公認会計士がすごい3つの理由!実際になにがどうすごいの?

会計の専門知識とスキルを持つ公認会計士は、ビジネス界において欠かせない重要な存在です。
その「すごさ」は、数多くの要素が組み合わさったものですが、特に3つの理由が際立っています。
本記事では、実際に公認会計士のなにがどうすごいのか、その理由を明らかにしながら、必要不可欠とされる背景を探っていきます。
公認会計士の「試験の難易度」がすごい
公認会計士は「超難関」の国家資格
公認会計士は、医師・弁護士と並ぶ三大国家資格の一つと称されています。
国家試験の難易度ランキングは、弁護士の司法試験や国家公務員総合職と同じトップクラスの「超難関」に位置します。
他の国家資格を含めた難易度ランキングの上位は以下の通りです。
超難関(難易度S) | 難関(難易度A) |
---|---|
医師 弁護士 公認会計士 国家公務員総合職 税理士 弁理士 司法書士 |
不動産鑑定士 日商簿記1級 社会保険労務士 中小企業診断士 行政書士 1級建築士 薬剤師 |
他の国家資格と比べると、公認会計士の難易度の「すごさ」がわかります。
公認会計士試験の難易度がすごい理由
では、なぜ公認会計士の試験は難易度がすごいのでしょうか。
以下に、その理由を見ていきましょう。
合格率が1桁台の狭き門
公認会計士試験の合格率は10%前後で推移し、近年は1桁台という狭き門です。
合格率の圧倒的な水準の低さが、難易度のすごさを物語っています。
合格基準が高い
採点にあたっては、総点数の70%という非常に高い合格基準が設定されています。
合格するためには、各科目で一定以上の点数を取得するとともに、全体の合格点を上回る必要があるのです。
試験範囲が幅広く、膨大な勉強時間が必要
試験範囲は、財務会計論・管理会計論・監査論・企業法・租税法など、幅広い分野の科目が含まれます。
それぞれの分野において高度な専門知識も要求されるため、試験に合格するには約4,000時間にも及ぶ学習が必要とされています。
出題される問題が難解
試験内容は、大学院修了レベルに等しい難解な問題が多く、理解力や応用力も含めて高水準の力量が問われます。
出題される問題には実務に即したものも含まれており、テキストに書かれている知識だけでは対応が不十分な場合もあるようです。
資格自体の価値がすごい
お金の出入りや税に関わることは、あらゆるビジネスに欠かせません。
公認会計士は、企業や個人事業主の経営に重要な役割を果たすことが期待されるため、取得する資格の価値が非常に高いのです。
そのため、試験の難易度も高く設定されているようです。
出願者数と合格率の推移
試験は、短答式(マークシート方式)と論文式の2段階になっており、両方の試験に合格することが必要です。
過去5年間の合格率を含めた受験データは以下のとおりです。
年度 | 出願者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2022年 | 18,789人 | 1,456人 | 7.7% |
2021年 | 14,192人 | 1,360人 | 9.6% |
2020年 | 13,231人 | 1,335人 | 10.1% |
2019年 | 12,532人 | 1,337人 | 10.7% |
2018年 | 11,742人 | 1,305人 | 11.1% |
合格率は短答式試験と論文式試験を合わせた数値です。
出願者数が増加傾向にある一方で、合格率は年々下回っていることがうかがえます。
難易度を人気の資格と比較
公認会計士はビジネス系資格の人気ランキングでも上位の資格です。
他の上位の資格と「合格率、試験科目数、勉強時間」を比べてみても、やはり公認会計士の難易度のすごさが浮き彫りになりました。
以下がその結果です。
資格名 | 合格率 | 試験科目数 | 勉強時間 |
---|---|---|---|
公認会計士 | 7.7% | 9 | 4,000時間 |
税理士 | 18.8% | 5 | 3,000時間 |
社会保険労務士 | 6.4% | 8 | 1,000時間 |
宅地建物取引士 | 17.9% | 4 | 500時間 |
ファイナンシャルプランナー | 53.3% | 6 | 300時間 |
公認会計士の「年収」がすごい
公認会計士のすごさを象徴するものに、年収の高さが挙げられます。
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査(2017~2019年)」によると、公認会計士の平均年収は約1,000万円でした。
全国の給与所得者の平均年収が約500万円なので、比較すると約2倍もの高水準となっています。
多くの公認会計士が働く監査法人では、明確な昇給フローが設定されています。
初任給は約550万円前後で、その後キャリアに応じて着実に年収は上がっていきます。
例えば、マネジャーになると平均年収は800~1,000万円となり、パートナーに至っては1,500~2,500万円の年収が見込めます。
特に日本最大手の監査法人であるBig4(有限責任監査法人トーマツ・EY新日本有限責任監査法人・有限責任あずさ監査法人・PwC Japan有限責任監査法人)では、年収が一層高い傾向です。
30代で年収1,000万円を超えるケースも珍しくありません。
公認会計士は、業界として男女の収入格差が少ないことも特徴です。
出産後に多くの女性が復職し、ライフスタイルに合わせて一定水準の収入を得られることがほとんどです。
育児休暇を取得する男性も給与への影響が少なく、男女を問わず働きやすい就労環境で高収入に期待できます。
独占業務である法定監査は、法律で義務づけられているため、需要が安定していることも年収の高さにつながっています。
公認会計士の「キャリアパス」がすごい
公認会計士が「すごい」とされる理由の3つ目は、その知識とスキルが幅広い業種で活かせる点です。
資格試験合格者のほとんどは、ファーストキャリアで監査法人を選択しますが、その後のキャリアパスは多岐にわたります。
監査法人と親和性のある税理士法人や会計事務所をはじめ、コンサルティング会社、FAS、一般企業、金融機関でも必要な人材として迎え入れられます。
公認会計士は財務諸表の作成や監査はもちろん、会計・税務の専門家として深い知識を持っています。
この専門知識は特定の分野だけでなく、ビジネスを営むあらゆる業種・業界において重要とされるものです。
経営判断や戦略策定、リスク評価、財務アドバイザリーなど、さまざまな業務に公認会計士の専門知識が求められているのです。
また、公認会計士は社会的に信頼度の高い職業としても知られています。
上場企業や大会社が自社の透明性と健全性を証明するためには、第三者による公正な評価に基づいた財務情報を提供することが不可欠です。
公認会計士はその信頼性を担保する存在であるがゆえに「すごい」と評価されているのです。
さらに、公認会計士は法律や規制の改正にも敏感に対応できるよう、継続的に学習を重ねる必要があります。
常に最新の情報を把握し、知識とスキルのアップデートを怠らないなど、多様な業界ニーズに適応できる柔軟性を備えている点も特筆すべきです。
公認会計士は、経済の基盤に根ざした職業であることから、選択できるキャリアパスの幅広さが「すごさ」を表していると言えます。
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まとめ
公認会計士のすごさは、試験の難易度、年収、キャリアパスの3つの理由から明らかになりました。
試験の難易度は、厳格な合格基準をクリアすることで、高度な専門性の証明になります。
平均的なサラリーマンの年収をはるかに凌ぐ年収は、男女を問わず経済的な魅力です。
さらに、幅広いキャリアパスによって、将来の可能性へのチャンスも広がっています。
公認会計士は社会的信用度の高い存在であるという事実が、何よりも「すごい」ことかもしれません。
一見地味なイメージの公認会計士ですが、実は意外なほどの「すごさ」を備えたスペシャリストだったようです。


この記事を監修したキャリアアドバイザー

大学卒業後、ウェディングプランナー、業界大手で求人広告の企画提案営業を経て、MS-Japanへ入社。
企業担当のリクルーティングアドバイザーを経験した後、現在は転職を考えられている方のキャリアアドバイザーとして、若手ポテンシャル層~シニアベテラン層まで多くの方の転職活動のサポートをしています。
人材業界での経験も長くなり、いつまでも誰かの記憶に残る仕事をしていたいと思っています。
経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 役員・その他 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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