2024年03月04日

公認会計士に人気の就職先は?就職時の流れも解説

公認会計士の就職先として、多くの人は監査法人を思い浮かべるでしょう。監査法人で実務経験を積むことが、公認会計士として独り立ちするための要件となっているため、公認会計士試験に合格後は監査法人へ就職する方の割合が高いです。

しかし、公認会計士の就職先は、必ずしも監査法人であるとは限りません。
この記事では、公認会計士の就職先について、大手監査法人・大手企業での活躍の仕方就職の流れについて解説します。

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公認会計士の就職先

公認会計士の主な就職先には、以下があります。

監査法人

監査法人は、上場企業やIPO準備企業からの依頼を受け、財務諸表が会計基準に従って適切に作成されているかをチェックする「監査」や経営戦略の支援などを行う「アドバイザリー」を行います。監査は公認会計士の独占業務であり、公正な立場で企業活動を監視する役割を果たします。
監査法人の業界構造としては、「Big4監査法人」「準大手〜中堅監査法人」「中小監査法人」にという区分に分けられ、働き方も異なります。

公認会計士は、公認会計士資格を取得した後、その9割が監査法人に就職すると言われています。大きな理由は、公認会計士になるための「実務経験」として、監査証明業務に関して公認会計士・監査法人を補助することが求められるからです。

税理士法人

税理士法人では、主に企業や個人の税務相談税金計算確定申告書の作成支援などを行います。公認会計士は、ここで会計や税務に関する専門的なアドバイスを提供し、クライアントの税務処理をサポートします。

税理士法人に就職すれば、税法に関する深い知識が求められ、会計知識と合わせて税務戦略を立案する能力が身につくでしょう。監査よりも税務に携わりたい場合におすすめしたい選択肢と言えます。

会計事務所

会計事務所では、小規模な企業や個人事業主を対象に、日常的な会計業務経理処理財務諸表の作成税務申告などの支援を行います。公認会計士として、会計・税務の専門家として幅広い知識を活かし、中小企業等の経営をサポートすることができます。
なお、監査・税務のどちらを行うかは、事務所によって方針が異なります。

監査法人で経験を積んだ後、独立して公認会計士事務所を立ち上げている人も少なくありません。そのため、将来的に独立をお考えの方におすすめの就職先です。

コンサルティングファーム

コンサルティングファームでは、企業経営に関する幅広い問題に対して専門的なアドバイスを提供します。公認会計士は、特に財務・会計領域のコンサルティングで活躍し、企業の経営改善リスク管理M&A(合併・買収)のアドバイザリー業務などに携わります。

財務やM&Aに特化したファームは「FAS(Financial Advisory Service)」と区別され、採用ニーズが高まっている就職先の一つです。

一般企業

一般企業でも、事業規模が大きい場合や業種上の理由から公認会計士が必要な場合は、社内に公認会計士を配置します。
業務としては、財務諸表の作成内部監査予算管理財務分析など、企業の財務健全性を守るための重要な役割を担います。また、企業の経営戦略に深く関わる機会もあるでしょう。

経験を積んだ公認会計士は、経理・財務のマネージャークラス、もしくはCFOといった待遇での採用が多く、金融機関や官公庁のニーズもあります。

投資銀行

投資銀行では、M&Aアドバイザリー株式公開(IPO)支援など、企業の大きな財務戦略をサポートします。公認会計士は、財務分析、評価、デューデリジェンス(企業調査)などの業務でその能力を発揮します。
会計と財務の専門知識を組み合わせ、高度な分析や戦略立案を行うことが求められる非常に専門的な領域です。また、将来的にCFOなど事業会社の経営幹部を目指す方にも人気の転職先です。

公認会計士資格があっても就職できない可能性はある?

公認会計士業界では、過去に就職難となっていた時期がありました。リーマンショック後に、監査法人が大規模なリストラを行ったためです。

それよりも昔は、バブル崩壊によって超高倍率の状況に陥ったこともあります。つまり、公認会計士の就職先は、景気によって左右される傾向があると言えるでしょう。
政策の一環として公認会計士を増やそうとした結果、就職できない合格者が生まれた時期もあります。このように、時代によっては就転職に悪影響が及ぶ可能性が十分あります。

とはいえ、それは公認会計士以外にも言える話なので、深刻にとらえる必要はありません。不景気になれば採用は落ち込み、好景気なら採用は増えるものですから、監査法人など公認会計士の就職先が人材不足である限り、求人がなくなることはないはずです。

「就職できないかもしれない」というリスクだけで、監査法人などへの採用をあきらめるのはナンセンスと言えるでしょう。公認会計士は、今なお魅力的な国家資格の一つなのです。


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公認会計士の就職には学歴が必須条件?

公認会計士として就職する際、学歴でふるいにかけられる可能性はあるのでしょうか。結論から言うと、100%とは言い切れないものの、基本的に学歴は就職における必須条件ではありません。

もちろん、公認会計士合格者の学歴別の合格率を見る限り、大卒または大学在学中の合格者が圧倒的多数を占めます。しかし、高卒者の合格者もいることから、学歴を問わず就職のチャンスは十分にあるものと考えられます。

会計業界全体が、これまでの実務経験・公認会計士以外のキャリア・熱意などを重視して人材を採用する傾向にあります。よって、学歴を理由に公認会計士の就職先が限られることは、ほぼないものと考えてよさそうです。

ただ、中小クラスの法人・会計事務所を目指す場合は、学歴が選考条件のポイントになる可能性があります。例えばクライアントが私立大学だった場合、OBである会計士に監査を依頼するケースは十分考えられますから、そういった事情が採否に関係している可能性はゼロとは言えないでしょう。

その他、四大監査法人と学歴の必要性について知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

【関連記事】
四大監査法人で学歴は必要ない!?


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公認会計士の就職先としては大手監査法人が人気?

公認会計士が就職先として検討するのは、やはり大手監査法人(Big4監査法人)でしょう。大手監査法人とは、次の条件を満たす監査法人のことです。

概ね上場会社を100社以上監査し、かつ常勤の監査実施者が1,000名以上

日本で大手監査法人に位置付けられているのは、以下の4つの監査法人です。

・有限責任あずさ管理法人(KPMGジャパン)
・EY新日本有限責任監査法人
・有限責任監査法人トーマツ
・PwC Japan有限責任監査法人

これら4つの監査法人が、いわゆるBig4監査法人として知られており、基本的に大手企業の監査業務を担当しています。ただ、それぞれの監査法人には得意分野があり、強い地域にも違いが見られます。
例えば、あずさ監査法人は電鉄会社のシェアが多く、大阪・広島といった西日本エリアに強いという特徴がありますが、監査法人トーマツは、金融・小売分野に強い傾向にあります。

Big4監査法人は、監査以外の分野でも、得意・不得意が分かれています。
よって、就職する際はそれぞれの監査法人の得意分野と、自分のキャリアのマッチングを意識することが大切です。


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公認会計士の就職時の流れ

公認会計士として、監査法人等に就職するためには、何はともあれ公認会計士試験に合格することが大前提です。試験はおよそ1年にわたり行われ、2度の短答式試験・論文式試験を終えたら、11月中旬には合否が決定します。

監査法人へのエントリーはその後となり、約1週間後に採用試験、そしてさらに1週間後に内定が出るイメージです。就活期間が実質的に1週間しかないので、しっかり対策を立てておかなければ、内定を勝ち取るのは難しいでしょう。

なお、就職試験の大まかな流れは以下の通りです。

①監査法人の絞り込み 公認会計士の合否が出る前の段階で、説明会等に参加して、働きたい監査法人を絞り込む
②エントリー 働きたいと思った監査法人にエントリーする
③適性テストを受ける 適性テストをWeb等で受ける必要がある場合は、適性テストを受ける
④面接 面接に進み、志望動機や自己PRなど、諸々の質問に回答していく
⑤内定通知および内定承諾 試験が終了して問題がなければ、内定通知が届く。
内定承諾期間が設けられているので、自分が行きたいと思う監査法人の内定を承諾する

より詳しいキャリアプランについて知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

【関連記事】
公認会計士試験合格後の流れとキャリプランを徹底解説

業界別公認会計士の年収事情

公認会計士が活躍できるフィールドは、監査法人だけではありません。もちろん、監査法人だけでキャリアを終えるという選択肢もありますが、それ以外にも働ける場所はありますし、年収にも違いが生じてきます。

例えば、大手監査法人でスタッフ~シニアスタッフとして働く場合、年収は600~800万円、高くて900万円ほどが想定されます。しかし、マネージャー・パートナーまでたどり着けば、年収1,000~1,500万円の世界が見えてきます。

大手以外の監査法人であれば、多少年収が下がり600~700万円、高くて800万円といったイメージです。コンサルティングファームは、実力次第で年収1,000万円以上を狙えますが、実力がないと判断されれば年収も少なくなります。

より高い水準の年収を目指すのであれば、独立という選択肢もあります。 自分で仕事を取ってきて、事務所の経営も行う点で負担は増えますが、勤務会計士の年収を超えようと考えているなら取り組む価値はあるはずです。
ちなみに、公認会計士になるための実務経験を積んでいる段階(補助者)の場合の年収は、400~500万円程度を想定しておくとよいでしょう。

【関連記事】
【公認会計士の平均年収】年収3000万は現実的?年収アップの方法から独立に必要なスキルまでご紹介!


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公認会計士のキャリア

公認会計士のキャリア公認会計士がキャリア構築を考える場合、最初の段階では監査法人への就職を狙うのが基本戦略です。
その後は、これまで積み上げてきた実務経験・将来の目標に応じて、転職先を決めることになるでしょう。
具体的には、会計事務所コンサルティングファームなどが、主な転職先となるでしょう。その他、事業会社の経理職や、IPO準備中ベンチャー企業のCFOなど、企業への転職を検討することもできます。

チームワーク・プライベート重視という形であれば、事業会社で働いた方が、自由な時間を確保しやすいでしょう。逆に、自分の実力を転職先で試したいのであれば、コンサルティングファームや会計事務所を選んだ方がベターです。

もし、監査法人という枠内で転職を考えているなら、大手から中堅、あるいは中堅から大手に移るのもよいでしょう。大手から中堅に移れば出世の可能性が高まりますし、逆に中堅から大手に移れば給与増が期待できます。

最終的には、自分が転職先に何を望むのかによって、選ぶ転職先の種類も変わってきます。しかし、どのようなキャリアを目指すにせよ、監査法人を出た公認会計士を獲得したい事務所・企業は数多く存在しています。

より詳しく公認会計士の転職について知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

【関連記事】
公認会計士が大手企業への転職を成功させるには?
CFOが公認会計士のキャリアに? CFOの成り立ちや条件、年収は?
公認会計士のキャリアパスのパターンは?


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まとめ

公認会計士試験合格者が、正式に公認会計士となるためには、まず監査法人からキャリアをスタートさせるのが一般的です。しかし、公認会計士は、転職時に様々な職場で歓迎されます。

選んだ職場によって、働き方や年収も変わってくるため、公認会計士は入念に職場研究を試みる必要があるでしょう。その分、公認会計士になるための道のりは決して楽ではありませんが、挑戦する価値のある資格の一つです。

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公認会計士が外資系企業に転職するメリットは何ですか?

公認会計士が外資系企業に転職するメリットは、「自分のペースで仕事ができる」「日系企業に比べて年収が高い」の2つです。 外資系企業は良くも悪くも実力主義のため、成果を出すことができていればプライベートの時間も確保しながら仕事をすることができます。 また、日系企業に比べて年収が高い傾向がありますが、福利厚生は日系企業の方が充実しているため、年収と福利厚生のどちらを重視するかを検討する必要があります。

公認会計士は外資系企業でワークライフバランスを重視した働き方が出来ますか?

外資系企業は日系企業に比べて実力主義な傾向が強いため、自分で労働時間を管理することができます。 また、今では日系企業でもリモートワークを採用している企業が多いですが、外資系企業は日系企業よりもリモートワークが普及しているため、働き方という意味でも外資系企業ではワークライフバランスよく働くことが可能です。

公認会計士は外資系企業でどのような部門に配属されることが多いですか?

公認会計士が外資系企業に転職する場合、「アカウンティング部門」もしくは「ファイナンス部門」のいずれかが有力な選択肢となります。 アカウンティング部門は、日系企業でいう経理部に当たり、ファイナンス部門は日系企業でいうと予算管理部門と経営企画部門のちょうど間ぐらいの立ち位置になります。

公認会計士が外資系企業で働くにはどのようなスキルが求められますか?

公認会計士が外資系企業で働くには、本国の経営陣や従業員とビジネス的な会話ができるレベルの語学力が必要です。 また、本国の所在地にもよりますが、US-GAAP、IFRS/IASといった海外の会計基準と日本の会計基準の違いをしっかりと理解しておく必要があります。 日本の公認会計士だけでなく、USCPAなどを取得しておくと外資系企業への転職には有利になります。

公認会計士が外資系企業に就職・転職するハードルは高いですか?

公認会計士が外資系企業に就職・転職するハードルは決して低くはありませんが、IFRS(国際財務報告基準)に関する知識と経験がある方には転職のチャンスがあります。 また、一定の英語スキルも必要にはなりますが、入社時に極端に高い語学力が求められるわけではありません。 尚、管理職を目指す場合は本国や他国の拠点とやり取りをするためにも、英語力は必須となります。

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