2024年07月29日

Big4系FASの年収は高い?Big4系FASに転職するには

FAS業界にはBig4系と独立系がありますが、Big4系FASへの転職を選択する場合、年収の相場が気になる人は少なくないでしょう。
Big4系ともなるとそれなりの年収を期待しがちですが、実際にBig4系FASは年収が高い傾向なのでしょうか。

この記事では、Big4系FASの年収相場やポジションごとの年収を取り上げ、業界未経験から転職するポイントについても解説します。

Big4系FASとは?

まずは、Big4系FASの概要と業務内容について説明します。

Big4系FASの概要

Big4系FASとは、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーPwCアドバイザリーKPMG FASEYストラテジー・アンド・コンサルティングの4企業を指します。
それぞれグローバルなネットワークと幅広いノウハウを有する世界4大監査法人(Big4)のグループに属していることから、Big4系FASと呼ばれています。

クライアントは主に大手企業や上場企業を対象としており、国内外を問わず、億単位の大型案件を取り扱っていることが特徴です。
Big4系FASの強みは、専門知識と豊富な経験を持つチームが、クライアントの課題やニーズに応じてカスタマイズされたソリューションを提供できることです。
国境を越えた取引や事業展開でのリスクを最小限に抑える支援も行っているため、多様な産業や業界から大きな信頼を得ています。

業務内容

Big4系FASでは、クライアントの成長戦略や企業価値の最大化を支援するために、幅広いアドバイザリーサービスが展開されています。
主な業務は、企業のM&Aに関するアドバイザリーやコンサルティング、企業・事業再生、フォレンジックです。

具体的には、M&A戦略の立案やデューデリジェンス(M&Aトランザクションサービス)、バリュエーション(企業価値評価)、PMI(経営統合プロセス)、企業・事業再生などのサービスを提供しています。近年のビジネスニーズに伴い、不正調査・フォレンジックサービスなども急増傾向です。
特に、M&A戦略の策定からPMIまでM&Aの全プロセスをワンストップで提供できることが、Big4系FASならではのメリットです。
業務によっては、ビジネスレベル以上の英語力を求められることがあり、クロスボーダー案件の取り扱いも多くなっています。

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Big4系FASの年収相場

ブランド力と事業規模の大きいBig4系FASは、FAS業界の中でも年収の水準が高く、各社の全体的な平均年収は約1,000万円です。
ポジションによって差はあるものの、アソシエイトでも平均年収は約700~900万円と高額です。

一方、Big4系FASと同系列のBig4に所属する監査法人の給与は、アソシエイト(ジュニアスタッフ)の場合は600~700万円台が一般的ですので、FASよりも全体的に低い傾向です。

この比較から分かるように、Big4系FASの年収相場は、同系列に所属する監査法人よりも高い傾向にあります。
アドバイザリーサービスの分野でキャリアを積むことは、高い報酬を得る上で有利な選択肢の一つと言えるでしょう。

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Big4系FASのポジションごとの年収目安

Big4系FASの年収水準が高いとはいえ、気になるのはポジションごとの年収です。
以下に、年収相場をポジション別に整理しました。

ポジションはアソシエイトから始まり、シニアアソシエイト、マネージャー、ディレクター、そしてパートナーと昇進していくにつれて年収も増加していきます。

ポジション 年収相場
アソシエイト 700〜900万円
シニアアソシエイト 900〜1,400万円
マネージャー 1,300〜1,800万円
ディレクター 1,600〜2,200万円
パートナー 2,500万円以上~

FAS業界は実力主義の側面が強く、昇進やキャリアアップによって年収が増える傾向にあります。
また、成果に基づく給与体系に加えて、ポジションが上がるほど賞与の幅も広がります。

Big4系FASでは、個人の実力やポジションに応じて給与が決定します。
各社の給与制度は年俸制や月給制などで異なりますが、基本的には成果を重視し、評価に応じて年収がアップしていきます。
評価制度では、ポジション別に満たすべき要件が設けられており、スキルや知識、作業力、プレゼンテーション能力、指導力などさまざまな項目が評価されます。
賞与に関しても、個々の実績に見合ったものを支給されるため、上のポジションを目指すモチベーションにつながります。

実力主義の給与体系と評価制度によって、Big4系FASでは自己の能力を発揮し、成果を上げた人材が高い報酬を得ることが可能です。
日本の平均年収が約400万円ということもあり、その2倍以上の年収を手にするチャンスが見込めるでしょう。

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なぜBig4系FASの年収は高い?

なぜBig4系FASの年収は高い?

ここでは、Big4系FASの年収が高い理由に着目してみます。

Big4という大規模ファームに属しているから

Big4系FASの年収が高い理由の一つに、大規模なファームに所属している点が挙げられます。
前述のとおり、Big4とは世界的に知名度の高い監査法人の4大グループを指し、その中にはFAS部門も含まれます。
これらのファームは、広範なネットワークを通じて、さまざまなクライアントや案件にコミットできるという利点があります。

そのため、クライアントの規模や案件のスケールが大きく、それに伴う報酬も高額となります。
また、大規模ファームであることから、給与やキャリアパスに関する制度が整備されている点も、高年収につながる一因です。

案件の報酬が高単価だから

もう一つの理由は、取り扱う案件の報酬が高単価であることです。
FAS部門は、主にM&Aや財務アドバイザリーなどの高付加価値なサービスを提供しています。
FASのスタッフやチームは、どのような案件に対しても、クライアントの利益につながる取り組みに注力しなければなりません。

多くの企業にとって重要なプロジェクトを担うため、FASの専門知識やサービスに対する需要が高く、それに見合った高額な報酬が支払われる傾向があります。
クライアントの規模や案件の複雑さに応じて報酬額が変動することもありますが、一般的には他の業界よりも高水準です。

高い専門性があるから

Big4系FASの組織力に加えて、スタッフ一人ひとりの専門スキルが高いことも年収の高さに起因しています。
FASは、会計や財務分析などの専門知識が要求される領域であり、その分野で高いスキルや経験を持つ人材が必要です。

そのため、多くのFASでは公認会計士や税理士などの国家資格を持つ優秀な人材が集まっています。
優れたスキルや経験が裏付ける専門性は、高い報酬をもたらす価値があります。組織内でも、専門的なトレーニングやキャリア開発プログラムが提供され、人材の成長と専門性の向上に積極的です。

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Big4系FASに転職するには?

最後に、Big4系FASへ転職するために必要な知識やスキル、評価されやすい経験・資格を確認しておきましょう。
以下に、業界未経験からの転職と、監査法人からの転職に分けて解説します。

未経験からの転職

FASに関連する業務知識と経験

FAS業界へ未経験から転職する場合は、関連する業務の知識や経験が役立ちます。

まず、会計や財務に関する基礎知識が必要です。
これには会計学、財務諸表の理解、財務分析の基礎などが含まれます。同時に、M&Aや企業再生などFAS業務に関する理解も重要です。
FAS業界が未経験でも、一般企業で経理や財務部門の実務経験があれば、FASで活かすことが可能です。
ただし、FASではコンサルティング経験を重視する傾向にあり、経営者の意向を理解し、的確なアドバイスを行う能力が求められます。

会計に関する資格

一方、会計に関する資格も転職に有利です。
公認会計士USCPA(米国公認会計士)税理士日商簿記1級などの資格は、会計関連の知識と能力を証明するものとして評価の対象になります。
これらの資格を保有していると、FAS業界未経験というハードルが低くなるでしょう。

監査法人からの転職

FASに適応するスキル

監査法人からBig4系FASに転職する際は、監査法人で培った知識と経験を活かしつつ、FASに適応するスキルが求められます。
監査業務では財務諸表の評価が主な業務ですが、FAS業務ではさらに複雑な問題に対処する必要があります。
そのため、会計基準や税法などの専門知識、業界の動向についての理解が重要です。

会計に関する資格

監査法人に勤めていた公認会計士税理士は、前述のとおりFAS業界で高く評価される資格保有者とみなされます。
公認会計士であれば専門的な財務会計スキルがアピールポイントとなり、企業再生においては税理士としての経験が有用です。
USCPA資格もグローバルな会計基準と英語力を証明するものであり、クロスボーダー取引の多いBig4系FASでの活躍に適しています。

コンサルティングやM&Aに関するスキル

コンサルティングやM&Aに関するスキルも評価の対象です。
FAS業界では財務デューデリジェンスや解決策の提案が主な業務となるため、コンサルティングスキルが転職の成功率を高めます。
監査法人でM&Aにかかわった経験があると評価されやすいでしょう。

一般的なビジネススキル

経験・未経験にかかわらず、一般的なビジネススキルは必要です。
特に、コミュニケーション能力やプレゼンテーションスキルは、FASの業務において欠かせません。
加えて、プロジェクト管理能力や問題解決能力のほか、ビジネスレベル以上の英語力を身につけていれば、Big4系FASへの転職に有利でしょう。

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まとめ

Big4系FASは、個々の実力やポジションに応じて給与がアップし、年収相場の水準は高い傾向です。
業界未経験でも、関連する業務経験や会計系の資格など、評価されるバックグラウンドがあれば転職の可能性が開けます。

ただし、責任とプレッシャーも大きく、自身の能力を発揮し成果を上げることが必要です。
Big4系FASへの転職にあたっては、自らの取り組み方次第で高年収のチャンスが広がることを念頭に臨みましょう。

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公認会計士が外資系企業に転職するメリットは何ですか?

公認会計士が外資系企業に転職するメリットは、「自分のペースで仕事ができる」「日系企業に比べて年収が高い」の2つです。 外資系企業は良くも悪くも実力主義のため、成果を出すことができていればプライベートの時間も確保しながら仕事をすることができます。 また、日系企業に比べて年収が高い傾向がありますが、福利厚生は日系企業の方が充実しているため、年収と福利厚生のどちらを重視するかを検討する必要があります。

公認会計士は外資系企業でワークライフバランスを重視した働き方が出来ますか?

外資系企業は日系企業に比べて実力主義な傾向が強いため、自分で労働時間を管理することができます。 また、今では日系企業でもリモートワークを採用している企業が多いですが、外資系企業は日系企業よりもリモートワークが普及しているため、働き方という意味でも外資系企業ではワークライフバランスよく働くことが可能です。

公認会計士は外資系企業でどのような部門に配属されることが多いですか?

公認会計士が外資系企業に転職する場合、「アカウンティング部門」もしくは「ファイナンス部門」のいずれかが有力な選択肢となります。 アカウンティング部門は、日系企業でいう経理部に当たり、ファイナンス部門は日系企業でいうと予算管理部門と経営企画部門のちょうど間ぐらいの立ち位置になります。

公認会計士が外資系企業で働くにはどのようなスキルが求められますか?

公認会計士が外資系企業で働くには、本国の経営陣や従業員とビジネス的な会話ができるレベルの語学力が必要です。 また、本国の所在地にもよりますが、US-GAAP、IFRS/IASといった海外の会計基準と日本の会計基準の違いをしっかりと理解しておく必要があります。 日本の公認会計士だけでなく、USCPAなどを取得しておくと外資系企業への転職には有利になります。

公認会計士が外資系企業に就職・転職するハードルは高いですか?

公認会計士が外資系企業に就職・転職するハードルは決して低くはありませんが、IFRS(国際財務報告基準)に関する知識と経験がある方には転職のチャンスがあります。 また、一定の英語スキルも必要にはなりますが、入社時に極端に高い語学力が求められるわけではありません。 尚、管理職を目指す場合は本国や他国の拠点とやり取りをするためにも、英語力は必須となります。

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