2024年03月04日

Big4監査法人それぞれの特徴を比較!年収は?転職するならどこ?

「Big4監査法人」と言えば公認会計士なら誰もが知る大手監査法人です。
グローバルに展開する会計事務所と業務提携しているため、外資系企業の一面を持っています。

中小規模の監査法人に比べて年収面などの条件が良いと言われていますが、その反面激務であるといった情報も散見されます。

本記事では、Big4監査法人の業務内容法人ごとの特徴をまとめています。転職先にBig4監査法人を検討している方にとって、自分に合う転職先を見つけるヒントになれば幸いです。

\すぐに転職をお考えでない方も歓迎!/

公認会計士のための個別相談会
▶詳細はこちら

Big4監査法人とは

公認会計士・監査審査会の情報によると、概ね100社以上の上場企業を監査し、常勤監査実施者が1,000人以上の監査法人を「大手監査法人」と定義しています。
そしてこれに該当する4つの法人は「Big4監査法人」と呼ばれています。

【Big4監査法人】
・有限責任監査法人トーマツ
・EY新日本有限責任監査法人
・有限責任あずさ監査法人
・PwC Japan監査法人

「Big4監査法人」は、税理士法人やコンサルティングファームなどを抱える海外の大手会計事務所グループと提携しています。

Big4監査法人、準大手・中小監査法人であっても、業務の中心は会計監査という点に変わりはありませんが、抱えているクライアント企業の規模が異なります。
Big4監査法人は金融機関、メーカー、商社など日本を代表する超大手企業の割合が多く、準大手・中小の監査法人では、大小様々な企業規模のクライアントを抱えています。

Big4監査法人は、コンサルティング部門、アドバイザー部門、企業再生・M&A、IPO支援、国際会計基準対応など多岐に渡りプロフェッショナルなサービスを提供しています。


まずは転職エージェントに無料相談する

Big4監査法人の得意分野

以下では、Big4監査法人の得意分野や主なクライアントについてご説明します。

有限責任監査法人トーマツ

・アメリカのデロイトトウシュトーマツと業務提携している
・日本企業とグローバル企業としての両面を持ち、会計監査業務、株式公開支援、コンサルティングなど対応する業務の幅が広い
・他の3法人と比べて労働組合に関する監査の割合が高い

<得意分野>
監査・保証業務、アドバイザリー(リスクアドバイザリー、ファイナンシャルアドバイザリー)、コンサルティング、税務、法務、IPO(株式上場支援)、ERS(エンタープライズリスクサービス)、FAS(ファイナンシャルアドバイザリーサービス)、国際投資・国際税務コンサルティングなど

<主なクライアント>
・大手情報通信
・大手銀行グループ
・大手総合商社など

EY新日本有限責任監査法人

・イギリスのアーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッド(EY)のメンバーファーム
・金融商品取引法監査と会社法監査を同時に提供しており、監査業務が得意
・経営に関するアドバイザリー業務が得意で、金融商品取引法や会社法に関する監査が半数以上を占める
・他の3法人と比べて学校法人のクライアントの割合が高い

<得意分野>
会計監査、内部統制、IFRS(国際財務報告基準)、CSR、ストラテジー・アンド・トランザクション(経済戦略)、IPO(株式上場)、M&A・組織再編、IT、グローバルサービス、コンサルティング、アシュアランスなど

<主なクライアント>
・大手メーカー
・大手銀行グループ
・大手電力グループ
・大手不動産・建築グループなど

有限責任あずさ監査法人

・オランダのKPMGのメンバーファーム
・他3法人と比べてクライアントの売上規模が大きい
・伝統を重んじる保守的な社風と、外資系企業の色を併せ持っている

<得意分野>
法定監査、任意監査、アドバイザリー(IFRS、アカウンティングアドバイザリー、金融機関向けアドバイザリー)、M&A、企業組織再編、連結納税、インターナショナルエグゼクティブサービスなど

<主なクライアント>
・大手銀行グループ
・大手旅客鉄道など

PwC Japan有限責任監査法人

・PwC(PricewaterhouseCoopers/プライスウォーターハウスクーパース)のメンバーファーム
・外資系企業のイメージが強く、クライアントも外資系企業の割合が高い
・最先端テクノロジーを監査業務に導入している

<得意分野>
財務諸表監査、財務報告アドバイス、IFRS、アシュアランス、コンサルティング、M&A・事業再生、フォレンジック、IPO支援、ベンチャー支援、グローバル化支援、ガバナンス・リスク管理コンプライアンス、データ分析、戦略リスクレジリエンス、内部監査、統合報告

<主なクライアント>
・大手自動車メーカー
・大手電気機器メーカーなど


まずは転職エージェントに無料相談する

ポジション・勤務年数による年収の推移

勤続年数やスキルに応じて与えられるポジションについてご説明します。

ポジション名 平均年収 勤続年数目安
スタッフ 300~500万円台 3,4年
シニア 600~700万円台 5年~
マネージャー 800~1,000万円台 8年~
パートナー 1,500万円 15年~

Big4監査法人では、入社後は「スタッフ」、4年前後の実務経験を経て現場責任者である「シニア」、8年前後の実務経験でチームを管理する「マネージャー」、15年前後の実務経験で法人運営に参画できる「パートナー」など、ポジションに応じても年収が変化します。

パートナーの中でも、アソシエイトパートナー役職付きパートナーなど、より重要なポジションに付くことができれば、年収2,000〜3,000万円台を目指すことも可能であり、中には年収が1億円を超えるパートナーもいます。


まずは転職エージェントに無料相談する

Big4監査法人のワークライフバランスとキャリアアップは?

Big4監査法人に転職した場合のワークライフバランスやキャリアアップについてご説明します。

大手、準大手、中小の監査法人でも、会計監査業務の繁忙期である決算期などは、残業時間が大幅に増えるため、プライベートの時間は確保できない傾向が強いといえるでしょう。
特に、Big4監査法人は抱えているクライアントの数も企業規模も大きいため、ポジションや役職が上がるにつれ業務量が大幅に増加し、ワークライフバランスを保つのが難しくなります。

ワークライフバランスを保つのが難しい一方で、キャリアアップはしやすいといえるでしょう。
Big4監査法人では、大手商社、大手メーカー、大手金融機関など日本を代表する超大手企業をクライアントとして抱えているため、会計監査、財務情報の判断・証明だけでなく経営企画、M&A・事業再生、IPO支援、国際会計基準対応など、多岐に渡るサービスを展開しています。

さらに、公認会計士が数千人規模で在籍し、海外会計事務所のメンバーファームとして経営アドバイザリーやコンサルティングに注力していることから、監査業務以外にも様々なキャリアを積むことができます。


まずは転職エージェントに無料相談する

Big4監査法人の企業規模

Big4監査法人の 企業規模

Big4監査法人の企業規模は下記の通りです。

法人名 人員総数(公認会計士数) クライアント数 売上高(百万円単位)
有限責任監査法人トーマツ 6,848(2,660) 6,429 108,718
EY新日本有限責任監査法人 5,492(2,519) 6,284 99,296
有限責任あずさ監査法人 6,218(3,216) 6,757 100,493
PwC Japan監査法人 3,251(897) 2,417 48,735


まずは転職エージェントに無料相談する

監査法人の求人例

Big4監査法人の金融事業部で公認会計士もしくは公認会計士試験合格者の募集!

仕事内容
<第1事業部>
・パブリックセクターに対する監査及びアドバイザリー業務
・上場会社等に対する監査業務

<第2事業部>
・IPO準備会社に対する監査及びアドバイザリー業務
・上場企業等に対する監査業務

<第3事業部~第6事業部>
・日系グローバル企業監査
・外資系企業監査
必要な経験・能力
①公認会計士もしくは会計士試験合格者
②以下いずれかの要件を満たす者
・監査経験3年以上
・財務OR経理経験3年以上
・金融機関勤務経験3年以上
・海外駐在、留学経験1年以上
想定年収
603万円 ~ 808万円

Big4監査法人アドバイザリー事業部にてサステナビリティに関わるポジション

仕事内容
・ESG開示アドバイザリー
・ESG要素を組み入れた経営管理、企業価値向上支援
・ESG格付け対応支援
・サスティナビリティアクション推進支援
必要な経験・能力
以下のいずれかのご経験をお持ちの方
・サステナビリティ領域でのコンサルティング業務の経験
・財務戦略立案に関する業務経験
・経理/財務/経営企画等の業務経験
・経営戦略策定、経営分析の経験
・ファイナンス理論への理解
・事業会社、業界団体でのサステナビリティ、ESG、CSRまたはIR等の業務経験
想定年収
450万円~1,250万円


まずは転職エージェントに無料相談する

その他の監査法人の求人をご確認したい方はこちら

監査法人の求人情報

監査法人の求人情報

大手監査法人から中堅・中小監査法人まで求人ご用意あります。
より多くの監査法人求人をご確認いただきた場合は、会員登録していただければ確認できます。



Big4監査法人に転職するならどこがいい?自分にあった転職先を見つけるには

今回はBig4監査法人について解説してきました。

高年収が狙えるBig4監査法人は魅力的ですが、中小監査法人と比較すると圧倒的にクライアント数が多く業務量も多いため、ワークライフバランスを保つことが難しくなります。
一方で、大手監査法人で一定の経験を積むことができれば、その後の転職では選択肢が広がるでしょう。

Big4監査法人は公認会計士の在籍数が多く提供するサービスの幅も広いため、コンサルタントやアドバイザーとして活躍するチャンスもあります。
事業規模や幅が大きな分、自分がどのような業界や業務に携わりたいのか、あらかじめ決めておくことが大事です。

それぞれの監査法人における面接の特徴・ポイントなどの情報を知りたい方や、一人で転職活動を行うことに不安がある人は専門の転職エージェントを活用することをおすすめします。

「MS Agent」は公認会計士をはじめとした士業に特化した転職エージェントとして、30年以上の転職支援実績があります。
専門のキャリアアドバイザーが、キャリア相談はもちろん、あなたの希望に沿った求人のご紹介や職務経歴書の添削、面接対策など丁寧にサポートしますので、是非お気軽にご相談ください。

会計士TOPに戻る

この記事を監修したキャリアアドバイザー

佐藤 颯馬

大学卒業後、新卒でMS-Japanに入社。
法律事務所・会計事務所・監査法人・FAS系コンサルティングファーム等の士業領域において事務所側担当として採用支援に従事。その後、事務所側担当兼キャリアアドバイザーとして一気通貫で担当。

会計事務所・監査法人 ・ 法律・特許事務所 ・ コンサルティング ・ 金融 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 税理士科目合格 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

あなたへのおすすめ求人

Manegyニュースランキング

マネジーでポイントを貯めて、
豪華商品に交換しよう!

詳しくはこちら

powered by Manegy

MS-Japanの転職サービスとは

MS-Japanは、公認会計士やUSCPAなどの有資格者や企業の管理部門に特化した転職エージェントです。
大手上場企業や監査法人、会計事務所(税理士法人)など、公認会計士の幅広いキャリアフィールドをカバーする求人をもとに、公認会計士専門のキャリアアドバイザーがあなたの転職をサポートします。
キャリアカウンセリングや応募書類の添削・作成サポート、面接対策など各種サービスを無料で受けることができるため、転職に不安がある公認会計士の方でも、スムーズに転職活動を進めることができます。

サービス紹介を見る

MS-Japanを利用した会計士の
転職成功事例

転職成功事例一覧を見る

会計士の転職・キャリアに関するFAQ

監査法人から事業会社への転職を考えています。MS-Japanには、自分のような転職者はどのくらい登録されていますか。

具体的な人数をお知らせする事は出来ませんが、より直接的に企業に関わりたい、会計の実務経験を積みたいと考えて転職を考える公認会計士の方が大多数です。 その過程で、より多くの企業に関わりたいという方は、アドバイザリーや会計事務所への転職を希望されます。当事者として企業に関わりたい方は事業会社を選択されます。 その意味では、転職を希望する公認会計士の方にとって、監査法人から事業会社への転職というのは、一度は検討する選択肢になるのではないでしょうか。

転職活動の軸が定まらない上、求人数が多く、幅が広いため、絞りきれません。どのような考えを持って転職活動をするべきでしょうか。

キャリアを考えるときには、経験だけではなく、中長期的にどのような人生を歩みたいかを想定する必要があります。 仕事で自己実現を図る方もいれば、仕事以外にも家族やコミュニティへの貢献、パラレルキャリアで自己実現を図る方もいます。ですので、ご自身にとって、何のために仕事をするのかを一度考えてみることをお勧めします。 もし、それが分からないようであれば、転職エージェントのキャリアアドバイザーに貴方の過去・現在・未来の話をじっくり聞いてもらい、頭の中を整理されることをお勧めします。くれぐれも、転職する事だけが目的にならないように気を付けてください。 今後の方針に悩まれた際は、転職エージェントに相談してみることも一つの手かと思います。

ワークライフバランスが取れる転職先は、どのようなものがありますか?

一般事業会社の経理職は、比較的ワークライフバランスを取りやすい為、転職する方が多いです。ただ、昨今では会計事務所、税理士法人、中小監査法人なども働きやすい環境を整備している法人が出てきていますので、選択肢は多様化しています。 また、一般事業会社の経理でも、経理部の人員が足りていなければ恒常的に残業が発生する可能性もございます。一方で、会計事務所、税理士法人、中小監査法人の中には、時短勤務など柔軟に対応している法人も出てきています。ご自身が目指したいキャリアプランに合わせて選択が可能かと思います。

監査法人に勤務している公認会計士です。これまで事業会社の経験は無いのですが、事業会社のCFOや管理部長といった経営管理の責任者にキャリアチェンジして、早く市場価値を高めたいと考えています。 具体的なキャリアパスと、転職した場合の年収水準を教えてください。

事業会社未経験の公認会計士の方が、CFOや管理部長のポジションに早く着くキャリアパスの王道は主に2つです。 一つは、IPO準備のプロジェクトリーダーとして入社し、IPO準備を通じて経営層の信頼を勝ち取り、経理部長、管理部長、CFOと短期間でステップアップする。 もう一つは、投資銀行などでファイナンスのスキルを身に着けて、その後、スタートアップ、IPO準備企業、上場後数年程度のベンチャーにファイナンススキルを活かしてキャリアチェンジすることをお勧めします。近年はCFOに対する期待が、IPO達成ではなく、上場後を見据えた財務戦略・事業戦略となってきているため、後者のパターンでCFOになっていく方が増えています。 年収レンジとしてはざっくりですが800~1500万円くらいでオファーが出るケースが一般的で、フェーズに応じてストックオプション付与もあります。

40歳の会計士です。監査法人以外のキャリアを積みたいのですが、企業や会計事務所でどれくらいのニーズがあるでしょうか。

企業であれば、会計監査のご経験をダイレクトに活かしやすい内部監査の求人でニーズが高いです。経理の募集もございますが、経理実務の経験が無いことがネックになるケースがあります。 会計事務所ですと、アドバイザリー経験の有無によって、ニーズが大きく異なります。また、現職で何らかの責任ある立場についており、転職後の顧客開拓に具体的に活かせるネットワークがある場合は、ニーズがあります。

転職FAQ一覧を見る

転職やキャリアの悩みを相談できる!

簡単まずは会員登録