2024年03月07日

公認会計士に求められるTOEICスコアは?英語力のある公認会計士は市場価値が高いのか

「公認会計士に英語力は必要なのか、必要な場合、TOEICの点数はどの程度あればいいのか ?」と考える方もいるでしょう。
公認会計士として仕事をする場合、 必ずしも英語力は必須ではありません。しかし、TOEICでハイスコアを取得していれば、転職時に有利に働くでしょう。この記事では、公認会計士が転職時に有利になるTOEICスコアや英語力が高い公認会計士の市場価値について解説します

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公認会計士に求められるTOEICスコアの目安

最初に、公認会計士が転職時に評価されるTOEICスコアの目安を解説します。以下はTOEICスコアとそのスコアで対応できる英語業務の表です。

TOEICスコア 英語業務のレベル
700点台 ビジネス英会話の実務的な会話は難しいものの、日常会話なら普通にできるレベル。英語でのメールのやり取りが可能。
800点台 社内ミーティングで外国人とビジネス会話ができるレベル。英文の読解がスムーズにでき、英文の財務諸表等の公式な文書が読める。
900点以上 英文読解・英会話において、日常生活で不自由を感じないレベル。国際業務を支障なくこなせる。

海外関連事業にかかわるとなると、一般的には700点台~800点台のスコアを求められることが多く、TOEIC700~800点を海外赴任や国際部門への異動の1つの条件として定めている企業も多いです。したがって、TOEIC700点以上を取得していれば、転職時に評価を得ることができるでしょう
また、800点以上のスコアを有している場合、外資系企業や社内公用語を英語でも書類選考通過の可能性が高くなり、更に市場価値が高まります。

なお、国内を中心に事業を展開する企業や、クライアントが国内企業のみの監査法人などを希望する場合は、特段英語力を求められることもないため、英語学習に充てるための時間を別の専門性を磨くために使ってもいいでしょう。
ご自身のキャリアプランを考慮したうえで、英語学習の必要性をしっかりと見極めることが重要です。


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英語力のある公認会計士は価値が高い

公認会計士は英語力が高いほど価値が高くなると言えます。 特に、監査法人での年次が上がるにつれ、高い英語力は武器になるでしょう。
監査法人に所属する場合、スタッフ~シニアスタッフぐらいの年次であれば、まずは会計監査業務の知識・経験を積み上げて、会計士としての実務スキルを磨くことで順当に昇進していけるでしょう。しかし、マネージャー以上の職位になると、単純な会計監査の実務力だけでなく、マネジメントや交渉などの+αのスキルが必要になってきます。外資系のクライアントが多い監査法人であれば、英語力が高いという点は強いアピールポイントになるため、監査法人内でマネージャーやパートナーを目指す場合に有利に働きます
また、監査法人から他の業界へ転職する場合にも、高い英語力は大きな武器となります。 例えば、グローバルなM&A案件を扱うFASやグローバル展開する大手企業へ転職をする際には、英語力が高いことは大きなアドバンテージとなります。
公認会計士としてのキャリアをどのように積んでいこうかと考えている方も多いでしょう。 英語力は、公認会計士としてのキャリアを考えていく上で大きなポイントになるものであると言えます。


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会計士に英語力が必要な場面は?

公認会計士が英語力を必要とする場面には、どのようなものがあるかを見てみましょう。

監査法人の国際部

会計士にとって英語力が必要となるのは、第一に監査部門の国際部です。 監査部門の国際部においては、クライアント企業はグローバル展開する日系企業、あるいは外資系企業の日本支社です。 英語力は、ジュニアスタッフであるうちはそれほど必要とされなくても、昇進していくためには必須です。
監査法人の国際部で求められる英語力は、読み書きよりも「会話力」が重要となってきます。 マネージャーやパートナーともなれば、クライアント企業の外国人のマネージャーやパートナーと親しくコミュニケーションを取れなくてはなりません。 時には英語で交渉を行う必要もあるため、高度な英語力が求められます。

IFRS、M&A

日系企業を担当する場合でも、高い英語力は大きなアドバンテージとなります。 近年では日系企業がIFRSを導入するケースが増えています。 IFRSの原文を問題なく理解できる英語力がある方は、転職する際に大きなプラスになるでしょう。
また、日系企業が海外の会社をM&Aで買収する、あるいは海外の企業に買収されるケースも増加してきています。 その場合には、それ以前とは環境が大きく変わり、英語ができなくては仕事にならないこともあります。 英語力が低いままでは、貴重な経験を逃すことにもなりかねません。

グローバルに活躍する国内企業の監査担当となった場合

国内でそれなりの規模に成長している企業は、その多くが海外に進出しており、海外派遣研修などのプログラムを設置しています。 海外にグループ企業を置いている企業も珍しくありません。
そのような、グローバルに活躍する国内企業の監査担当になると、各国から社員が集まる機会に英語でのコミュニケーションが基本になる場合もあります。 さらに言えば、組織のグローバル化はこれからも進行していくことが考えられるため、英語力を求められる機会はより増えるでしょう
グローバル色の強くない国内企業を担当していたとしても、ある時点を境にグローバル路線に転換することもあり得ます。


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USCPAやBATICは英語力のアピールにもなる

公認会計士が英語力をアピールするための方法として、TOEICのほかにもUSCPAやBATICを取得することも挙げられます。
USCPA(U.S. Certified Public Accountant)は米国公認会計士の資格です。
試験は英語で行われるため、USCPAの勉強をすることで、英語学習の一環にもなり、公認会計士としてのキャリアの幅も広がるため、キャリアアップにつながるでしょう。
ただし、USCPAが評価されやすいのは監査法人やFASなどの公認会計士が多く所属する組織か、外資系企業がメインになるため、日系企業に転職を希望する場合には、必ずしも有利になるとは限りません

また、BATIC(Bookkeeping and Accounting Test for International Communication)は、東京商工会議所が行う国際会計検定です。
試験はやはり英語で行われるため、学習につながるとともに、IFRSの知識についても身につけることができます。


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公認会計士は英語力があると年収が上がる?

公認会計士は、英語力があれば絶対に年収が上がるとは言い切れませんが、昇格・昇給や転職時の年収アップに有利であることは確かです。

例えば、監査法人は基本的に3年から5年ほどの実務経験を積むことによって、次の職位に昇格するようになっており、監査法人に入社した当初はジュニアスタッフとしてスタートし、そこで3~4年ほど経験を積むと、シニアスタッフとなります。シニアスタッフでさらに3~5年ほど勤めた人の中からマネージャーが選出され、さらにそのマネージャーの中からシニアマネージャーに昇格する人がいます。スタッフ職までは監査実務を積み上げることで着実に昇格していける可能性が高いですが、マネージャー以上の職位を目指す場合には、監査法人内での出世競争に勝つ必要があります
英語力があれば、それを強みに監査業務以外でも自分のプレゼンスを示しやすくなるため、出世競争で一歩リードできることで、結果的に昇格につながり、年収がアップする可能性は十分にあるでしょう。

また、英語力を活かして事業会社に転職する場合は、グローバル事業を行っている会社が視野に入ってきます。そうすると、必然的に給与水準の高い大手企業や外資系企業が選択肢に多く入ってくるため、良い待遇で転職することも可能でしょう。

このように英語力は公認会計士のキャリアパスや年収に大きく影響します。
英語力があることによって、年収を上げるためのキャリアの選択肢が広がるため、英語力を鍛えることは年収アップに間接的につながっていると言えるでしょう。


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英語力のある公認会計士が目指したい転職先とは?

ここでは、英語力のある公認会計士が目指したい転職先を、4つのトピックに分けて解説します。

FAS

FAS(ファイナンシャルアドバイザリーサービス)は、会計士に人気のある転職先です。 企業の価値を適正に評価するデューデリジェンスや、M&Aアドバイザリーなどを行っています。
国内関連の業務が中心となるため、必ずしも英語力が必要なわけではありませんがBig4系列のFASを中心にクロスボーダーM&Aも取り扱っているため、英語ができれば、仕事の幅は広がります

大手監査法人

大手監査法人も、会計士の転職先の一つとしてよく知られています。 いわゆるBIG4(有限責任あずさ監査法人(KPMG)、有限責任監査法人トーマツ(Deloitte)、新日本有限責任監査法人(Ernst & Young)、PwC Japan監査法人(PricewaterhouseCoopers))には、IFRS(国際会計基準)の部門が設けられています。 高い英語力を持っていれば、こちらに転職することも可能です。

グローバルで活躍する企業

総合商社や銀行のような、海外との結びつきが強い企業も、公認会計士の転職先になります。 大手監査法人と同じように、IFRS対応や海外連結、海外子会社管理など海外関連の業務も多種多様です。
経理財務や経営企画、内部監査といった分野で英語力が求められるため、まさに「英語力を持った公認会計士」にうってつけの業務と言えます。 「TOEIC○○○点以上」「ビジネスレベルの英会話」など、企業によって求める英語力は異なるため、事前に確認しておきましょう。

IPO準備企業

新規上場を目指すベンチャー企業のCFOや管理部長ポジションも公認会計士の転職先の一つです。 海外市場への上場を目指している会社やグローバル展開を目指すベンチャーも増えているので、英語力があることのメリットは大きいです。
例えば、グローバルオファリングの実施を検討中のベンチャー企業では、海外投資家への説明等が必要となるので、英語力がある人の評価は高くなります。
IPO準備企業への転職にあたり、必ずしも英語力は必要ではありませんが、英語力があれば企業選択の幅が広がります。


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英語力必須の公認会計士求人事例

英語力必須の公認会計士求人事例MS-Japanで扱う英語力必須の公認会計士求人をご紹介します。

大手グローバル企業 メディカル・バイオ業界 経理担当

ポジション
東証プライム上場企業 製造業界 経理担当
仕事内容
・IFRS、米国基準、日本基準に基づく決算業務(月次、四半期、年次)
・連結決算業務
・開示業務(決算短信、有価証券報告書)
・金融商品取引法に基づく対応
・経営管理情報収集、連携 等
想定年収
年収700万円~年収1,100万円

大手上場グループの経理管理職候補~課長職

ポジション
上場グループ 製造業界 経理担当(管理職候補~課長職)
仕事内容
・管理会計、原価計算
・実績管理、予算管理
・決算業務(月次、四半期、年次)
・連結決算
・海外子会社管理
・IFRS対応
・税務申告書作成業務
・経理業務フロー改善
・月次連結処理のサポート業務 等
想定年収
年収650万円~年収900万円

世界的シェア拡大中のコンテンツ事業会社の経理スペシャリスト

ポジション
IPO準備中企業 IT・通信業界 経理スペシャリスト
仕事内容
・月次、四半期、年次決算業務
・子会社の連結決算
・IPO業務全般
・開示書類(決算短信・有価証券報告書等)作成
・監査法人、税理士法人対応
・税務業務:各種税務申告 等
想定年収
年収700万円~年収1,100万円

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英語力を活かして転職した公認会計士事例

MS-Japanを利用して、英語力を強みに転職成功した公認会計士の事例をご紹介します。
こちらで紹介する例は、全員TOEIC700点以上取得されている方です。

有名企業のCFO候補ポジションへキャリアアップ転職!

Xさん

Xさん(30代前半・男性)資格:USCPA

東証プライム上場企業
製造業界
経理担当
年収700万円

矢印 矢印

東証プライム上場企業
IT・通信業界
CFO候補
年収740万円


これまでの経験・資格を活かしてIPO準備中企業の管理職クラスへ!

Yさん

Yさん(30代前半・男性)資格:公認会計士・税理士・中小企業診断士

BIG4監査法人
監査部
シニアスタッフ
年収800万円

矢印 矢印

IPO準備中企業
製造業界
経理財務(課長~部長級)
年収900万円


大手グループへの転職で年収200万円アップ!

Zさん

Zさん(40代前半・男性)大手監査法人で国際部経験あり

東証プライム上場企業
商社
経理課長
年収1,000万円

矢印 矢印

東証プライム上場グループ
金融業界
連結決算担当
年収1,200万円


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まとめ

会計士として仕事をしていく上で英語力は必ずしも必須ではありません。しかし、監査法人で昇進を目指す場合、あるいは転職してキャリアアップしたいと思う場合は、英語力は大きなアドバンテージとなります。まずは、TOEIC700点を目安に英語力を身につけて、より有利な転職を目指しましょう。

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

篠原 義樹

大学卒業後、不動産会社にて個人向けの営業を経験。その後MS-Japanへ入社。会計事務所・コンサルティングファーム・監査法人・法律事務所・社会保険労務士事務所等の法人側担当として採用支援に従事。現在はキャリアアドバイザーも兼務し一気通貫で担当しております。

会計事務所・監査法人 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 税理士科目合格 ・ USCPA を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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会計士の転職・キャリアに関するFAQ

監査法人から事業会社への転職を考えています。MS-Japanには、自分のような転職者はどのくらい登録されていますか。

具体的な人数をお知らせする事は出来ませんが、より直接的に企業に関わりたい、会計の実務経験を積みたいと考えて転職を考える公認会計士の方が大多数です。 その過程で、より多くの企業に関わりたいという方は、アドバイザリーや会計事務所への転職を希望されます。当事者として企業に関わりたい方は事業会社を選択されます。 その意味では、転職を希望する公認会計士の方にとって、監査法人から事業会社への転職というのは、一度は検討する選択肢になるのではないでしょうか。

転職活動の軸が定まらない上、求人数が多く、幅が広いため、絞りきれません。どのような考えを持って転職活動をするべきでしょうか。

キャリアを考えるときには、経験だけではなく、中長期的にどのような人生を歩みたいかを想定する必要があります。 仕事で自己実現を図る方もいれば、仕事以外にも家族やコミュニティへの貢献、パラレルキャリアで自己実現を図る方もいます。ですので、ご自身にとって、何のために仕事をするのかを一度考えてみることをお勧めします。 もし、それが分からないようであれば、転職エージェントのキャリアアドバイザーに貴方の過去・現在・未来の話をじっくり聞いてもらい、頭の中を整理されることをお勧めします。くれぐれも、転職する事だけが目的にならないように気を付けてください。 今後の方針に悩まれた際は、転職エージェントに相談してみることも一つの手かと思います。

ワークライフバランスが取れる転職先は、どのようなものがありますか?

一般事業会社の経理職は、比較的ワークライフバランスを取りやすい為、転職する方が多いです。ただ、昨今では会計事務所、税理士法人、中小監査法人なども働きやすい環境を整備している法人が出てきていますので、選択肢は多様化しています。 また、一般事業会社の経理でも、経理部の人員が足りていなければ恒常的に残業が発生する可能性もございます。一方で、会計事務所、税理士法人、中小監査法人の中には、時短勤務など柔軟に対応している法人も出てきています。ご自身が目指したいキャリアプランに合わせて選択が可能かと思います。

監査法人に勤務している公認会計士です。これまで事業会社の経験は無いのですが、事業会社のCFOや管理部長といった経営管理の責任者にキャリアチェンジして、早く市場価値を高めたいと考えています。 具体的なキャリアパスと、転職した場合の年収水準を教えてください。

事業会社未経験の公認会計士の方が、CFOや管理部長のポジションに早く着くキャリアパスの王道は主に2つです。 一つは、IPO準備のプロジェクトリーダーとして入社し、IPO準備を通じて経営層の信頼を勝ち取り、経理部長、管理部長、CFOと短期間でステップアップする。 もう一つは、投資銀行などでファイナンスのスキルを身に着けて、その後、スタートアップ、IPO準備企業、上場後数年程度のベンチャーにファイナンススキルを活かしてキャリアチェンジすることをお勧めします。近年はCFOに対する期待が、IPO達成ではなく、上場後を見据えた財務戦略・事業戦略となってきているため、後者のパターンでCFOになっていく方が増えています。 年収レンジとしてはざっくりですが800~1500万円くらいでオファーが出るケースが一般的で、フェーズに応じてストックオプション付与もあります。

40歳の会計士です。監査法人以外のキャリアを積みたいのですが、企業や会計事務所でどれくらいのニーズがあるでしょうか。

企業であれば、会計監査のご経験をダイレクトに活かしやすい内部監査の求人でニーズが高いです。経理の募集もございますが、経理実務の経験が無いことがネックになるケースがあります。 会計事務所ですと、アドバイザリー経験の有無によって、ニーズが大きく異なります。また、現職で何らかの責任ある立場についており、転職後の顧客開拓に具体的に活かせるネットワークがある場合は、ニーズがあります。

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