2024年10月25日

監査法人の志望動機【例文付】準備や面接対策、Big4の特徴など

これまでの経験を活かして監査法人への転職を考えているなかで、思うように志望動機を作成できないこともあるでしょう。志望動機は、自身が企業の求める人材とマッチしていることをアピールできる重要な文章です。

本記事では、公認会計士試験に合格し、監査法人への就職を目指す方に向けて、志望動機作成のコツを解説します。ぜひ参考にしてください。

監査法人の志望動機作成に向けた準備

面接担当者に好印象を与えるには、自分が他の応募者よりも魅力的な存在だとアピールしなければなりません。
志望動機をスムーズに完成させるために、何を準備すべきなのか、なぜその準備が必要なのかについて理解を深めておきましょう。

キャリアプランを明確にする

志望動機を作成する際は、キャリアプランを明確にすることが大切です。キャリアプランとは、自分が目標とする将来像を実現させるために、自分がいつまでに何をすべきか具体的な行動計画を立てることです。

キャリアプランを考える際には、まず、自分が監査法人へ就職したら将来こうなっていたいという目標地点を設定します。次に「将来像(キャリアビジョン)」「就職したら実現したいこと」「将来の目標に向けて今後身に付けたいこと」といった3つのステップに分けて考えていくとスムーズです。

数年先の近い将来、自分がどのような仕事に取り組みたいか、どのような存在になっていたいのか、できるだけ具体的に考えてみましょう。その後、自分のキャリアを振り返り、これまでのスキルや経験から現在できることを整理します。
経験で得た人脈や、どのような場面でやりがいを感じられるかなど、詳細な情報まで洗い出すことが大切です。

自分がこれまで大切にしてきた価値観なども踏まえ、将来の目標達成に向けて現在の自分に足りないものを整理したら、今後どのようにキャリアを積み重ねていきたいか考えます。キャリアプランの明確化は、志望動機に説得力を持たせる重要な要素です。

監査法人の情報を収集する

志望企業の情報が不足していると、説得力のある志望動機は作成できません。そのため、志望動機の作成に取りかかる前に、企業研究を行う必要があります。
情報収集を進めるうちに、その企業の経営理念や事業内容、社風などが見えてくるようになります。入念な情報収集によって、自分が志望企業に対してどのように貢献できるのか、具体的にイメージしやすくなるはずです。

志望企業に対する理解度を深めた状態で適切にアピールすれば、面接担当者に「入社意欲の高い人物」「やる気と熱意を持った人物」として映り、好印象を残せます。
企業研究を行うことにより、志望企業と応募者のミスマッチを防止できるほか、就職後にどのようなキャリアを積み重ねていける企業なのかを把握できるため、自己分析を深める意味でも有効です。新しい自分のアピールポイントを発見できる可能性も高まります。

求めるスキル・能力・経験を把握する

応募する監査法人が、応募者に対してどのようなスキル・能力・経験を求めているのかチェックすることも大切です。同じ監査法人の求人だったとしても、企業によって応募者に求めるスキルが異なるといったケースは珍しくありません。
万が一、企業が求めるスキルと自身が有するスキルが一致していなかった場合、採用は難しくなります。

監査法人は、金融系、それ以外の業種といったような専門分野に分かれているのが一般的です。対応するクライアントに関しても、多様な業種であったり専門性の高い業界であったりするなど、業務内容や必要な知識は企業によってさまざまです。
このように、監査法人の特徴によって求める人材像やスキルは異なります。

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Big4監査法人の特徴とは

公認会計士試験に合格した大多数の人が、まずはBig4監査法人を就職先の第一候補として考えます。
この章では、Big4監査法人それぞれの特徴を説明しますので、なぜその監査法人を希望するのかを説明できるように志望動機を考える際の参考にしてみてください。(※以下業績などは2023年度の情報です)

有限責任あずさ監査法人(KPMG)

あずさ監査法人は世界の四大会計事務所のひとつであるKPMGのメンバーファームです。
働き方改革を推進しており、決まった時間になるとパソコンが自動でシャットダウンされて深夜残業ができない仕組みになっているなど、ワークライフバランスが取りやすく、女性にとっても働きやすい社風です。
大手金融グループ・インフラ企業など売上が1兆円を超える大企業を多くクライアントに持っています。
監査業務と非監査業務の報酬ランキングではともにBig4監査法人のなかで3番手となっており、どちらの業務もバランスよく展開しています。

EY新日本有限責任監査法人

EY新日本有限責任監査法人は世界の四大会計事務所のひとつであるErnst & Youngのメンバーファームです。社内でキャリアを積み重ねていきたい安定志向の方にマッチしやすい社風が特徴的です。
メーカー、銀行、電力、不動産・建設、学校法人などの業種でクライアントを多く持っています。
「監査と言えばEY新日本有限責任監査法人」と言われているほど監査業務に強く、Big4監査法人のうち監査報酬は長年にわたり日本一となっています。

有限責任監査法人トーマツ(Deloitte)

有限責任監査法人トーマツは、世界最大の会計事務所、世界の四大会計事務所のひとつであるDeloitte Touche Tohmatsuのメンバーファームです。
監査業務、非監査業務報酬を含めた総売上で業界トップとなっており、IPOやコンサルティング業務などの非監査業務において強みを発揮しています。自らチャレンジを繰り返して積極的に成長を図りたいと考える方にマッチしやすい企業です。業界を代表する大手商社等をクライアントに持っています。

PwC Japan有限責任監査法人

世界の四大会計事務所のひとつであるPricewaterhouseCoopersのメンバーファームです。
実力を高く評価し、パフォーマンス次第で収入に大きな差が生まれやすい外資系企業に近い社風が特徴です。
海外のクライアントを多数持っていることから、英語力を活かせる場面も多く、非監査業務に強みを持っています。監査報酬では他の3社の約1/3となっていますが、非監査業務報酬ではBig4監査法人のなかで2番手に位置付けています。

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監査法人の志望動機で気を付けるべきポイント

志望動機の作成に取り組む際には、押さえておきたいいくつかのポイントがあります。
企業の採用担当が、どのような部分を注意深く見ているのかを理解して、好印象を与えられる志望動機を作成しましょう。

応募先法人を志望した理由を深掘りする

志望理由は重要なアピールポイントです。上述したように、監査法人の業務は企業の特徴によって異なるため、業務内容やクライアントに関する情報を可能な限り収集し、事業内容の違いをしっかりと把握することが大切です。
まず、応募する監査法人の売上高、得意な領域、主なクライアント企業、業務内容、社風といった情報から志望企業に対する理解を深めておきましょう。
次に、自己分析を実施して志望した理由を掘り下げます。企業研究や自己分析を丁寧に行えば、自身の価値観や仕事に向けた意欲、転職後のビジョンなどがはっきり見出せるようになり、意欲的な志望動機が作成できるはずです。

退職理由と志望動機をむすびつける

志望動機は、退職理由と関連させて考えるようにすると説得力が高まります。退職理由と関係のない志望動機を面接で伝えないように注意しましょう。
たとえば、退職理由を交えた志望動機には「転職前の職場では担当できる業務が限られていたため、転職後は幅広い業務に取り組みスキルアップを目指したい」などが考えられます。
このように、退職理由から志望動機まで矛盾をなくすことで、納得感のある志望動機を作成できます。

ただし、「前の職場は残業が多かったので、残業の少ない会社を志望している」というように、会社に対する不満を述べるのは望ましくありません。入社してからの仕事に対する意欲をアピールするためにも、志望動機にむすびつけられるポジティブな退職理由を伝えることが重要です。

応募先で活かせるスキル・能力・経験を洗い出す

自分のスキル・能力・経験は、重要なアピールポイントです。応募先の特徴や求められるスキルを把握したら、現在の自分が持つスキル・能力などで活かせるものがないかを洗い出してみましょう。
公認会計士やUSCPAなどの資格はもちろん、一般事業会社における会計業務の経験や、会計事務所・税理士法人での決算業務、税務申告などの業務経験が監査業務に活かせる場合、志望動機へ積極的に取り入れましょう。
監査法人によっては、マネジメントスキル語学力ITスキルなどが求められるケースもあるため、会計業務にとらわれずにさまざまなスキルを棚卸ししてから志望動機を作成します。

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【例文】監査法人の志望動機

【例文】 監査法人の 志望動機志望動機に何を書けばよいのか悩んでいるなら、ゼロから作成を始めるよりも例文を参考にして考えを整理するのも有効な手段です。
タイプごとに作成した例文をいくつか紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

大手監査法人

私は、監査法人の中でも多数のグローバル企業と取引を行っている貴社で、世界で活躍している日本企業を監査業務でサポートしたいと考え、志望いたしました。
将来的には、貴社の高品質なサポートを各企業に提供できる人材となり、海外市場へ進出する日本企業をバックアップする業務に携わりたいと考えています。
現職で培った英語力や米国会計基準の資格を活かして新しい知識を吸収しながら、貴社で適切な評価サービスを提供し、企業の健全化と成長に貢献したい所存です。

中小監査法人

さまざまな業界のクライアントを持ち、幅広い監査業務を経験できる貴社で働きたいという思いから志望いたしました。
早い段階で業務を覚え、成長が望める少数精鋭の環境に加え、グローバルな業務に対応できるスキルを磨くことが可能な最新のシステム環境に強い魅力を感じています。
将来的には、幅広いクライアントの経営を監査業務と最適なコンサルティングでサポートできるスキルを身に付け、信頼される業務活動を通して地域経済に貢献していきたいと考えております。

未経験からの応募

私は、5年間コンサルティング会社で企業の課題を解決するためのサポート業務を行ってきました。仕事にやりがいはあるものの、現職では限られた業務しか行えない環境のため、より幅広い業務に携わりたいとの気持ちから転職を考えました。
貴社の多様なクライアントの監査業務に関する実績や、M&Aに力を入れているところに魅力を感じ、志望いたしました。
現職のコンサルティング業務における経験を活かし、丁寧なサービスを提供することで、クライアントの健全な経営活動を支えられる人材になりたいと強く思っております。

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監査法人の面接対策

面接官に伝わりやすい話し方として、結論を先に話すことや、簡潔に回答することを意識しましょう。面接の場面では、短時間で伝えたい内容を的確に表現しなければなりません。そのため、もっとも伝えたい結論を最初に述べることが大切です。
また、長々と話を続けるよりも、2~3分を目安に話し終えるようにしましょう。

実際に受け答えの内容をまとめ、緊張して早口にならないために、時間を計って練習しておくと安心です。面接対策として、模擬面接による練習を重ねるのも非常に有効です。
監査法人特有の面接を把握している転職エージェントを活用すれば、実際の採用面接に近い練習を実施できます。

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まとめ

監査法人への転職活動時の志望動機を作成するには、まずキャリアプランを明確にして志望企業の情報を集める必要があります。また、志望動機を考える際には、志望理由とキャリアプランが大きくかけ離れないよう意識することも忘れてはなりません。

監査法人への転職活動を成功させるためには、専門的な知識を持つ転職エージェントのサポートが役に立ちます。
公認会計士の転職サポート実績が豊富な「MS Agent」では、応募書類の添削や実践的な面接対策、カウンセリングまで、転職時のさまざまなサポートを提供しています。

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

林 良樹

大学卒業後、カーディーラ・小売業を経験し、2008年からMS-Japanでリクルーティングアドバイザーとキャリアアドバイザーを兼務しております。

会計事務所・監査法人 ・ コンサルティング ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ USCPA ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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会計士の転職・キャリアに関するFAQ

監査法人から事業会社への転職を考えています。MS-Japanには、自分のような転職者はどのくらい登録されていますか。

具体的な人数をお知らせする事は出来ませんが、より直接的に企業に関わりたい、会計の実務経験を積みたいと考えて転職を考える公認会計士の方が大多数です。 その過程で、より多くの企業に関わりたいという方は、アドバイザリーや会計事務所への転職を希望されます。当事者として企業に関わりたい方は事業会社を選択されます。 その意味では、転職を希望する公認会計士の方にとって、監査法人から事業会社への転職というのは、一度は検討する選択肢になるのではないでしょうか。

転職活動の軸が定まらない上、求人数が多く、幅が広いため、絞りきれません。どのような考えを持って転職活動をするべきでしょうか。

キャリアを考えるときには、経験だけではなく、中長期的にどのような人生を歩みたいかを想定する必要があります。 仕事で自己実現を図る方もいれば、仕事以外にも家族やコミュニティへの貢献、パラレルキャリアで自己実現を図る方もいます。ですので、ご自身にとって、何のために仕事をするのかを一度考えてみることをお勧めします。 もし、それが分からないようであれば、転職エージェントのキャリアアドバイザーに貴方の過去・現在・未来の話をじっくり聞いてもらい、頭の中を整理されることをお勧めします。くれぐれも、転職する事だけが目的にならないように気を付けてください。 今後の方針に悩まれた際は、転職エージェントに相談してみることも一つの手かと思います。

ワークライフバランスが取れる転職先は、どのようなものがありますか?

一般事業会社の経理職は、比較的ワークライフバランスを取りやすい為、転職する方が多いです。ただ、昨今では会計事務所、税理士法人、中小監査法人なども働きやすい環境を整備している法人が出てきていますので、選択肢は多様化しています。 また、一般事業会社の経理でも、経理部の人員が足りていなければ恒常的に残業が発生する可能性もございます。一方で、会計事務所、税理士法人、中小監査法人の中には、時短勤務など柔軟に対応している法人も出てきています。ご自身が目指したいキャリアプランに合わせて選択が可能かと思います。

監査法人に勤務している公認会計士です。これまで事業会社の経験は無いのですが、事業会社のCFOや管理部長といった経営管理の責任者にキャリアチェンジして、早く市場価値を高めたいと考えています。 具体的なキャリアパスと、転職した場合の年収水準を教えてください。

事業会社未経験の公認会計士の方が、CFOや管理部長のポジションに早く着くキャリアパスの王道は主に2つです。 一つは、IPO準備のプロジェクトリーダーとして入社し、IPO準備を通じて経営層の信頼を勝ち取り、経理部長、管理部長、CFOと短期間でステップアップする。 もう一つは、投資銀行などでファイナンスのスキルを身に着けて、その後、スタートアップ、IPO準備企業、上場後数年程度のベンチャーにファイナンススキルを活かしてキャリアチェンジすることをお勧めします。近年はCFOに対する期待が、IPO達成ではなく、上場後を見据えた財務戦略・事業戦略となってきているため、後者のパターンでCFOになっていく方が増えています。 年収レンジとしてはざっくりですが800~1500万円くらいでオファーが出るケースが一般的で、フェーズに応じてストックオプション付与もあります。

40歳の会計士です。監査法人以外のキャリアを積みたいのですが、企業や会計事務所でどれくらいのニーズがあるでしょうか。

企業であれば、会計監査のご経験をダイレクトに活かしやすい内部監査の求人でニーズが高いです。経理の募集もございますが、経理実務の経験が無いことがネックになるケースがあります。 会計事務所ですと、アドバイザリー経験の有無によって、ニーズが大きく異なります。また、現職で何らかの責任ある立場についており、転職後の顧客開拓に具体的に活かせるネットワークがある場合は、ニーズがあります。

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