公認会計士の休みはいつ?繁忙期や休暇が取りやすい時期について解説!

監査法人に所属する公認会計士は、多忙で休みにくいというイメージを持っている人は少なくないかもしれません。
実際に公認会計士を目指している人にとっては、忙しくなる期間や休日・休暇がどのような状況なのかが気になるところでしょう。
年間を通じて公認会計士の休みはいつなのか、繁忙期や休暇が取りやすい時期について見ていきましょう。
土日や祝日は休める?
監査法人で働く公認会計士は「激務」という印象を持たれることもありますが、一般的な休日や休暇の日に休むことはもちろん可能です。
通常、土曜・日曜・祝日は休日となり、夏季休暇や年末年始の休みのほか、年次有給休暇や慶弔休暇も取得できます。
法律で定められた育児休業制度を利用することも問題ありません。
これらの「休み」は、就業規則や働くスケジュールによって異なるケースも見られますが、多くの場合、労働法や会社のポリシーに基づいて与えられています。
そんな監査法人には繁忙期と閑散期が存在します。
繁忙期は業務の需要に応じて柔軟な働き方を求められることがあり、休むことも難しくなります。
特に、最も忙しくなるゴールデンウィークには、残業日が続いたり休日出勤が発生したりすることも珍しくありません。
一方で、閑散期には比較的長期の休暇を取ることができるのも監査法人の特徴の一つです。
一般企業と同様に、年間120日から140日の休日・休暇制度を整えているところがほとんどです。
つまり、そこで働く公認会計士も一般的な会社員と同じくらいの「休み」があると考えてよいでしょう。
「忙しいときは休みにくく、暇な時はしっかり休める」という現象は多くの職業でも見られることですが、公認会計士もその例外ではないということです。
公認会計士が休めないと言われるのは、繁忙期のせい
公認会計士は一般的な日数の休みを取ることはできますが、繁忙期は長時間労働を強いられることが多く、休みが少ないというイメージがあります。
この繁忙期が起きる理由について考えてみましょう。
特定の時期に監査業務が集中するため
まず、監査業務が集中することで生じる繁忙期があります。多くの企業や事業主は、特定の時期に決算を行います。
その際、公認会計士は数多くの財務状況や諸表をチェックし、正確な評価を下すための監査スケジュールに追われることになります。
独占業務である監査がピークを迎える時期は、定期的に発生することが通例なのです。
労働集約型の業務だから
監査法人の仕事は、公認会計士自身による労働力の割合が大きい「労働集約型」です。業績を向上させるためには公認会計士の稼働率を高める必要があります。
しかし、人の手が足りないからといって忙しい時期に人材を確保しても、閑散期には余剰な人材を抱えることになるかもしれません。
ましてや、売り手市場の公認会計士は数が限られていることが実状です。
このように容易に人材を増やせない背景から、繁忙期の状況も改善しにくくなっています。
複数のクライアントを担当するため
一人の公認会計士が複数のクライアントを担当していることも、繁忙期を形成している要因です。
各企業の決算が同時期に訪れたり、複数のクライアント業務が重なったりした場合、公認会計士は多くの案件を同時進行で処理しなければなりません。
クライアントを複数抱えることは、公認会計士に限らず一般の営業職でもあり得ることです。
しかし、特に忙しい繁忙期はクライアント対応だけでなく、膨大な量のデータや文書を精査し、検証するなどの業務があるため、忙しさに拍車がかかってしまうのです。
次の章では、繁忙期がいつ訪れるのかについて詳しく解説します。
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公認会計士の繁忙期はいつ?
年間の業務内容
公認会計士の仕事は年間を通じて多岐にわたります。
3月決算の場合、7月に監査スケジュールを立て、クライアント企業とのミーティングで進行方向を決めます。
四半期ごとに財務レビューを行い、適切な報告書を作成。夏に期中監査を実施し、内部統制をチェックします。
9月に進捗や方針について事業主と話し合い、10月〜12月にかけてレビューや再監査を実施します。
新年に第3四半期のレビューと期中監査を行い、期末には具体的な監査業務に当たります。
4月〜6月にかけて期末監査、結果報告、有価証券報告書のチェックが行われ、6月末に1年のサイクルを終えます。
繁忙期が訪れる傾向は
監査法人で働く公認会計士の繁忙期は、監査業務の需要期に加えて、クライアント企業の決算期や会計期間と連動していることが一般的です。
例えば、3月が年度末決算、6月・9月・12月が四半期決算に当たり、それぞれの月を挟んだ1ヶ月前後が忙しくなります。
企業は法定期限内に決算を行わなければならないため、公認会計士はその期限に間に合わせるために多大な労力と時間を必要とします。
特に、4月中旬〜5月〜6月上旬にかけては最も忙しい時期とされています。
なぜなら、この時期は期末監査や財務諸表を含めた有価証券報告書のチェック作業が集中するためです。
監査業務がピークに達するゴールデンウィーク期間は、多くの公認会計士が残業を余儀なくされ、休暇を取ることも難しくなります。
細かく見ると、4月中旬〜5月上旬にかけては、年度末の有価証券報告書と決算短信の対応が重なり、忙しさが著しく増幅します。
さらに、5月中旬、5月下旬〜6月上旬に至っては、期末監査や報告書の最終チェック作業が迫るため、忙しさに拍車がかかります。
また、四半期報告書や四半期決算短信の提出も、公認会計士にとっては大きな業務負担です。
四半期報告書は、四半期終了後45日以内が提出期限となっているため、6月・9月・12月のそれぞれ翌1ヶ月半後にかけて、四半期報告書の作成に追われます。
同様に、四半期決算短信も報告書より前に提出されるため、公認会計士は30日以内に対応する必要があります。
これらの状況から、第1四半期対応の7月〜8月中旬、第2四半期対応の10月〜11月中旬、第3四半期対応の1月〜2月中旬も繁忙期に該当します。
やむを得ない事情がない限り、忙しさを理由にした提出期限の延長は認められていません。
繁忙期の公認会計士は、忙しさに追われながらもクライアント企業の信用を守るために、スケジュールを調整しながら対応しなければならないのです。
公認会計士が休みやすい時期はいつ?
公認会計士の年間業務スケジュールは、3月の年度末決算を起点に、四半期ごとのサイクルで構成されています。
そのため、繁忙期と次の繁忙期の端境期に当たる「8月中旬~9月中旬」と「11月中旬~12月下旬」は業務が落ち着く傾向にあり、公認会計士が休みやすい時期になります。
具体的な背景は以下のとおりです。
8月中旬~9月中旬
この時期は先行する期中監査が終了し、第1四半期から第2四半期に移行する端境期として新たなレビューの準備が始まるタイミングです。
そのため、業務は一段落し、落ち着いている状況にあります。
監査業務は次のレビューの準備や計画を立てる段階に移り、集中する作業はまだ始まっていないのです。
さらに、多くの企業は夏季休暇を取るため、業務のスケジュールが調整され、公認会計士の負担も軽減されます。
クライアント企業との連絡調整が難しくなり、業務がスムーズに進まない可能性がありますが、一般的には繁忙期ほどの圧倒的な作業量には至らないでしょう。
11月中旬〜12月下旬
第2四半期と第3四半期の端境期に当たるこの時期についても、休みを取りやすいタイミングが見受けられます。
業務としては年度末に向けた再監査やレビューの最終段階ですが、多くの企業は年末年始の休みに入るため、業務の優先度が下がる傾向があります。
クライアント企業も休暇モードに入り、業務の進行が遅くなることが予想されます。
また、この時期は多くの企業が年度末を見越して、業績の振り返りや新年の準備に取り組むため、公認会計士の業務負担は比較的軽くなります。
このタイミングに休暇を取ることで、疲れをリフレッシュし、新年に向けての準備を整えることができるでしょう。
このように「8月中旬〜9月中旬」と「11月中旬〜12月下旬」は業務量が繁忙期ほどではないためスケジュール調整がしやすく、休暇取得に適した時期と言えるでしょう。
公認会計士が計画的に休みを取るためには
公認会計士が計画的に休暇を取るためには、業務のスケジュールを決算月のサイクルに合わせて「3ヶ月区切り」に調整することがポイントです。
例えば、「12月と3月」のような区切り方がおすすめです。
クライアントを複数抱えていても、繁忙期と閑散期を明確に区切れるため、働き方を柔軟に管理しやすくなります。
逆に、「1月と3月」、「3月と8月」といったような変則的な組み合わせでは、休暇取得が難しくなるでしょう。
1月に業務を集中させてもすぐに3月の忙しい業務がやってくるため、明確な端境期が生まれにくくなります。
このような状況では、休暇を取るための余裕を確保することが難しくなり、業務のスケジュール調整も複雑化してしまいます。
3ヶ月ごとに区切られた決算月対応の業務は、ワークライフバランスを保ちやすくするための手法です。
クライアントとのスケジュール調整や業務の計画性を高めることで、必要な休暇を取るための土台が整います。
仕事の効率性も向上し、休暇後はリフレッシュした状態で業務に取り組むことができるでしょう。
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まとめ
公認会計士には年度末決算や四半期決算などの繁忙期があることは明らかですが、一般的な休日・休暇が用意されていることも確かです。決して年中忙しいわけではなく、その合間合間で業務が落ち着く閑散期も訪れます。
このメリハリの良さを活かし、年間を通じた業務スケジュールを計画的に組み立てることで、一定の「休み」を確保することは可能です。
経営の健全性を評価する仕事は、自らの心身が健全でなければ務まりません。
しっかり仕事をした後はしっかりと休む。そんな充実したワークライフバランスを目指しましょう。


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公認会計士が外資系企業に転職するメリットは何ですか?
公認会計士が外資系企業に転職するメリットは、「自分のペースで仕事ができる」「日系企業に比べて年収が高い」の2つです。 外資系企業は良くも悪くも実力主義のため、成果を出すことができていればプライベートの時間も確保しながら仕事をすることができます。 また、日系企業に比べて年収が高い傾向がありますが、福利厚生は日系企業の方が充実しているため、年収と福利厚生のどちらを重視するかを検討する必要があります。
公認会計士は外資系企業でワークライフバランスを重視した働き方が出来ますか?
外資系企業は日系企業に比べて実力主義な傾向が強いため、自分で労働時間を管理することができます。 また、今では日系企業でもリモートワークを採用している企業が多いですが、外資系企業は日系企業よりもリモートワークが普及しているため、働き方という意味でも外資系企業ではワークライフバランスよく働くことが可能です。
公認会計士は外資系企業でどのような部門に配属されることが多いですか?
公認会計士が外資系企業に転職する場合、「アカウンティング部門」もしくは「ファイナンス部門」のいずれかが有力な選択肢となります。 アカウンティング部門は、日系企業でいう経理部に当たり、ファイナンス部門は日系企業でいうと予算管理部門と経営企画部門のちょうど間ぐらいの立ち位置になります。
公認会計士が外資系企業で働くにはどのようなスキルが求められますか?
公認会計士が外資系企業で働くには、本国の経営陣や従業員とビジネス的な会話ができるレベルの語学力が必要です。 また、本国の所在地にもよりますが、US-GAAP、IFRS/IASといった海外の会計基準と日本の会計基準の違いをしっかりと理解しておく必要があります。 日本の公認会計士だけでなく、USCPAなどを取得しておくと外資系企業への転職には有利になります。
公認会計士が外資系企業に就職・転職するハードルは高いですか?
公認会計士が外資系企業に就職・転職するハードルは決して低くはありませんが、IFRS(国際財務報告基準)に関する知識と経験がある方には転職のチャンスがあります。 また、一定の英語スキルも必要にはなりますが、入社時に極端に高い語学力が求められるわけではありません。 尚、管理職を目指す場合は本国や他国の拠点とやり取りをするためにも、英語力は必須となります。
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