2025年02月25日

公認会計士に人気の資格・検定は?実際に取得されている資格・検定をランキング形式で紹介!

認会計士としてのキャリアをさらに広げるために、公認会計士以外の資格や検定の取得を検討している人もいるのではないでしょうか。
当記事では2024年1月~12月の1年間でMS-Japanの転職エージェントサービス「MS Agent」に登録いただいた公認会計士の方々が「実際に取得していた資格や検定」を取得者数の多い順にランキング形式でご紹介します。試験日程や受験料等の参考情報も併せてご紹介いたしますので、資格取得、検定受験を検討している方はぜひ参考にしてみてください。


※簿記等の公認会計士試験範囲に内容が含まれる資格や、税理士・行政書士といった公認会計士が登録可能な資格は集計対象から除外しています。

1位. 英語系検定(TOEIC、英検等)

公認会計士が最も多く保有していたのは英語系の検定であり、TOEIC、TOEFL、英検等の検定を合わせると公認会計士の41.4%が何かしら英語の検定結果に関する情報を登録・保有していました。

TOEIC

英語系検定の中でも最も受験者数が多かったのはTOEICでした。TOEICは他の検定と異なり合否ではなく、英語力を測る目的で気軽に受験できることから人気が高く、転職や社内昇進等、ビジネスシーンでも非常に活用しやすい試験です。

ちなみに、今回の調査でTOEICスコア有りと記載していた公認会計士の平均は793.4点でした。

英語の運用能力・熟達度を同一の基準で評価するグローバルスタンダードな指標であるCEFR(セファール)によると、上級レベルの英語を話し、英語圏で問題なく自立できるとされているレベルがC1、自立した英語使用者をB1~B2としており、それぞれTOEIC L&Rテストの点数で換算すると945点以上(L:490点、R:455点)でC1、785点(L:400点以上、R:385点以上)でB2とされています。

※引用:toeicホームページより

また、TOEICはListeningとReading試験であるTOEIC L&Rがポピュラーですが、WritingとSpeaking試験であるTOEIC S&Wもありますので、幅広く英語力を伸ばしたい方にはこちらもおすすめです。

TOEICの試験日程

例年10回程度、全国約80都市で実施され、申込み時に試験日時と受験会場の選択ができます。直近の開催日程や申し込み可能な試験は公式サイトから確認できます。

参考:TOEIC® Listening & Reading Test「年間テスト日程」

TOEICの受験料

受験料は7,810円(税込)で、クレジットカード、コンビニ払い、楽天ペイから選択可能です。また再受験割引もあり、受験した次の試験日から翌年同月までのうち1回が、割引価格の6,710円(税込)で受験できます。

英検

TOEICよりは少ないものの、英検(実用英語技能検定)を保有している公認会計士も多く、主に2級~1級を保有する方が多く見られました。英検の場合は3級以上の級からは2次試験においてスピーキング力を評価する面接が必ず実施されるため、Reading, Listening, Writing, Speakingを幅広く鍛えたい方にはおすすめです。

英検の試験日程

英検は5月下旬~7月中旬実施の「第1回検定」、9月下旬~11月中旬実施の「第2回検定」、翌年1月中旬~3月上旬実施の「第3回検定」の年3回受験機会があります。
本記事公開時点では2025年3月24日(月)〜 5月2日(金)が申込期間の2025年度第1回検定が最短の試験日程となります。

英検の受験料

英検は本会場と準会場があり、会場によって値段が異なります。

本会場(税込) 準会場(税込)
1級 12,500円 -
準1級 10,500円 -
2級 9,100円 6,900円
準2級 8,500円 6,100円
3級 6,900円 5,000円
4級 4,700円 2,900円
5級 4,100円 2,500円

※1級、準1級は本会場のみ。

詳細は英検の公式ページをご確認ください。

2位. USCPA、海外公認会計士

公認会計士のなかには、日本の公認会計士に加えて海外公認会計士を取得している人もおり、特にUSCPA(米国公認会計士)が人気でした。USCPAは2024年1月10日から、受験科目が3つの必須科目と選択科目(うち1科目を選択)に分かれています。必須科目と選択科目は、それぞれ以下の通りです。

必須科目

FAR(Financial Accounting & Reporting・財務会計)
AUD(Auditing & Attestation・監査及び証明業務)
REG(Taxation & Regulation・税法及び商法)

選択科目

BAR(Business Analysis & Reporting・ビジネス分析及び報告)
ISC(Information System & Controls・情報システム及び統制)
TCP(Tax Compliance & Planning・税法遵守及び税務計画)

USCPAの合格率

2024年におけるUSCPAの合格率は以下の通りです。

必須科目

科目 AUD FAR REG
合格率 46% 40% 63%

選択科目

科目 BAR ISC TCP
合格率 38% 58% 74%

USCPAは一度にすべての科目に合格する必要はなく、合格した科目については18か月の科目合格の有効期限があるため、仕事をしながらでも受験しやすいという特徴もあります。

USCPAの試験日程

USCPAの必須科目はいつでも受験可能であり、毎月1回同じ科目を受験できます。
選択科目は受験可能な期間が5つに分かれており、こちらは通年開催ではないため注意が必要です。

2025年USCPA必須科目の受験スケジュール

受験期間 スコアリリース
1/1~1/23 2/7
1/24~2/14 2/25
2/15~3/9 3/18
3/10~3/31 4/9
4/1~4/23 5/8
4/24~5/16 5/28
5/17~6/8 6/17
6/9~6/30 7/10
7/1~7/23 8/7
7/24~8/15 8/26
8/16~9/7 9/16
9/8~9/30 10/9
10/1~10/23 11/7
10/24~11/15 11/25
11/16~12/8 12/16
12/9~12/31 1/13 (2026年)

2025年USCPA選択科目の受験スケジュール

受験期間 スコアリリース
1/1~1/31 3/14
4/1~4/30 5/16
6/1~6/30 7/17
7/1~7/31 9/11
10/1~10/31 12/16

USCPAの受験料

USCPAを受験するためには受験資格審査料、試験料、国際会場手数料の3つの料金を支払う必要があります。

受験資格審査料:出願の前にかかる受験資格の審査申請に必要な料金です。金額は州によって異なりますが、おおよそ$90~140程度です。
試験料:USCPAの受験票発行には試験料が必要であり、こちらも金額は州によって異なりますがおおよそ$350です。
国際会場手数料:アメリカとカナダ以外の国でUSCPAを受験する際に必要となる費用で、1科目で$390。4科目合計で$1,560です。

すべて合算すると$2,000程度の金額になり、仮に1ドル150円で換算すると日本円で¥300,000程度と非常に高額な受験料が必要です。

その他の詳細に関してはAICPAの「CPA Exam resources」をご確認ください。

3位. 公認内部監査人(CIA)

第3位は公認内部監査人(CIA)でした。CIAとはCertified Internal Auditorの略称であり、内部監査に関する指導的な役割を担っているIIA(The Institute of Internal Auditors:内部監査人協会)が認定する国際資格です。
財務会計、管理会計、IT、ファイナンス、経営学等、ビジネスで必要な知識を幅広く、体系的に学ぶことができ、公認会計士の業務内容とも親和性が高いため人気の資格です。

公認内部監査人(CIA)の試験日程

試験は通年して実施されており、多くの会場では週に5~6回程度実施しています。
CIA試験はピアソンテストセンターにて、コンピューター形式(CBT)で行われており、CCMSから予約が可能です。

参考:CCMS

公認内部監査人(CIA)の受験料

IIA個人会員 IIA個人会員以外の方
CIA 登録料 ¥18,000 ¥36,000
CIA Part1受験料 ¥46,000 ¥66,000
CIA Part2受験料 ¥42,000 ¥62,000
CIA Part3受験料 ¥42,000 ¥62,000
印刷版 認定状 ¥7,500 ¥7,500
合計 ¥155,500 ¥233,500

IIA会員でない場合は合計で約23万円前後の受験料、登録料が必要になります。支払い方法はクレジットカードもしくは振込が選択可能です。

その他の詳細はIIA認定国際資格「CIA:Certified Internal Auditor(公認内部監査人)」をご確認ください。

4位. MBA(国内・海外)

資格や検定ではありませんが、MBAも公認会計士に人気でした。MBA取得者の年齢を見てみると30代中盤以降の年代に集中しているため、すでに会計士として一定の経験を積んだうえで、ビジネスマンとして更なるスキルアップを目指す人が取得していると考えられます。

MBAの入試日程

MBAには国内MBAと海外MBAがあるため、分けて説明します。

国内MBAの場合

国内MBAの入試は主に年2回のケースが多く、秋入試と冬入試があります。

  • ・秋入試:9月~10月出願、10月1次試験、11月2次試験の面接
  • ・冬入試:1月初旬出願、1月下旬1次試験、2月2次試験の面接

大学院によっては年1回しか入試がないケースや、年3回実施しているケースもあるため、出願先の大学院の受験スケジュールを確認してみてください。

海外MBAの場合

海外MBAの入試時期は年1回であり、申請期間は9月~翌年4月が一般的です。なお、大学院によっては2月で申請受付を締め切る大学院等も存在するため、こちらも志望大学院の詳細を確認する必要があります。
書類審査の結果発表は1月~5月頃に行われ、合格した場合には8月もしくは9月の入学となります。

MBA入試に必要なもの

MBA入試のために一般的に必要なものは以下になります。

国内MBAの場合

英語スコア(TOEIC)
小論文(筆記試験)
研究計画書
推薦状

海外MBAの場合

GMATスコア
英語スコア(TOEFL・IELTS)
小論文(エッセイ)
履歴書
卒業した大学の成績表(GPA)
推薦状

MBAについては各大学院によって入試の時期や方法がさまざまであるため、まずは志望するMBAを決めて、志望先の受験要綱をしっかりと確認しましょう。

5位. 公認情報システム監査人(CISA)

CISAは情報システムの監査および、セキュリティ、コントロールに関する高度な知識、技能と経験を有するプロフェッショナルとしてISACAが認定する国際資格で、日本語では「公認情報システム監査人」と称します。

情報システム監査およびコントロールの専門家資格としては最も長い歴史を持ち、かつ最も国際的に普及している資格です。情報システム監査に関わる専門家自身による団体が認定しているもので、いわゆる「国家資格」ではありませんが、欧米の企業社会では広く認知されています。

公認情報システム監査人(CISA)の試験日程

CISAは通年でいつでも受験できます。ISACA®Webサイトから申し込み後、1年以内に受験します。予約した日程の48時間前までに、無料で試験日程をリスケジュールできるため、働きながらでも受験しやすい資格です。
不合格になった場合、再受験は初回受験から30日以上あける必要があります(再受験2回目以降は前回の受験から90日後)。なお再受験は1年以内に3回までです。

試験結果は試験終了時に仮結果が表示され、その後本結果がメールで通知されるという流れのため、すぐに試験結果が分かります。

公認情報システム監査人(CISA)の受験料

CISAの受験料はISACA会員の場合$575、ISACA非会員の場合$760になります。1ドル150円で換算すると非会員の場合は約11万円の受験料が必要なため、高額な受験料であるといえます。

その他の詳細はISACAの「CISA」ページをご確認ください。

6位. IPO実務検定

IPO実務検定は、上場準備の実務を遂行するにあたって必要となる知識をまんべんなく、総合的に問う試験であり、豊富な実務経験を持つ上場準備の専門家が中心となって膨大な上場準備実務を分析・体系化することにより、実務に根ざした問題を中心に構成されています。

IPO実務検定は標準レベルと上級レベルの2つに分かれており、標準レベル合格者は上場準備スタッフとして上場準備室長のサポート業務をこなすことができる能力を有するとみなされます。
上級レベルは標準レベルの合格もしくは上場準備の実務経験が3年以上あることが受験要件であり、上級レベル合格者は上場準備室長として上場準備に必要な業務の特定ができるほか、それらの業務を社内の適材適所にアサインしたり、監査法人、証券会社等の上場関連プレイヤーとの折衝ができる能力を有するとみなされます。

IPO実務検定の試験日程

IPO実務検定は全国のテストセンターで実施されており、テストセンターの予約枠に空きがあればいつでも受験可能です。
標準レベルは試験後すぐに結果がわかります。上級レベルは試験後にスコアレポートが配布されます。選択式の足切りライン(60%)をクリアした方のみ、約1か月後に、記述式の採点結果を含めた最終合否が日本IPO実務検定協会事務局よりメールで届きます。

IPO実務検定の受験料

2025年1月7日以降の申込より、価格改定がありました。
標準レベルは14,300円、上級レベルは22,000円(いずれも税込)です。

その他の詳細はCBTSの「IPO実務検定」ページをご確認ください。

その他の資格

取得者数が少なかったためランキングには選出しませんでしたが、上記の資格・検定以外にも公認会計士が取得している資格や検定としては以下のようなものがありました。

  • ・中小企業診断士
  • ・社会保険労務士
  • ・衛生管理者
  • ・ビジネス法務実務検定
  • ・弁護士
  • ・司法書士
  • ・弁理士

取得者数として多くはないものの、他の国家資格や法務関連資格が人気でした。

まとめ

公認会計士としてさらなるスキルアップを目指すために、公認会計士以外の資格・検定の取得を検討する方は少なくありません。今回のランキングでは、英語スキルを強化するTOEICや英検、会計・税務分野での専門性を高めるUSCPA、さらにビジネス領域でのスキルを広げるMBAや公認内部監査人(CIA)等、多岐にわたる資格が人気であることが分かりました

資格や検定の取得を検討する際は、自身のキャリアプランに合った資格を選ぶことが重要です。ぜひ本記事の情報を参考にし、今後のキャリア形成に役立ててください。

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

佐藤 颯馬

大学卒業後、新卒でMS-Japanに入社。
法律事務所・会計事務所・監査法人・FAS系コンサルティングファーム等の士業領域において事務所側担当として採用支援に従事。その後、事務所側担当兼キャリアアドバイザーとして一気通貫で担当。

会計事務所・監査法人 ・ 法律・特許事務所 ・ コンサルティング ・ 金融 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 税理士科目合格 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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