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ただし12月27日(土)には、一部カウンセリング枠はございます。この日は予約が埋まりやすいのでお早めにご予約をお願いいたします。

2025年12月04日

30代公認会計士のキャリア戦略|監査からコンサルに転身、経営改善で高まる市場価値(後編)

この記事は後編です。前編の記事はこちらをご確認ください。

前編では、会計士に求められる役割の変化として、「監査から経営改善へ」という潮流を整理しました。
具体的には、業務フロー改善や内部統制の強化、管理会計制度の導入など、会計士が企業の成長を支えるコンサルティング領域で活躍する機会が拡大している現状と、30代の会計士に期待されるプロジェクト推進力や改善提案力、ステークホルダーマネジメントの重要性を解説しました。

後編では、こうした経験が転職市場でどのように評価されるのか、アピールすべき実績の整理方法や面接で伝えるべきポイントについて詳しく解説します。

転職市場での評価ポイント

コンサル経験は「監査+α」として強力な武器であり、事業会社でも評価される「経営スキルセット」として機能します。
転職市場において、会計士のコンサルティング経験は非常に高く評価され、キャリアの選択肢を劇的に広げます。

監査法人での監査経験が「企業の数字の正確性」を証明するスキルであるのに対し、コンサルティング経験は「企業の数字を良くするための仕組みを創れる能力」を証明するものです。
これは単なる「監査+α」ではなく、市場における価値を一変させる「変革スキル」として認識されます。
事業会社とコンサルティングファームそれぞれの評価は以下の通りです。

事業会社での評価

「企画・経営管理・経営戦略」といった、経理部門の上流工程のポジションで高く評価されます。
業務効率化、内部統制の構築、M&A後のPMI(経営統合プロセス)といったプロジェクト経験は、そのまま企業の成長戦略を担う力と見なされます。
IFRS経験がある方にとっては、グローバル対応を見据えた体制構築のプロとして、特に重宝されます。

コンサルティングファームでの評価

監査法人出身者に比べ、より実践的な課題解決能力や、クライアントの現場に入り込んだ経験が評価されます。
即戦力として、マネージャー以上のポジションでの採用につながるケースも少なくありません。

コンサル経験を通じて得られるプロジェクト遂行能力と経営視点は、経理のプロフェッショナルとして、現場担当者から経営層へのキャリアアップを可能にする、決定的な評価ポイントとなります。

市場価値を証明するアピール技術

職務経歴書では「プロジェクトの規模・改善成果」を数値化し、面接では「改善施策の具体的なエピソード」を語ることが重要です。
コンサルティング経験を転職で最大限に活かすためには、その経験が「何を達成したのか」を明確に伝えることが不可欠です。

【職務経歴書でのアピール方法】

職務経歴書では、実績を具体的な数値で示し、影響範囲を明確にすることが最優先です。

プロジェクトの規模・範囲

・「○○社(売上規模・従業員数)における△△プロジェクトに従事」
・「IFRS導入における、連結子会社×社、経理担当者□名を対象としたトレーニング設計・実施」

改善成果の数値化

・「決算早期化プロジェクトにより、決算期間を5営業日短縮」
・「業務フロー改善により、経理部門の残業時間を月平均20%削減」
・「管理会計制度導入により、事業部別のROICを可視化、改善提案に活用」

【面接でのアピール方法】

面接では、職務経歴書に書かれた事実の「裏側」にある、あなたの思考プロセスと行動力をエピソードで語ります。
「結果(Result)→行動(Action)→課題(Task)」のSTAR法などで、具体的な場面描写を含めて語ることで、単なる経験者ではなく、「成果を生み出すプロフェッショナル」であることを印象付けられます。

課題発見のエピソード

「クライアントが認識していた問題(例:データ入力ミス)に対し、真の原因(例:部門間の連携不足)をどのように特定したか。」

改善施策のエピソード

「課題解決のために、どのような提案を行い、クライアントをどのように説得し、合意形成へと導いたか。」

リーダーシップのエピソード

「プロジェクトで困難に直面した際、チームメンバーやクライアントとどのようにコミュニケーションを取り、乗り越えたか。」

まとめ|会計士の新しいキャリアパス

30代会計士がコンサル経験を積むと市場価値が一気に高まり、「経理のプロ」から「経営のプロ」へとキャリアが進化します。
本記事で述べたように、現代の会計士は、監査のプロから一歩踏み出し、「経営管理・改善のコンサルタント」としての役割を求められています。
特にIFRSといった高度な専門知識と、実務経験を兼ね備えた30代の会計士にとって、コンサルティング経験はキャリアを次のステージへと押し上げる最大のチャンスです。

プロジェクトマネジメント、課題発見力、改善提案力といったコンサルティングスキルを身につけることは、単に転職に有利になるというだけではなく、「会社の未来を創る仕事」に参画する切符を手に入れることを意味します。

「数字を監査する人」から「数字を経営に活かし、組織を変革する人」へ。このキャリアチェンジは、あなたの市場価値を一気に高め、「経理のプロフェッショナル」として、経営層へのキャリアパスを確実に切り開くでしょう。

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

齊藤 仁美

大学卒業後、幸せに働く人を増やしたいという想いから新卒でMS-Japanに入社。
上場企業を中心とした求人開拓から管理部門全般のマッチングを行い、2021年1月より専門性の高いJ事業部に異動。
主に会計事務所、監査法人、社労士事務所の担当を持ちながら士業領域での転職を検討している方のカウンセリングから案件紹介を両面で行う。

会計事務所・監査法人 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 税理士科目合格 ・ USCPA を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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会計士の転職・キャリアに関するFAQ

監査法人から事業会社への転職を考えています。MS-Japanには、自分のような転職者はどのくらい登録されていますか。

具体的な人数をお知らせする事は出来ませんが、より直接的に企業に関わりたい、会計の実務経験を積みたいと考えて転職を考える公認会計士の方が大多数です。 その過程で、より多くの企業に関わりたいという方は、アドバイザリーや会計事務所への転職を希望されます。当事者として企業に関わりたい方は事業会社を選択されます。 その意味では、転職を希望する公認会計士の方にとって、監査法人から事業会社への転職というのは、一度は検討する選択肢になるのではないでしょうか。

転職活動の軸が定まらない上、求人数が多く、幅が広いため、絞りきれません。どのような考えを持って転職活動をするべきでしょうか。

キャリアを考えるときには、経験だけではなく、中長期的にどのような人生を歩みたいかを想定する必要があります。 仕事で自己実現を図る方もいれば、仕事以外にも家族やコミュニティへの貢献、パラレルキャリアで自己実現を図る方もいます。ですので、ご自身にとって、何のために仕事をするのかを一度考えてみることをお勧めします。 もし、それが分からないようであれば、転職エージェントのキャリアアドバイザーに貴方の過去・現在・未来の話をじっくり聞いてもらい、頭の中を整理されることをお勧めします。くれぐれも、転職する事だけが目的にならないように気を付けてください。 今後の方針に悩まれた際は、転職エージェントに相談してみることも一つの手かと思います。

ワークライフバランスが取れる転職先は、どのようなものがありますか?

一般事業会社の経理職は、比較的ワークライフバランスを取りやすい為、転職する方が多いです。ただ、昨今では会計事務所、税理士法人、中小監査法人なども働きやすい環境を整備している法人が出てきていますので、選択肢は多様化しています。 また、一般事業会社の経理でも、経理部の人員が足りていなければ恒常的に残業が発生する可能性もございます。一方で、会計事務所、税理士法人、中小監査法人の中には、時短勤務など柔軟に対応している法人も出てきています。ご自身が目指したいキャリアプランに合わせて選択が可能かと思います。

監査法人に勤務している公認会計士です。これまで事業会社の経験は無いのですが、事業会社のCFOや管理部長といった経営管理の責任者にキャリアチェンジして、早く市場価値を高めたいと考えています。 具体的なキャリアパスと、転職した場合の年収水準を教えてください。

事業会社未経験の公認会計士の方が、CFOや管理部長のポジションに早く着くキャリアパスの王道は主に2つです。 一つは、IPO準備のプロジェクトリーダーとして入社し、IPO準備を通じて経営層の信頼を勝ち取り、経理部長、管理部長、CFOと短期間でステップアップする。 もう一つは、投資銀行などでファイナンスのスキルを身に着けて、その後、スタートアップ、IPO準備企業、上場後数年程度のベンチャーにファイナンススキルを活かしてキャリアチェンジすることをお勧めします。近年はCFOに対する期待が、IPO達成ではなく、上場後を見据えた財務戦略・事業戦略となってきているため、後者のパターンでCFOになっていく方が増えています。 年収レンジとしてはざっくりですが800~1500万円くらいでオファーが出るケースが一般的で、フェーズに応じてストックオプション付与もあります。

40歳の会計士です。監査法人以外のキャリアを積みたいのですが、企業や会計事務所でどれくらいのニーズがあるでしょうか。

企業であれば、会計監査のご経験をダイレクトに活かしやすい内部監査の求人でニーズが高いです。経理の募集もございますが、経理実務の経験が無いことがネックになるケースがあります。 会計事務所ですと、アドバイザリー経験の有無によって、ニーズが大きく異なります。また、現職で何らかの責任ある立場についており、転職後の顧客開拓に具体的に活かせるネットワークがある場合は、ニーズがあります。

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