2024年06月18日

公認会計士がMBAを取得するメリットは?取得後のキャリアパス

日本ではMBAを取得しても欧米ほど評価されない傾向があるといわれています。
しかし近年、経済のグローバル化が進み優秀な人材を確保する必要性が高まる中、日本企業においてもMBAを評価する動きが強まってきました。
通常、MBAホルダーとなるべき人として想定されているのは、企業の幹部候補生や管理職といったビジネスマンです。
では、専門職である公認会計士の場合、MBAを取得するとどういったキャリアが描けるのでしょうか。

今回は、公認会計士がMBAを取得するメリット、デメリット、さらにMBA取得後のキャリアパスについて紹介します。

MBAとは?

MBAは日本語では「経営学修士」と呼ばれ、資格のように扱われることもありますが、実際には大学院を修了したことを示す「学位」のことです。
MBAのコースを整えている大学院は「ビジネススクール」と呼ばれ、主に就職している社会人を入学対象としています。
そのため、大学院といっても研究者養成を目的としているわけではなく、あくまで経営者もしくは経営をサポートするビジネスのプロを育成することが目的です。

大学に所属する研究者によって学べる内容は異なり、例えば実務の場で生かせるような実践的な内容を教える大学がある一方で、「学」としての経営を体系的に学ぶアカデミック系のプログラムを提供する大学もあります。
学べる内容に違いがあっても、MBAプログラムの認証を行う国際機関(AACSB、AMBA、EFMD等)に認められている大学であれば、修了によりMBAホルダーとなる点では変わりません。実際にビジネススクールを選択する場合は、自分の学びたいことや身に付けたい知識に合った大学を選ぶことが求められます。

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公認会計士がMBAを取得するメリット

公認会計士がMBAホルダーとなる1つ目のメリットは、まず企業経営に関する幅広い分野の知識を学べるという点が挙げられるでしょう。
ビジネススクールは、企業の管理者・起業家に必要な知識を総合的に学ぶ場です。
監査業務や決算業務だけでなく、将来的にはコンサルタントとしてのキャリアを積んでいきたいという方の場合、ビジネススクールで学べる知見を活かすことができます。

2つ目のメリットは、幅広い人脈を作れるという点も大きなメリットです。
ビジネススクールには、将来的に管理職や経営に関わる人材になることを期待されているビジネスマンが数多く通学しています。就学中にそれらの人たちと出会い、友人となることで、有力なコネクションを形成できるでしょう。
特に海外のビジネススクールでは、高い意識を持ったビジネスマンが世界中から集まっているので、修了までの1~2年間の間にグローバルな人脈を作れます。
将来的に会計士として海外で活動していきたいと考えている方は、海外のビジネススクールへの通学がおすすめです。

さらに、MBAの取得により、クライアントや所属する法人・企業に対して、経営に関する一定の知識を備えていることを示すことができます。
特に外資系企業・銀行ではMBAホルダーへの評価が高いので、転職時に責任のある地位に抜擢されやすいです。

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公認会計士がMBAを取得するデメリット

一方でデメリットもあります。公認会計士がMBAホルダーとなる1つ目のデメリットは、1~2年間にわたってビジネススクールに通学しなければならないという時間的な問題です。
ビジネススクールの中には、土日に講義・ゼミを行い、働きながらでも通いやすくカリキュラムを組んでいるところもあります。
しかしその場合、土日の休日を返上して通うことになり、家族やプライベートの時間が犠牲になってしまいます。
平日の夜間に通う場合、残業などはすべて断る必要があります。
さらに授業、特にゼミの場合は予習が不可欠であり、そのための時間も別途確保しなければなりません。
こうした時間的な制約が生じるという点は、MBA取得を目指す際のデメリットといえます。

2つ目のデメリットは、大学に通うための費用です。
日本のビジネススクールの場合、例えば早稲田大学ビジネススクール(経営管理研究科・夜間主総合・夜間主プロフェッショナルコース)では、修了までの2年間で336万6,000円かかります。海外のビジネススクールではもっと費用はかかり、ハーバードビジネススクールは学費だけでも約13万ドル(1ドル100円で換算しても約1,300万円)必要です。
生活費等を含めると、さらに費用はかさみます。

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MBA取得した公認会計士のキャリアパス

MBAを取得すれば必ず昇進が約束されているわけではありません。しかし日本に進出している外資系企業のCFO(最高財務責任者)は、MBAホルダーであることが多いです。
将来的に企業の財務部門におけるトップ・管理者を目指したいという公認会計士の方は、MBAを取得しておくことが望ましいといえます。

ただし、国内外を問わずMBAホルダーとして高く評価されるのは、海外の上位校(スタンフォード、Insead、ウォートンスクール等)です。将来のキャリアパスに大きく影響するようなMBAを取得したい場合は、海外のビジネススクールに通うのが望ましいでしょう。

まとめ

公認会計士がMBAを取得することは、企業経営に関する幅広い知見を得られること、人脈を形成できること、転職の際の評価が高まることなどのメリットがあります。
一方で、ビジネススクールに通うには時間と費用がかかるので、実際に取得を目指す場合はその点注意が必要です。通学中に学資が不足して退学することになった、ということだけは避けましょう。

海外も含めてほとんどの大学には奨学金制度があるので、それを活用することで費用負担を少なくできます。もし入学を検討する際は、平行して奨学金についても調べておくことが大切です。

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

齊藤 仁美

大学卒業後、幸せに働く人を増やしたいという想いから新卒でMS-Japanに入社。
上場企業を中心とした求人開拓から管理部門全般のマッチングを行い、2021年1月より専門性の高いJ事業部に異動。
主に会計事務所、監査法人、社労士事務所の担当を持ちながら士業領域での転職を検討している方のカウンセリングから案件紹介を両面で行う。

会計事務所・監査法人 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 税理士科目合格 ・ USCPA を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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会計士の転職・キャリアに関するFAQ

監査法人から事業会社への転職を考えています。MS-Japanには、自分のような転職者はどのくらい登録されていますか。

具体的な人数をお知らせする事は出来ませんが、より直接的に企業に関わりたい、会計の実務経験を積みたいと考えて転職を考える公認会計士の方が大多数です。 その過程で、より多くの企業に関わりたいという方は、アドバイザリーや会計事務所への転職を希望されます。当事者として企業に関わりたい方は事業会社を選択されます。 その意味では、転職を希望する公認会計士の方にとって、監査法人から事業会社への転職というのは、一度は検討する選択肢になるのではないでしょうか。

転職活動の軸が定まらない上、求人数が多く、幅が広いため、絞りきれません。どのような考えを持って転職活動をするべきでしょうか。

キャリアを考えるときには、経験だけではなく、中長期的にどのような人生を歩みたいかを想定する必要があります。 仕事で自己実現を図る方もいれば、仕事以外にも家族やコミュニティへの貢献、パラレルキャリアで自己実現を図る方もいます。ですので、ご自身にとって、何のために仕事をするのかを一度考えてみることをお勧めします。 もし、それが分からないようであれば、転職エージェントのキャリアアドバイザーに貴方の過去・現在・未来の話をじっくり聞いてもらい、頭の中を整理されることをお勧めします。くれぐれも、転職する事だけが目的にならないように気を付けてください。 今後の方針に悩まれた際は、転職エージェントに相談してみることも一つの手かと思います。

ワークライフバランスが取れる転職先は、どのようなものがありますか?

一般事業会社の経理職は、比較的ワークライフバランスを取りやすい為、転職する方が多いです。ただ、昨今では会計事務所、税理士法人、中小監査法人なども働きやすい環境を整備している法人が出てきていますので、選択肢は多様化しています。 また、一般事業会社の経理でも、経理部の人員が足りていなければ恒常的に残業が発生する可能性もございます。一方で、会計事務所、税理士法人、中小監査法人の中には、時短勤務など柔軟に対応している法人も出てきています。ご自身が目指したいキャリアプランに合わせて選択が可能かと思います。

監査法人に勤務している公認会計士です。これまで事業会社の経験は無いのですが、事業会社のCFOや管理部長といった経営管理の責任者にキャリアチェンジして、早く市場価値を高めたいと考えています。 具体的なキャリアパスと、転職した場合の年収水準を教えてください。

事業会社未経験の公認会計士の方が、CFOや管理部長のポジションに早く着くキャリアパスの王道は主に2つです。 一つは、IPO準備のプロジェクトリーダーとして入社し、IPO準備を通じて経営層の信頼を勝ち取り、経理部長、管理部長、CFOと短期間でステップアップする。 もう一つは、投資銀行などでファイナンスのスキルを身に着けて、その後、スタートアップ、IPO準備企業、上場後数年程度のベンチャーにファイナンススキルを活かしてキャリアチェンジすることをお勧めします。近年はCFOに対する期待が、IPO達成ではなく、上場後を見据えた財務戦略・事業戦略となってきているため、後者のパターンでCFOになっていく方が増えています。 年収レンジとしてはざっくりですが800~1500万円くらいでオファーが出るケースが一般的で、フェーズに応じてストックオプション付与もあります。

40歳の会計士です。監査法人以外のキャリアを積みたいのですが、企業や会計事務所でどれくらいのニーズがあるでしょうか。

企業であれば、会計監査のご経験をダイレクトに活かしやすい内部監査の求人でニーズが高いです。経理の募集もございますが、経理実務の経験が無いことがネックになるケースがあります。 会計事務所ですと、アドバイザリー経験の有無によって、ニーズが大きく異なります。また、現職で何らかの責任ある立場についており、転職後の顧客開拓に具体的に活かせるネットワークがある場合は、ニーズがあります。

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