録されていますか。

具体的な人数をお知らせする事は出来ませんが、より直接的に企業に関わりたい、会計の実務経験を積みたいと考えて転職を考える公認会計士の方が大多数です。 その過程で、より多くの企業に関わりたいという方は、アドバイザリーや会計事務所への転職を希望されます。当事者として企業に関わりたい方は事業会社を選択されます。 その意味では、転職を希望する公認会計士の方にとって、監査法人から事業会社への転職というのは、一度は検討する選択肢になるのではないでしょうか。

転職活動の軸が定まらない上、求人数が多く、幅が広いため、絞りきれません。どのような考えを持って転職活動をするべきでしょうか。

キャリアを考えるときには、経験だけではなく、中長期的にどのような人生を歩みたいかを想定する必要があります。 仕事で自己実現を図る方もいれば、仕事以外にも家族やコミュニティへの貢献、パラレルキャリアで自己実現を図る方もいます。ですので、ご自身にとって、何のために仕事をするのかを一度考えてみることをお勧めします。 もし、それが分からないようであれば、転職エージェントのキャリアアドバイザーに貴方の過去・現在・未来の話をじっくり聞いてもらい、頭の中を整理されることをお勧めします。くれぐれも、転職する事だけが目的にならないように気を付けてください。 今後の方針に悩まれた際は、転職エージェントに相談してみることも一つの手かと思います。

ワークライフバランスが取れる転職先は、どのようなものがありますか?

一般事業会社の経理職は、比較的ワークライフバランスを取りやすい為、転職する方が多いです。ただ、昨今では会計事務所、税理士法人、中小監査法人なども働きやすい環境を整備している法人が出てきていますので、選択肢は多様化しています。 また、一般事業会社の経理でも、経理部の人員が足りていなければ恒常的に残業が発生する可能性もございます。一方で、会計事務所、税理士法人、中小監査法人の中には、時短勤務など柔軟に対応している法人も出てきています。ご自身が目指したいキャリアプランに合わせて選択が可能かと思います。

監査法人に勤務している公認会計士です。これまで事業会社の経験は無いのですが、事業会社のCFOや管理部長といった経営管理の責任者にキャリアチェンジして、早く市場価値を高めたいと考えています。 具体的なキャリアパスと、転職した場合の年収水準を教えてください。

事業会社未経験の公認会計士の方が、CFOや管理部長のポジションに早く着くキャリアパスの王道は主に2つです。 一つは、IPO準備のプロジェクトリーダーとして入社し、IPO準備を通じて経営層の信頼を勝ち取り、経理部長、管理部長、CFOと短期間でステップアップする。 もう一つは、投資銀行などでファイナンスのスキルを身に着けて、その後、スタートアップ、IPO準備企業、上場後数年程度のベンチャーにファイナンススキルを活かしてキャリアチェンジすることをお勧めします。近年はCFOに対する期待が、IPO達成ではなく、上場後を見据えた財務戦略・事業戦略となってきているため、後者のパターンでCFOになっていく方が増えています。 年収レンジとしてはざっくりですが800~1500万円くらいでオファーが出るケースが一般的で、フェーズに応じてストックオプション付与もあります。

40歳の会計士です。監査法人以外のキャリアを積みたいのですが、企業や会計事務所でどれくらいのニーズがあるでしょうか。

企業であれば、会計監査のご経験をダイレクトに活かしやすい内部監査の求人でニーズが高いです。経理の募集もございますが、経理実務の経験が無いことがネックになるケースがあります。 会計事務所ですと、アドバイザリー経験の有無によって、ニーズが大きく異なります。また、現職で何らかの責任ある立場についており、転職後の顧客開拓に具体的に活かせるネットワークがある場合は、ニーズがあります。

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